タニハタブログ Blog

組子らんまを作る会社<タニハタ>の日々の出来事、その思いをブログで綴ります。

木から産まれた猫

シルバーウィーク・・。
長い休みでした。

「秋」というシーズンにこんなにも長い間、会社を休みにするのは
初めてです。(ほとんどの方はそうだとおもいますが・・。)

この休みの間に嬉しいことがありました。
(今日は仕事以外のことをブログに書きます。)

少し長くなりますが・・

今年の冬の話しです。(ちょっと不思議な話しです。)

1月の大雪の中、日曜日なのにタニハタの職人が朝早くから会社に
来ていました。

「今日、日曜日なのにどうしたがけ?
それもこんな大雪の中・・」

私が聞くと

「先週、外に置いてある材木と材木の間に子猫が一匹いたので可哀相だからと
エサをあげたら住みついてしまって・・。

今日やらないと死んでしまうかもしれないからエサをやりに来たがやちゃ。」

私も猫を4匹飼っているので、その時は、

「う~~~ん、うちの職人はやっぱり人が良いな~~。」

と関心しながらその場を去りました。

(これが良かったのか、悪かったのか・・。)

私は、この出来事をすっかり(うっかり)忘れてしまいました。

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5月末になり、うちの若い職人が

「社長。子猫がたくさん、材木置き場にいますよ。」

と仕事の帰りに伝えにきました。

「えっ!  たくさん??(そういえば子猫が一匹いたはず・・)
何匹いた?」

「親猫もいれると四匹です。」

「4匹・・・・・・。」

すぐに材木置き場にいくと親猫の後ろに3匹の猫が走り去っていきました。

他にももう1匹、父猫のような大きな(ボロボロの白猫も)1匹近くにいました。

正直、愕然としました。

冬場にうちの職人がエサをあげていた子猫はメスで、あれからずっとエサを
あげていたので子供を産める大きさに育っていたのです。

材木置き場の一番端の部分でしたので、私自身全く気づきませんでした。

「4匹+1匹か・・・。 大所帯だな・・。どうするか・・。」

会社にはたくさんの刃物が付いた木工機械や道具があります。

親猫は警戒して工場内に入ってきませんが、子猫はウロウロして
機械に巻き込まれる危険があります。(職人も危険です。)

とにかく捕獲作戦(!?)に実行しました。

猫を運ぶキャリー(カゴ)が一個あったので
中にエサを入れておびきよせ、どうにか子猫を1匹だけ捕獲。

子供の友達に猫を飼いたい、という子がいたので(少し可哀相でしたが)
すぐにもっていきました。

「この調子なら他の猫もどうにかなるかも。」

と思いましたが、すぐに考えが甘かったことに気付きました。

子猫を捕られた親猫はその後警戒してカゴには入ってくれなくなりました。

いろいろなな作戦を実行しましたが、(一人の職人は無理矢理カゴにいれようとして
爪であっちこっちをくじられ、負傷)どれも成功しませんでした。

P1000531.jpg

それからなんだかんだと三ヶ月経過・・。

エサだけはやり続けていました。

(もう9月か・・。このままだと今、産まれた子猫もまた子供を産むかもしれない・・。
でも、どうすればいいのか・・。)

その答は簡単に見つかりました。

いつもうちの猫を診てもらっている獣医さんに相談したところ、<動物捕獲用の檻>
を貸してくれたのです。

それを使うと簡単に猫を捕獲することができました。

(残念なことにあと2匹いたはずの子猫は1匹だけになっていました。)

合計3匹の猫を捕獲。

3匹とも避妊手術をしたあと、とりあえず、私の自宅の子供部屋を猫専用の仮部屋にして(住まわせ)
里親さがしをすることにしました。

しかし、白の父親猫(高齢)はもらってくれる人はいないと判断。

家族や社員と相談した結果、この父親猫だけ会社の材木置き場で
エサをやり続け、そこでずっと飼うことにしました。

お昼にその白い猫を再び、会社の材木置き場に置いていったその日の夜、
不思議なことがおきました。

自宅にいた母猫と子猫が脱走しました。
(子猫はすぐに捕獲しましたが、母猫はいなくなってしまいました・・。)

家族皆で懸命に探しましたが、その母猫はついに見つかりませんでした。

そして次の日の朝。

会社にいくと何とその脱走した母猫と父親の白い猫2匹が並んで会社の前
にいたのです。

私の自宅と会社の距離は車で10分以上の距離。

それも会社の材木置き場から自宅へは車で病院経由で連れていったので
匂いや風景など目安になるものは全くないのです。

(犬と違い、嗅覚も頼りなるとは思えません・・。)

どうやって自宅から材木置き場までたどり着いたのか・・

母猫はどうして子供を置いて父猫のもとにきたのか・・

夫婦2匹で並んで会社の前にいたのは何か意味のあることなのか・・。

不思議な気持ちになりました。

妻は涙ぐんでいました。

2匹にエサをやると、ボロボロの白い猫は警戒をして近づきませんでしたが、
(五メートルくらい離れていましたが)
母猫は腹を空かしているはずなのにエサをくわえて
その白い猫の前にポトン、と置いてやったのです。

本当に驚きました・・。

「愛」というと人間だけのものとおもってしまいますが、違うのですね・・。

小さな動物にもそれはちゃんと存在するのです。

これだけ賢い母猫が子猫を置いてくのは、よほどのことです。

多分、家から脱走したあと母猫は子猫に

「お前はここに残りな。お前1匹ならばここで面倒みてもらったほうが
いい。 私はお父さんのところにいく。」

そう言ったに違いありません。

そして二匹が朝から会社の前に並んでいたのは
 
「子供をよろしく・・・。」

と私達に言いたかったのはないでしょうか。

(美談すぎる推測でしょうか・・。下その子猫です。)

11.jpg

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私の家にも4匹の猫(元野良猫)がいますが、2匹は親子、2匹はあとからきた
猫です。

4匹になってから3年以上経過しますが、いまだに折り合いは悪く
もし、ここに1匹増えるとタニハタ家・三国志状態になり、ケガが耐えないと判断しました。

可哀相ですが、やはり里親を探すことにしました。

新聞に里親広告を出すと5件くらい問い合わせがあり、いろいろな条件から
一件の家に持っていくことしました。

私は都合が悪かったので妻がその家に連れていくと・・・

何とその家は私がお世話になっている彫刻家の方だったのです。

(家にいくまでわからなかったと妻は言っていました・・。
出先で携帯で今回の話しを聞きましたが、私は再び絶句してしまいました。。)

最後の最後まで不思議な縁を感じた出来事でした。

(冒頭、シルバーウィークに良いことがあったというのは猫の里親が決まったことなのです。)

そういえば会社の入り口に先生の作品「二匹鯉」を置いてから
今回の子猫騒動は始まったような・・

よほど鯉が美味そうだったのかな?
https://www.tanihata.co.jp/weblog/2009/05/post-72.html

そう思いながら今日も作品を眺めています。