タニハタブログ Blog

組子らんまを作る会社<タニハタ>の日々の出来事、その思いをブログで綴ります。

神代杉での組子製作につきまして

「神代杉」は地面の中に数千年埋まっていた杉です。
過去の火山噴火活動で地中または湖沼中に埋没し、奇跡的に腐敗しなかった貴重な木材。
長い時間をかけて変色した神々しいまでの黒褐色の木肌は見るだけで威厳を感じさせます。

タニハタで使用している神代杉は、秋田県の鳥海山から出土した2500年前のものになります。組子用の厳選された柾目材の部分になり大変希少価値の高いものです。(下写真)



神代杉はヒノキ以上に希少価値が高く、市場にはほとんど出回っておりません。特に色味の濃い「黒神代 柾目材」は日本で最も高価な木材と言えます。この木材で組子を製作すると重厚感のある味わい深い作品に仕上がります。

過去にはこの木材を使用して外資系ホテルへ納入させていただきました。

ホテル ザ・リッツ・カールトン東京様

    フォーシーズンズホテル 東京大手町 様

その他  タニハタオリジナルデザイン 麻の葉チラシシリーズ TAタイプ にも一部使用しております。



タニハタでは国産木材「神代杉」の素晴らしさを一人でも多くの方に知っていただきたく思っております。
かなり高額になり使いかたにも工夫が必要ですが、上質で洗練された空間に仕上げたいと思っている方はこの材料を一度ご検討ください。


    

数学と伝統木工技術「組子」が融合した高校入試問題



島根県の高校入試で、伝統木工技術「組子」を題材にした問題が出題されました。
その問題にはタニハタの「麻の葉組子」の写真も使用されています。

「組子」とは、木材を組み合わせて美しい模様を作り出す日本の伝統木工技術。
数学的な美しさと精密さが求められます。
組子に関する問題を解くには、組子のパターン・構造を理解していることが必要となります。


試験会場で頭を抱える生徒たち・・・一見すると、彼らはただ数学の問題を解いているようですが、実は組子職人のように精密な計算を行い、「組子」の文様を心の中で組み立てているのです。
数学が苦手な生徒も、「組子」の美しさに惹かれて問題を解こうとするかもしれません。

そしてこの問題を解くことが、単なる数学テストの点数を取るためではなく、日本の伝統文化を学び、創造性を育む機会になります。

もしかしたら、これがきっかけで、新たな組子職人が誕生するかもしれません。

このような問題が出題されたことは、私達伝統工芸を生業とするものにとって本当に嬉しく、ありがたい出来事でもあります。
島根県の教育委員会の皆様に感謝です。

検査問題

上記の写真が使用されました。

鉋の研修会を行いました

先日スウェーデンの学生さんを招いたご縁で木工作家の小松先生に鉋(かんな)の研修会を開いていただきました。

木工作家の小松研治先生は、東京芸術大学大学院美術研究科終了後、富山大学の産業工芸学科木材工芸の講師を経て、2017年富山大学名誉教授になられた方です。大学を退職後「木工房バイハンド」を立ち上げて作家活動をされています。
YouTubeでも鉋や大工道具に関する動画を発信されており、総アクセス数100万を超える人気サイトになっています。
まさにこの業界の宝のような御仁です。

研修開始前、最初にまず驚いたのはテーブルの上に所狭しと置かれた鉋や刃物、教材の数々。一つ一つが気持ちを込めて手入れされている様子が伝わってきました。

本当に素晴らしい。心がときめきます。

鉋の構造は鉋台と呼ばれる木部と、鉋身(かんなみ)や裏金(うらがね)と呼ばれる刃物の部分から成っており、シンプルな構造です。
それだけに使用する職人の気質が反映される道具でもあります。

0.1ミリにも満たないくらいに木材を均等に薄く削り出すには、常に道具の手入れをする必要があります。
先生からは、鋼の選択から台の仕込みに至るまで、そのスキルはもちろん、道具を使いこなすための職人としての心構えも教えていただきました。

タニハタの職人達は、自分の鉋や道具を持ち寄って普段疑問に思っていることをいろいろ聞いていました。

今回東京墨田区にある井上刃物さんも来社されました。
ここは「のこぎり」や「かんな」などの手道具を専門に販売する100年を超える大工道具の老舗で、全国からここの道具を買いに職人が集まってきます。
職人の道具の情報以外にもこの業界のいろいろな情報を持ち合わせている方で、業界に関する情報もたくさん教えていただきました。

道具一つをとっても、その背後には深い日本の建築文化と歴史があり、それを理解することで、私たちはより深くモノづくりに関わることができるのだとお二人のお話しから気づかせていただきました。

道具と向き合うことは、単に物を作ること以上の意味を持ち、職人としてのアイデンティティを形作る重要なことでもあります。
今後も美しい組子づくりの伝統を守り、次世代に繋げていくために、いろいろな方から学び続けたいと思います。

伝統建築ワークショップ 開催中

富山県高岡市の旧北陸道沿いの御馬出町、守山町、木舟町、小馬出町にかけての通りは高岡開町以来の商人町で、優れた土蔵造りの家々が立ち並び、重要伝統的建造物群保存地区にも選定されています。

その通り内にある「土蔵造りのまち資料館」管理者である東海裕慎さんから「伝統建築に理解を深めるワークショップを行いたい。土蔵造りの建物をモチーフにした組子の技法を使ったこまが作れないだろうか?」と1月にお話しをいただきました。

デザインは富山大芸術文化学部の渡邉雅志准教授が手がけており、3人で今回の組子コマの開発を行い、3月にワークショップ用のコマが完成しました。

4月28日により伝統建築ワークショップが始まっています。
30分ほどあれば組子のコマを作ることができます。

伝統工芸や古い建築物に興味のある方はぜひご参加ください。



詳細


組子の製作体験(4月)

4月3日
昨年に引き続き、スウェーデン王立リンショーピング大学の学生が来社されました。
今回も木工作家の小松研治先生にアテンドいただき、マルムステン家具デザイン学部の先生1名と学生9名に工場見学や組子製作体験を行っていただきました。

普段からものづくりをしている学生さんなので、組子体験も説明なしで完成されるかたが何名かいらっしゃいました。

学生の方に鉋でヒノキ材を削っていただきました。
均一な薄さの鉋屑ができて、弊社の職人も驚いていました。

最後は学生の皆さんと、弊社職人全員でスウェーデンのモノづくりについてのことや木材使用の考え方について意見交換会を行いました。

スウェーデンでは日本よりも環境に負荷をかけないモノづくりに力が入っており、学校の実習でも製造過程のすべてで炭素排出量の計測を行っているとのこと。また木材の節が入っている部分も、処分することなく全て使い切るということが重要になっています。

ヨーロッパの木工技術の考え方や環境問題に対する取り組みも大変参考になりました。
また学生の皆さんの積極的に学ぼうとする姿勢に我々もとても良い刺激を受けました。
今後もこういった機会を大切にしていきたいと思います。

西川

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4月8日 
インドネシアより 24名の方々が工場見学・製作体験に来社されました。

皆さん、組子の製作体験が始まると顔つきが変わり、中には職人顔負けの速さで三つ組手・竜胆・胡麻をあっという間に完成させてしまう方もいらっしゃいました。

自由参加の鉋体験では、「自分のほうが薄く長く削れる!」と皆さん次々に手を積極的に参加してくださりました。

薄く、長い鉋屑が出る度に拍手と歓声があがり盛り上がりました。


薄く削った鉋屑は自身が製作したミニ組子に通し、金メダルのように誇らしげに首から下げている方もいました。

「インドネシアには日本に似たような木彫りや織物・和紙等の伝統工芸があるが、組子のような技術は初めてみた」と職人が製作している姿を真剣に

見つめたくさんの質問をしてくださりました。

最近は海外からのお客様がいらっしゃる機会も増えたため、失礼のないよう事前にその国の風習や文化等を予習しています。

国も違えば当然日本にはないような文化・風習に驚くこともありますが、毎回思うのは組子を見つめてくださるその真剣な視線はどの国の方も同じです。そして私達に組子製品に対する新たな視点を提供してくださいます。

今後も様々な国の方々とのモノづくりを通じて、世界中の人々と繋がり、持続可能な未来を共に築いていきたいと思います。

谷端美穂

4月1日 能登半島地震から三ヶ月が経過しました

2024年4月1日。
タニハタでも今日から新しい年度がスタートいたします。
そして・・1月1日に発生した能登半島地震から今日でちょうど3ヶ月が経ちます。

富山市と能登半島(輪島)までの距離は直線距離で約80㎞。
1月1日はタニハタの工場のある富山市は震度5強を記録しました。
工場の備品や展示品などの破損、転倒などありましたが、水や電気関係のライフラインは比較的しっかりしており、能登半島ほどの大きな被害はありませんでした。

多くの取引先様から「工場は大丈夫だった?」とお見舞いの言葉やメールをいただきました。
人間目線で見ると「1月1日だけは勘弁して・・」という日になりますが、自然災害はそんなことはお構いなしに私達の暮らしに襲いかかってくる・・・普段から災害に備えておく必要性を痛感しました。

被災すると、多くの取引先様にもご心配、ご迷惑をおかけしてしまうことから社員達で防災意識を高く持ち、能登半島地震から少しずつ災害対策を行っています。

具体的には・・

1  五年間保管できる水を購入

今回の地震で大きな問題になったのが「水」。
富山は3000メートル級の山々に囲まれた県でその積もった雪を水源に豊富な「水」を使って水力発電が盛んに行われてきました。
大きな一級河川もあり、地下水も豊富なのですが、こんな地域でも地震が起きると水道管の破裂などで「断水状態」になってしまいます。

緊急の場合、社員達に1200リットル分(一人約50リットル)の飲み水が供給できるよう5年間保管できる水を購入しました。
(井戸水掘削も検討しています。)

2  取引データのバックアップシステムの導入

弊社は1996年のインターネット黎明期から業務のデジタル化を推進してまいりました。
富山オフィスでの業務データ(受注データやお客様との打ち合わせ・見積もりデータなど)は富山オフィス内のPCやサーバ内に保管しておりましたが、今回の地震で会社から離れた部分にもデータを置いておく必要を感じ、災害に備えた遠隔バックアップシステムを1月末に導入しました。

オフィスのPCやデータに被害が発生しても迅速にデータ復旧が可能になります。



3  当社独自の報告システムの導入

緊急時、20人以上いる社員に連絡するのは至難の業。。
そこで、緊急の場合でも会社から一斉送信(双方向)で全社員に連絡がとれる当社独自のシステムを構築しました。
(日報システムを災害対策用に改良)会社から社員、社員から会社、もちろん社員同士でも日時問わず連絡が取れますのでいざというとき安心です。
  

他 

電力について
水と同じくらいに電力などのエネルギーは、災害時重要になります。
当社では2011年の東日本大震災でおきたエネルギー危機からの教訓から2015年3月に太陽光パネルを設置し、2020年3月より自家消費型の発電も導入しております。(蓄電池も設置)
災害時に電力の供給がストップしても、工場内の機械やPCが少しでも稼働できるように対策を施しております。
(昨年導入した電気自動車2台も当社の太陽光発電のエネルギーを利用するようにしています。)

4月以降も少しずつ災害に備えて参りたいと思います。


●能登半島地震の支援につきまして

富山から能登半島は地理的に近いこともあり、災害の影響も受けた知人や取引先が多かったです。
当社なりの支援をさせていただきました。

寄付 支援

・石川県
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/suitou/gienkinr0601.html

・アジア子供の夢
https://www.asiadreamaid.com/post/blog_20240304

・谷川醸造様
以前、ネット販売の勉強会でご一緒させていただいた谷川醸造さんが被災されて蔵が全壊。
同じ伝統工芸を生業とするものとして、クラウドファンディングを通じて支援させていただきました。
https://camp-fire.jp/projects/view/738598

・物資支援
2月、七尾にあるお寺さんに行ってきました。工場で使用していた大型石油ストーブや灯油などを寄付させていただきました。

道中、和倉温泉街などを見て回りました。
建物や道路などかなり破損した様子で、心が痛みました。

復旧までまだ時間がかかると思いますが少しでも早く、美しい能登半島が元の姿を取り戻せるよう職人達とともに支援をしてまいりたいと思います。

組子の製作体験(3月)

3月28日 児童発達支援事業所 ライトブレイン様より 19名のお子様が工場見学・製作体験にいらっしゃいました。

ライトブレインさんでは、子ども一人ひとりの興味に着目し、「やってみたい!」と思えるスモールステップ(小さな目標)を用意し、「できたね!」「やったね!」など肯定的な言葉を伝える機会を増やして、自信の芽を育てていく取り組みをしていらっしゃるそうです。

組子の製作体験では、比較的簡単な「桝格子」を製作いただいたところ、皆さん手先が器用であっという間に完成したため、急遽「三つ組手」の製作体験も行っていただきました。

2種類の組子を手にニッコニコの皆さんを見て、こちらまで笑顔になりました。

これからも、地域の学校や施設様と連携を計りながら子供たちの「できた!」「たのしい!」の体験を増やし、少しでも子どもたちの健やかな成長につながれば私たちも嬉しいです。

谷端美穂

組子設置写真が届きました(8件)

2023年から今年一月に出荷した組子設置写真(8件)が当社に届きましたのでご紹介させていただきます。


●会計事務所様エントランス(東京)  Entrance to the accounting office

東京都の会計事務所様のエントランスに美術組子を納入させていただきました。

横幅6m、高さ2.4mのサイズを5分割にて製作しております。

東京の空に雲が大きく流れる様子をデザインしており、ヒノキと神代杉をふんだんに使用させていただきました。
https://www.tanihata.co.jp/contents/gallery/post_2354/



●⻘⼭さくら庵様(東京)   AOYAMA SAKURA AN

渋谷の隠れ家のような空間の中で、日本の四季を感じながら、洗練された料理が味わえる和食店「⻘⼭さくら庵」様。店名の由来になっています店舗前の「桜」をデザインした華やかな組子を設置させていただきました。
https://www.tanihata.co.jp/contents/gallery/post_2380/



●日本橋SANO様(東京)  Nihonbashi SANO

江戸文化の情緒あふれる東京人形町に2024年1月にオープンした和食店「日本橋SANO」様。

日本の吉祥文様11種を店内の天板や什器に使用し、ここで食事されたお客様に少しでも「福」がもたされるように・・・吉祥の願いが込められた空間になっております。
https://www.tanihata.co.jp/contents/gallery/post_2347/



●鮨かねさか様(ロンドン)  Sushi Kanesaka

「45 パークレーン」はドーチェスター・コレクションに加盟のロンドンにある5つ星ホテル。

そのホテルに設置させていただいた組子デザインはイギリス・ロンドン中心部ウェストミンスターに位置するハイド・パーク内に存在する人工の池(サーペンタイン・レイク)に着想を得て、調和と静寂の美を表現しています。
https://www.tanihata.co.jp/contents/gallery/post_2363/



●大和ハウス工業株式会社様 岡崎展示場(愛知県)  Okazaki Exhibition Hall, Daiwa House Industry Co.

大和ハウス工業株式会社様 岡崎展示場にタニハタの麻の葉組子(利休杉)を設置させていただきました。

ダークブラウンのインテリアと利休杉のシックな色調で上質な和の印象を作り出しました。
https://www.tanihata.co.jp/contents/gallery/post_2370/



●CHA-AN TEA ROOM 様(ニューヨーク)

NYで本格和風スイーツが食べれるカフェ「CHA-AN TEA ROOM」にタニハタの組子「麻の葉ちらし 桜ぼんぼり」を設置させていただきました。

自然光が入る窓に3枚並べて設置し、空間にリズミカルな和の雰囲気を醸し出しています。
https://www.tanihata.co.jp/contents/gallery/post_2364/



●ココファン藤崎の杜様(熊本)  Cocofump Fuzisakinomori

学習塾などの教育サービスや出版物の発行を行っている学研ホールディングス傘下の「学研ココファン」様は老人ホーム・介護・福祉事業を手掛ける会社です。その会社が手がけた熊本市の高齢者住宅「ココファン藤崎の杜」のライブラリーにタニハタの麻の葉組子(利休杉)を設置させていただきました。
https://www.tanihata.co.jp/contents/gallery/post_2374/

●菓蔵SUZUKI様(静岡)  Kakura Suzuki

静岡県袋井市にある洋菓子屋「菓蔵スズキ」様にタニハタの組子 麻の葉柄を16枚設置していただきました。「菓蔵スズキ」様は静岡で生まれ育ったシェフがこだわりの地元産食材を使用し、地元の方に愛されているお店です。
https://www.tanihata.co.jp/contents/gallery/post_2353/

組子屋が中学生に伝えたかったこと

3月7日、富山市立堀川中学校で「働く人に学ぶ」という講座の講師を務めてまいりました。

富山市立堀川中学校は日本海に位置するすべての中学校で最も生徒数が多い公立中学校で、生徒数が1000人を超えるマンモス校です。
この学校の中で開催された講座は、「生徒たちが様々な職場の人々から仕事内容や社会人としての心構えを学ぶことを目的」として開催されました。

45分の講義を2回行い、「組子細工」についてはもちろん、「日本のモノづくりについて」「職人について」「日本の木材の現状」といったキーワードを盛り込んで生徒たちが飽きないように工夫してお話しさせていただきました。組子のワークショップも行い、組子技術やヒノキ無垢材の素晴らしさについても体感していただきました。

タニハタは国産木材を次世代に引き継ぐことを重要な役目と考えており、環境問題にも力を入れて取り組んでいます。組子製品の製造においては、日本のヒノキや杉材を積極的に活用し、CO2排出量を最小限に抑える取り組みを行っています。

なぜそういうことを行っているのか、現在抱えている問題は何かについてもお話しさせていただきました。

短い時間ではありましたが、生徒たちが自分達で考え、自分達の未来を考えながら新しい日本を切り開いてくれるように願っています。

※後日、感想文が届きました。

最新鋭の組子加工機 ラジアルソー2台導入

組子細工製作で最も重要な機械が「NCラジアルソー」です。
木の桟のシャクリ(クデ)部分を正確にスピーディに切削してくれます。

今まで当社では7台保有していましたが、2~3年前より国内外のお客様から組子を納入するお話しを数多くいただき、昨年夏にNCラジアルソー2台を発注し、本日納入されました。

これで合計9台のラジアルソー(全自動)になり、今後の大型物件に備えます。



組子細工 ラジアルソー タニハタ


タニハタの仕事は手作業が多い伝統工芸の仕事ではありますが、「納期」を意識した生産体制の実現をめざしています。
早く、綺麗に、をモットーにこれからも新しいモノづくりを進めてまいります。

木材の競りに行ってきました。

久しぶりに木材の競りに行ってきました。
朝5時に車に乗り込み、9時30分に現地に到着。タニハタの工場がある富山県の隣には、長野県木曽地方や岐阜県東濃地方といった数百年続く有名な木材産地が多く存在しています。これらの場所は工場から日帰りで行ける場所にあるので本当に助かります。

組子細工 ヒノキ 競り

ちなみに、魚や果物などの食べ物に「旬」があるように、木材にも「旬」があります。
木は春から夏の温かい季節に水を地中から吸い上げ、ぐんぐん成長します。秋から冬の寒い時期には水の吸い上げが弱くなり、木材の保有水分が少ないため、カビや虫などの害虫も付きにくくなります。この時期に伐採した木材は耐久性や色つや、香りも良いと言われています。
上記の理由で秋から冬に切った木材が「旬」ということになります。

3月は、秋から冬にかけて切られた「旬」の良質な木材が並び、また製材会社なども決算時期ということで通常入荷しないような良材を頑張って出品してきます。


タニハタでも少しでも良い木材をお客様にお届けしたいという気持ちから、3月は必ず直接私が木材産地にまで出向き木材を競り落としてきます。
もちろん中には組子に向いていない木材も多いので、しっかり目利きして競り落とします。
競り落としたものは、半年~1年ほど天然乾燥させて組子の木材に使用します。

ヒノキ 国産木材 産地
こんなにたくさんのヒノキ材がありますが、組子の材料として使えるものはほんのわずかです。。

こういう手間がかかることを嫌がって、多くの木材加工業者は無垢木材から人工木材に切り替えていきました。本当の組子とは言えない「組子風」な製品も最近多く出回っていますが、私たちは木材の産地、品質にもこだわり、さらに工場内でも熟練の職人が選別して製品に仕上げてきます。
胸を張ってこれこそが日本の木材、伝統技術というものを残していきたいと思っています。

組子細工 材料 タニハタ

樹齢150年のヒノキも競り落としてきました。
木目が詰んで細かく、色艶も最高級のヒノキ材です。産地でもなかなかこういう木材は手に入りません。

昔からある木材産地のものは、木を伐採するだけでなく、山に苗木を植林し、間伐や手入れなどを行い、また次の伐採に向けて木を管理していきます。
気が遠くなるような手間ひまをかけて木材を作り上げていきます。
タニハタが国産木材にこだわるひとつには、こういうシステムを私たち川下の加工業者も意識していかないと有名産地であっても林業が立ちゆかなくなってしまう危機感があるからです。産地がないと当社も良質の木材が手に入らない状況になってしまいます。
海外産の木材や人工木材が、木工業界の主流を占めてしまった現在、少しでも多くの方に国産無垢材の良さを知っていただきたく思っております。
そして山で大切に育てられた木材、私たちも大切に使っていきたいと思います。  

谷端

組子の製作体験(2月)

今月は海外の旅行会社様の視察で2団体工場見学ありました。

2月7日には政府観光局様のアテンドでカナダ、アメリカ、イタリアの旅行会社様の高山・富山の視察ツアーで
タニハタにも足を運んでいただきました。

今回組子体験では竜胆の文様を組んでいただきました。
昔、竜胆の根茎を薬として用いていたこともあり長寿の願いが込められた文様であることをご説明すると
とても関心を持っていただき、竜胆の花の画像を検索して見てくださいました。


2月27日にはTourism Exchange Japan様のご紹介でアメリカの旅行会社様2名お越しいただきました。

今回の体験では三つ組手を組んでいただき職人が目の前で葉鉋を使い落した葉っぱで麻の葉のミニ組子を作っていただきました。

最近の海外からの観光需要の傾向として、お土産などを現地で購入するだけではなくその土地でしか経験できないことを
旅行の価値と感じる方が増えてきているそうです。
弊社は職人が直接組子体験で作り方のアドバイスやご説明をしているのですが、あまり職人と接することができる工場見学はないので
驚かれることが多くなりました。

今後も職人が身近に感じられる工場見学を続けていき、もっと組子や日本のものづくり、木材のすばらしさをたくさんの方々に
知っていただけたらと思っています。

西川

タニハタ組子 総合カタログ2024 発刊のお知らせ

タニハタの組子総合カタログが新しくなりました。
今回リニューアルのポイントは・・

1 麻の葉ちらしシリーズ 新たに18種のデザインが追加となりました。
 タニハタのオリジナル組子「麻の葉ちらしシリーズ18種」に新たに18種のデザインを追加
 合計36種のデザインから選んでいただけるようになりました。
 今まで通り金額はどのデザインを選ばれても同じ金額となります。お気軽にお好みのデザインをお選びください。

2 熟練の職人が木材を厳しく選別した「匠の国産木材」の販売開始
 「タニハタの組子に合わせて、ヒノキや杉材の良材を販売してほしい」というお声が多くなり、国産木材も販売することとなりました。
 業者の方にも満足していただけるよう厳選した木材のみを販売いたします。
 

3 利休杉の施工写真の追加
 タニハタ独自の技法で染め上げた自然発色木材「利休杉」。販売実績の増加に伴い施工写真も増えてきました。
 ダークブラウン調の空間にマッチします。国産杉材の可能性が広がっています。

4 組子価格の一部改定
 ・吉祥組子シリーズ 従来の「杉材 源平材」に代わり「吉野杉 赤身」の取り扱いとなりました。
 (従来の杉材 源平材の価格で吉野杉 赤身材を購入いただけるようになりました。)

 ・吉祥組子「桜柄」の価格が約10%アップとなりました。 他の文様の価格改定はありません。

新カタログの発送はすでに始まっています。

カタログのご請求は下記よりお願いします。

●組子総合カタログのご請求 個人用

電子カタログ
価格表


● 組子総合カタログのご請求 業者用(業者登録が必要となります。)



 

神代杉と木曽ヒノキ 入荷しました

神代杉(2500年前のもの 秋田県鳥海山産)と木曽ヒノキ(樹齢150年もの 建具用柾目材)入荷しました。
どちらも良材で弊社の美術組子などのオーダーメイド品に使用します。
希少価値が高い木材ですが、最近は5つ星ホテルなどの大口現場に使用されることも増えてきました。
事前に数量を確保しておく必要があり、競りに参加して少しずつ買い足しています。

組子用神代杉 タニハタ
神代杉
組子用木曽ヒノキ材 タニハタ
木曽ヒノキ 柾目建具材

これからも日本の誇る木材を組子製品に使用していきたいと思います。



2024年 年初のご挨拶とお知らせ

新しい年を迎えまして一言ご挨拶申し上げます。

すでにニュースで報道されていますように本年一月一日、私たちの工場があります北陸地方で大きな地震が発生いたしました。

一月一日夕方4時過ぎ、富山で震度5強の地震が発生、慌てて自宅の庭に飛び出し地震が収まるのを待ちました。
一時間後、自宅近くの工場に向かい工場建物、機械設備、製品に問題がないかの確認を行いました。

展示品や天板の破損などはありましたが、幸いなことに大きな被害はありませんでした。その後3日間余震が続きましたが、通常通り工場での生産活動が可能と判断し、ひとまず本日より2024年の営業をスタートしてまいります。


今回の震災で亡くなられた方に心からお悔やみを申し上げるとともに、被災された方に心よりお見舞いを申し上げます。

能登半島や氷見には美しい自然があり、世界に誇れる伝統文化がたくさんあります。少しでも早く、元の姿を取り戻せるよう、職人達とともに可能な限りの支援をしていく所存です。

また、取引先様より心配の声を国内外より多数いただき、本当に勇気づけられました。皆様には心より感謝いたします。ありがとうございました。

2024年も皆様の期待に応えられるよう、最善を尽くしていく所存です。

どうぞ本年も皆様よろしくお願いいたします。

2024年1月5日 代表取締役  谷端信夫

2023年を振り返って

2023年 今年を振り返るとタニハタでもいろいろなことがありました。今年の出来事をまとめてみました。

●海外との取り組みについて

2023年は海外販売の比率が大きく高まった年でした。
今年は全売上の中で海外販売の占める割合が20%を超える年となりました。コロナ禍になってからは一時10%にも満たない状況になっていましたが、新型コロナが落ち着いたこともあり、多くの海外企業から問い合わせや注文、訪問が急増しました。

具体的には、イギリスやアメリカ、オーストラリア、シンガポール、韓国、台湾など多方面の国から注文をいただきました。

また、8月には日本政府のSNS「Japan – The Government of Japan」にタニハタの組子が動画投稿され、国内外から多くの反応をいただきました。

最近は「KUMIKO」で海外の方と会話が通用することも多くなりました。組子細工が「寿司 Sushi」「盆栽 Bonsai」などのように世界に通じるワードになってきていると感じます。

組子の海外展開を始めてから20年以上経過していますが、やっとここまで来たか・・・という思いです。

また、海外からの工場見学者も増えて、多くの国の方と交流をすることが増えたのが印象的でした。

引き続き、組子細工の歴史や富山のモノづくりなどについて発信していきたいと思います。



スウェーデン王立リンショーピング大学の学生が来社
パリの家具職人が来社
アメリカのワシントンD.C.から6名のご家族が来社
台湾と中国からインバウンドツアー客が来社
「日韓親善交流事業」にて韓国の青年団30名が来社

海外でのイベントやプロジェクト



・海外から「自分の作った組子をみてほしい」というメールも増えて、今年だけでドイツ、アメリカ、イスラエル、エジプトなどから写真や動画を送ってこられました。

YouTubeなどの動画で(独学で)組子細工を作る方が増えて、素晴らしいと思います。
当社でも組子の技術動画を二カ国語で発信し、アクセスも増えています。来年も引き続き組子の技術動画を世界に発信してまいります。


・海外の富裕層旅行をターゲットとした、ハイエンド・クラフトツーリズム「DENTO」の事業に参加させていただくことになりました。
(2023年夏より)
発起人は元エルメス・インターナショナル副社長の齋藤峰明氏と株式会社日吉屋 西堀 耕太郎氏、日本の窓の代表 Avi Lugasi氏の3名。
「DENTO」では日本の伝統工芸の継承と地域の活性化を支援するネットワークを構築しています。



●組子製品について

製品では当社のオリジナル組子「麻の葉ちらしシリーズ」の販売が大きく伸びた年でもありました。来年2月には新しいデザインも発表する予定です。

また、当社のオリジナルの杉材「利休杉」の数字も伸びてきました。
杉材やヒノキ材の白木は、ダークな色調の空間に馴染まない色味でもあったのですが、利休杉は、塗装せずともダークブラウンの高級な空間にも馴染む木材でもあります。(下記写真)  来年は有名な施設への設置予定が見込まれており、当社の主力材料になっていくと思われます。

大和ハウス様 岡崎展示場 麻の葉 利休杉



ここ数年で若い組子職人が増えて、積極的に休日を利用して展示会や道具の産地、話題の建築など見にいくようになってくれたことが嬉しいことです。組子技術、木工技術がどんどん向上して、ぜひとも新しい組子の可能性を若い職人達で広げてもらいたいと思っています。



砥石 大工道具の産地へ
山形県ウッドデザイン賞作品 視察ツアーへ
ポケモン×工芸展へ
家具の五大産地のひとつ、北海道旭川市へ

その新しい組子のひとつ「立体組子」もニューヨークのデザイナーEric Clough氏と共同して発表させていただきました。美しい日本の文様が世界に広がっていくことは当社にとっても喜ばしいことでもあります。

●気候変動の取り組みついて

今年は、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が現在の地球の状況を「地球温暖化」から「地球沸騰化」になっている、と表現した年でした。 沸騰するような猛暑を体感したことで、世界で温室効果ガス削減の機運はますます高まってきました。
実際今年は日本全国、本当に暑い日が続いた年でもありました。
当社では2011年からエネルギー問題に取り組んでおり、今年もCO2を極力発生させない生産活動を進めてまいります

SDGs関連の勉強のために中学生、高校生の工場見学が増えました。若い感性でこの時代をどう捉えているのか・・情報交換しています。

社有車2台を日産の電気自動車(アリア、サクラ)に代えましたが、その環境に配慮した自動車「アリア」の内装には組子「籠目 捻組み目つぶし」の文様が使用されており、ノベルティ販売でも当社は今年協力させていただきました。

●その他

・2月、富山県の製造業の活性化に貢献した企業をたたえる「第8回富山県ものづくり大賞 優秀賞」に選ばれました。

・日本の木製家具の五大産地のひとつ、北海道旭川市「旭川市工芸センター」様で講演。組子の歴史や文様のこと、日本のものづくりについて講演させていただきました。

日本のものづくり企業として、来年も社員達と共に頑張っていく所存ですので、引き続きご支援いただければ幸いです。
どうぞ皆様よろしくお願い致します。



最後に・・・
先日、翻訳家の戸田奈津子さんら映画関係者の方が来社。組子のワークショップも体験していかれました。
ハリウッド映画のお話しなど映画好きな職人が多いので大変盛り上がりました。
来年も時間が許す限り、ワークショップを行って行きたいと思います。皆様に感謝です。    谷端信夫






組子動画「曲木」アップしました。

組子文様は比較的直線の意匠が多いのですが、桟を曲げて組み付けする意匠、技法も存在します。
椅子などのように広葉樹の固い木を時間をかけてじっくり蒸気で曲げる技法と違い、薄い桟に切れ込みを入れて曲げる技法、曲線の型枠に薄い突き板を貼り合わせてR枠を作る技法などで曲線枠を作り出します。

今回は、薄い木桟に職人が切れ込みを入れて曲げる技法をYouTubeにアップしました。
https://www.youtube.com/watch?v=IQwxZ_YHQf0

文様は菊文様、曲げ香図、水波を紹介しています。

タニハタ 組子動画 曲木

少しずつではありますが、タニハタでは組子の伝統技術を動画で発信しています。

ひのき材 ホワイトペレットの販売につきまして

タニハタでは、組子加工に伴い、そこから発生するオガクズを小さな木のつぶに圧縮加工(ペレット化)する機械「ペレタイザー」を2020年秋に導入いたしました。

富山の冬は寒く、エアコンでは間に合いませんので、石油ストーブで暖を取る、というのがあたりまえでしたが、このペレタイザーとペレットストーブの組み合わせで、昨年の冬は石油ストーブを一切使用しませんでした。

ペレット燃焼時に出る二酸化炭素は、木が成長する際に吸収した分の二酸化炭素なので、 石油のように大気中の二酸化炭素を増加させることがない脱炭素社会にマッチしたバイオマス燃料です。

暑い時期に少しずつ貯めた「ペレット」をこれからの寒い季節にペレットストーブの燃料として使用していきます。

このひのき材と杉材の良い部分だけを集めたペレットですが、まだ少し在庫があります。
今年の冬も販売いたします。

詳しくは下記をご覧ください。
タニハタ ヒノキ材ペレットの販売につきまして

ひのき 杉 ホワイトペレット 販売
不純物の少ない「ホワイトペレット」を製造しています。 主原料は組子用のひのき材と杉材となります。
ペレットストーブ用燃料 販売 ペレット
工場の中には、ペレットストーブが8台あります。石油ストーブは一切使用していません。
ペレット 燃料 販売 安い
1袋=10キロ 
ペレット まとめ買い 富山県
10キロ入の袋が35袋入った状態でお届けします。
ペレタイザー 工場
工場の中にペレットを作る機械「ペレタイザー」を2020年導入しました。

組子の製作体験(11月)

11月、東京都から2団体、海外インバウンドのツアーで2団体、計4団体(合計75名)のお客様に来社いただきました。
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11月7日、東京の明星中学校2年生の生徒さん(28名)がタニハタの工場を訪れ、組子細工のワークショップに参加していただきました。
来年の組子新製品40点も見ていただき、生徒さんからは、新鮮な視点と率直な意見が寄せられ、非常に有益な時間となりました。

明星中学校2年生 組子細工ワークショップ タニハタ
明星中学校2年生 組子細工ワークショップ タニハタ 工場見学
明星中学校2年生 組子細工ワークショップ タニハタ マーケティング活動
麻の葉ちらしシリーズ新作についてのご意見をたくさんいただきました。


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11月10日は東京都立足立西高等学校の生徒さん24名が来社されました。

東京都立足立西高等学校 組子細工 製作体験

工場に入ってすぐ組子を見て生徒さんがすごい!と何度も言ってくださっていたのが印象的でした。

少し苦戦していた生徒さんに「お手伝いしましょうか?」と聞いてみたのですが、「自分の力で完成させたい」と言って、やる気に満ち溢れた様子で組子製作をしておられました。

東京都立足立西高等学校 組子細工 製作体験 見学


学生さんが工場に展示している組子や職人仕事に興味を持っていただき、自ら写真撮影をされる姿をみると本当に嬉しくなります。

東京都立足立西高等学校 組子細工 製作体験 写真撮影

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11月21日は台湾からインバウンドのツアーで12名の方が工場に来社されました。

工場内では、職人に直接いろいろな質問が飛び交い、とても日本のモノづくりに興味をお持ちの様子でした。


タニハタのベテラン職人 高島(76歳)は大人気でした。
一緒に記念撮影をしてほしい、とたくさんの方から声がかかりました。
神懸かった感じになってきました。

「100歳まで組子職人を続けていきたい!」と高島の意気込みを聞くと台湾の皆さんから大きな拍手があがりました。

今日は天気も良く、二階の窓から見える夕日を浴びた立山連峰を見て美しいと言っていただき富山県民としてとても誇らしく思いました。
台湾からの組子のお問い合わせをいただく機会が多いのも組子や日本の風景を美しいと思う気持ちに通ずるところがあるのではないかと感じました。

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11月22日
日本政府観光局の富山県視察プロジェクトとして中国の旅行会社様が参加されました。

大工道具を使っての作業に関心を持たれていました。

日本と中国。 「言葉」は通じなくてもモノづくりを通して「気持ち」は通じます。
組子細工で皆さんが笑顔になるとこの仕事のやりがいを感じます。

年末になり、工程がかなり詰まってきましたので団体見学は年内これで最後になりました。
来年も日本の伝統工芸「組子」の素晴らしさ、モノづくりの新たな可能性をいろいろな方に発信していきたいと思います。感謝です。

「天然砥石」と「大工道具」の産地へ

天然砥石と大工道具の産地へ

稲毛 梓


タニハタの職人3人で京都の砥石屋さんと、兵庫県三木市で行われた三木金物まつりへ行ってきました。

1日目は京都府亀岡市に店を構える砥取家(ととりや)様へ天然砥石を見に行きました。
ちなみに鉋(かんな)などの刃物を研磨する砥石(といし)には「人造砥石」と、自然物から作成された「天然砥石」があります。
天然砥石の産地と言えば昔から京都ということですが、数多くあった砥石山のほとんどが閉山し、本格的に採掘を行っているのは砥取家の土橋さんだけとなってしまいました。
砥取家さんの大きな特徴は数ある砥石全てを試し砥ぎさせてもらうことができ、自分に合った砥石を選ぶことができます。

私も実際にいくつもの石を研がせてもらい、研磨力、砥ぎ感の違いを体験しました。

組子職人 タニハタ 組木
砥石 鉋 木工

石によって違いがあることを知識では理解していましたが、違いを体験して感じた感動は忘れられません。とても興奮しました。
いろいろ砥石を使用してみて、自分に合った石を購入させていただきました。


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2日目は兵庫県三木市で行われた三木金物まつりに行き、大工道具を見てきました。

現地に着いてみて予想以上に出店数が多く県を上げた一大イベントなのだと感じました。


行く前は凄腕の職人さんが沢山いるのだと思っていましたが、実際は家族連れや外国人の方も多く見られました。出品されていた製品も大工道具以外にコテ、包丁、鋏、チップソーなど金物全般から、金物や道具に関係するものまで多く置いてありました。

鉋の販売

道の駅や高速道路のサービスエリアにも大工道具を販売する店があり、「金物の町」の雰囲気がとても印象的でした。

日本で最初の金物のまちと言われる三木市ですが、その起源は、五世紀の中頃から始まっており、朝鮮半島にあった百済の王子「恵」が日本に亡命してきた時に連れてきた技術集団がこの三木の地で金物を作ったことが始まりと言われています。

今では新潟の三条と並んで日本を代表する金物の地と言われています。
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今回、私は現地の方達の声を聞いて印象に残った言葉があります。

「若い人が興味を持って見に来てくれることが本当に嬉しい」という言葉でした。

職人の使う道具が「手道具」から「電動工具」「木工機械」に変わってしまい、手道具を使いこなす職人が減ってきています。

そんな中、昔ながらの手道具を今でも守り続けてくださる職人さんがいることは私達にとっても大変心強いことですし、とても大切な存在だと言えます。その想いが詰まった道具を使う一人の職人として、道具に恥じぬ仕事をタニハタで続けていきたいと思いました。



※翌週、富山の隣の糸魚川市で「鉋けずり大会」があり、2日間行ってきました。
砥石や鉋も重要ですが、それらを使いこなす職人技術も重要です。
日本中からたくさんの職人達が集まっており、素晴らしい木工技術を見ることができました。
職人として心が高鳴る一週間でした。



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