タニハタブログ Blog

組子らんまを作る会社<タニハタ>の日々の出来事、その思いをブログで綴ります。

スウェーデン王立リンショーピング大学の学生が来社されました

スウェーデンにある王立リンショーピング大学 マルムステン家具デザイン学部の学生と先生、木工作家の小松研治先生が工場見学に来社されました。

スウェーデンにあるリンショーピング大学は、1969年に創立された大学で23の教育部門および4学部を有しているヨーロッパでは有名な大学です。

「マルムステン家具デザイン学部」を創立したカール・マルムステン氏は「スウェーデン家具の父」と呼ばれる方で、家具デザイナーであり、建築家、そして教育者でもありました。
北欧家具の特徴は、自然の素材を生かし素朴でありながら美しさと機能性を備えたデザインでもありますが、日本の組子にもどこか通じるところがあり私も以前から興味を持っていました。

一方、木工作家の小松研治先生は、東京芸術大学大学院美術研究科終了後、大学などで講師、教授として教鞭をとられ、2017年から富山大学名誉教授に就任されています。
現在は富山市婦中町にて作家活動をされています。

そんな木工のスペシャリスト達が来社される、ということで当社の職人達も3ヶ月ほど前からいろいろな準備をしておりました。

最初は、タニハタの会社ビデオ(英語版)を見ていただき、日本の組子についての説明をさせていただきました。

古い組子やタニハタが制作した新しい文様、組子製作の道具、日本の木材などを説明。

内閣総理大臣賞を受賞した40年前の書院障子を見ていただきました。当時の製作はまだほとんどが手作業で行っていたのですが、かなり興味を持たれましたので丁寧に説明させていただきました。

組子製作体験をしていただきました。すごい集中力で組子を製作。

籠目柄を製作するための4つの技法を実演。

スウェーデンの木工の歴史をタブレットで説明していただきました。うちの職人達も興味津々の様子。

タニハタから欧州の木工についてたくさん質問させていただきました。私達にもわかりやすいように丁寧に手描きで説明していただきました。
機械によじ登って話しを聞いている職人もいます(笑)

職人達からの質問内容・・・

スウェーデンで主に使用されている木材は何ですか? 
それはどこの国の木材ですか? 
購入される際、木材のどこを重要視しますか? 
日本の木材に興味はありますか?  
スウェーデンの林業のひと手は足りていますか?  
ものづくりするものとして大切にされていることは?(こだわりなど) 
継ぎ手や仕口にはどんなものがありますか?  
いままで製作されたもので大変苦労されたものは?  
職人としての悩みはありますか?   
木工職人をめざす人は増えているのか?  
主にどんな木工機械 道具を使用されていますか? 
それはどこの国のメーカーのものですか? 
スウェーデンの伝統的な技法があったら教えていただけますか? 
木工の歴史を教えていただけますか?  
スウェーデンで組子技術に似たようなものはありますか? 
スウェーデンで組子はどれくらい知られているのでしょうか?
タニハタに来られた理由は?  
組子のどこに魅力を感じますか?
スウェーデン(皆様は)では環境に負荷をかけないものづくりをされていますか?

時間と共に熱のこもった話しになり、身を乗り出して聞いています。

朝9時から12時まで約三時間仕事をとめて木工に関する情報交換を行いました。本当に実のある話しでした。
今度はタニハタの職人がスウェーデンで研修させていただく・・・という流れになり、最後は笑顔で拍手。

言葉は通じなくても、職人同士は心が通じるものですね。
地球の裏側からご来社いただき本当に感謝です。



お土産に・・・スウェーデンの手作りジャムと手作りの木箱をいただきました。良い仕事をされています。

スウェーデンの家具の書籍

小松研治 書籍 工場見学

小松先生からは書籍2冊をいただきました。すべてサイン入りです。
GWに職人達で工房見学させていただく予定です。
ご縁に感謝です。