タニハタブログ Blog

組子らんまを作る会社<タニハタ>の日々の出来事、その思いをブログで綴ります。

組子の設置写真が届きました

組子の設置写真が届きました。 下記、ご紹介させていただきます。

●三郎丸酒造様 (富山)

1952年にウィスキーの製造を開始し、北陸で唯一のウィスキー蒸留所として歩んできた「三郎丸蒸留所」様。
アニメ映画『駒田蒸留所へようこそ」のモデルにもなった蒸留所で若い世代への新しいアプローチも積極的に行っておられます。

その歴史と革新が交錯する場である工房の新設ブレンダー室に、当社の組子細工をご採用いただきました。



●西かね 様 (シンガポール)

福井県で1850年創業の老舗日本料理店「にしかね」様は、代々受け継がれてきた日本料理の技と心を守り続けておられ、現在は六代目の西信宏氏がその伝統を牽引されています。
西氏の故郷である福井市を上空から見下ろした構図を取り入れて製作させていただきました。



●蕎麦屋様 (ニューヨーク)

1996年に創業された「蕎麦屋」様は、ニューヨークにおいて本格的な十割そばを提供する数少ない名店のひとつ。
現地でも日本の伝統を大切にし、素材・技法ともにこだわり抜いたそばを通じて、日本の食文化の魅力を発信されています。内装には、組子の「麻の葉ちらし」シリーズから、新たに加わった〈あいの風〉と〈律の風〉を組み合わせたデザインをご採用いただきました。



●宮島の宿 宮島グランドホテル有もと 様 (広島)

世界遺産・厳島神社のほど近くに位置する、宮島を代表する老舗「宮島グランドホテル 有もと」様。歴史と自然に恵まれたこの地で、長きにわたり旅人をもてなしてこられた格式あるお宿です。

この歴史あるホテルに弊社の美術組子を納めさせていただきました。



●Aoki Restaurant 様(シンガポール)

シンガポールの大地を連想させる山、一年を通して水の恵みをもたらす雨、それらがダイナミックにうねるデザインの組子が設置されています。
デザインスタジオ・スピン小市泰弘氏が空間デザインを行い、美しい空間となっています。



●FTK秋葉原 (東京)

秋葉原を中心に位置するビル「FTK秋葉原」は、最新の設備と快適な環境を備えた魅力的なオフィスビルです。
国内外から多くの観光客が訪れる「秋葉原」という地にふさわしく、当ビルのエントランスにタニハタの組子細工「麻の葉ちらし 木もれ日」と「吉祥組子 青海波」を設置いただきました。




組子施工写真集一覧ページへ

「まちなか みるすぽパーク」にて体験ブースを出展しました。

2025年5月31日(土)、富山県庁前公園(旧NHK跡地)で開催された「まちなか みるすぽパーク」にて、ミニ組子の制作体験ブースを出店しました。このイベントは、富山県庁の職員有志による「富山県スポーツまちづくり研究会」が主催し、スポーツを「みる」ことを通じて街の賑わいを生み出すことを目的とした新たな取り組みです。


初開催とは思えないほど多くの人でにぎわい、カターレ富山のパブリックビューイングを中心に、飲食やステージ、体験型ブースが軒を連ねる楽しい一日となりました。

私たちは、伝統的な木工技術である「組子」の魅力を知っていただくため、ミニ組子の体験ブースを出店。今回は籠目(かごめ)文様を題材に、始めはヒントを出さずに自由に組み始めていただく形式で行いました。参加された方は大人と子どもがちょうど半々ほどで、最終的に25名の方に体験していただきました。



印象的だったのは、子どもたちの吸収力と発想の柔軟さです。大人の多くは慎重に手を動かしながら試行錯誤していたのに対し、子どもたちは直感的にピースを動かし、驚くほどスムーズに組み上げていきました。ものづくりの入り口として、子どもたちの“まずやってみる”姿勢はとても学びがあり、感心させられる場面が多々ありました。また、富山県知事ならびに富山市長にも弊社ブースにお立ち寄りいただき、温かい励ましのお言葉を頂戴いたしました。

当日は午後から雨の予報もあり、午前中に来場が集中。午後にはカターレ富山のパブリックビューイングが始まり、会場は応援ムードに包まれました。試合は2-2の引き分けと惜しい結果でしたが、多くのサポーターが一体となって応援する様子は、スポーツと地域のつながりを感じる貴重な光景でした。次回こそ、カターレの勝利を願っています。

今回の出店を通じて、「組子って初めて知った!」「やってみると意外と難しい」という声をたくさんいただき、ものづくりを見ていただくだけでなく、“体験”で届ける大切さを改めて実感しました。短い時間でも心に残る体験をこれからも提供していけたらと思います。
イベントを企画運営してくださった関係者の皆様、ブースにお立ち寄りくださった皆さま、本当にありがとうございました!

谷端憲杜





組子の製作体験(5月)

5月20日

千葉県市川市立第八中学校より中学三年生35名様が、修学旅行の一環として工場見学と組子の製作体験に来ていただきました。

授業で取り入れられているSDGsに関する話にも、真剣に耳を傾けていらっしゃいました。

工場では葉っぱ落としとカンナ掛けを体験していただきました。
職人が希望者を募ったところ元気よく多くの手が挙がり、やる方も見る方も集中し、真剣に作業していました。
そして綺麗に出来上がり、職人から筋が良いと褒められると、周りから歓声が上がりました。

ミニ組子の製作体験では、まずヒントなしでチャレンジしていただきます。
「早くできた方には社長から景品があるよ~」と声がかかると、一斉にギアが上がり製作に熱が入りました。
なかには時間を持て余し、組子にパーツを付け加えオリジナルの組子を製作している生徒さんもいらっしゃいました。

当日は全国的に異常な暑さでしたが、中学生の皆さんはとても礼儀正しく暑さ吹き飛ぶほど元気はつらつで、学生さんたちの吸収力や柔軟な思考力に大変刺激を受けました。限られた時間の中でより多くのことを経験し吸収していただけるよう、工夫して参りたいと考えております。

登坂


5月26日

富山国際大学付属高等学校の1年生の生徒さんが、ご来社くださいました。

今回は、「遠足で富山の工芸品を体験する授業」の一環として、富山県内のさまざまな伝統工芸を訪問されたそうです。
タニハタのほかにも、八尾の桂樹舎さんでの紙漉き体験や、井波での彫刻、絵付け体験など、複数のグループに分かれて見学・体験をされたとのことでした。

制服の襟元にはSDGsバッジがついており、話をうかがうと、校内でのゴミの分別や、プラスチック製品(コンタクトケースやペットボトルキャップなど)の回収活動など、日々の生活の中で地道な取り組みを積み重ねていらっしゃるとのこと。持続可能な社会づくりへの意識の高さに、私たちも学ばせていただきました。

今回の遠足では、校内でフォトコンテストも開催されるそうで、組子をさまざまな角度から撮影していただきました。

今回のご訪問を通じて、次世代を担う若い皆さんに少しでも日本の伝統技術の魅力を感じていただけたなら幸いです。

西川

リバーリトリート雅樂倶様のWEBサイトにてご紹介いただきました。

富山県富山市春日温泉郷にあるリゾートホテル「リバーリトリート雅樂俱」様のWEBサイトにて、弊社の組子ワークショップをご紹介いただきました。

リバーリトリート雅樂俱様は、建築家の内藤廣氏によって設計された富山を代表する高級ホテルです。2018年には弊社の枡あわせ組子も納入させていただきました。(雅樂倶様施工写真)

アメリカのニューヨーク・タイムズが発表した「2025年に行くべき52カ所」に富山市が選ばれた効果で、国外からいらっしゃるお客様が増えております。富山の自然と文化を味わっていただける一端を担うことができれば伝統工芸を受け継ぐ立場として大変喜ばしいことと思っております。

リバーリトリート雅樂倶様にご滞在の際は、富山の自然と伝統に触れるひとときとして、弊社の組子製作体験もお楽しみいただけましたら幸いです。

We are pleased to share that our kumiko woodworking workshop has been featured on the website of River Retreat GARAKU, a luxury resort hotel located in Kasuga Onsenkyo, Toyama City, Toyama Prefecture.

River Retreat GARAKU is one of Toyama’s most distinguished hotels, designed by renowned architect Hiroshi Naito. In 2018, we had the honor of supplying our masu-awase kumiko panels to the hotel as well. (Installation photos available)

Since Toyama City was selected by The New York Times as one of the “52 Places to Go in 2025,” the number of international visitors has been steadily increasing.As a company dedicated to preserving traditional Japanese craftsmanship, we are truly honored to play a part in offering guests a meaningful experience of Toyama’s natural beauty and cultural heritage.

We warmly invite you to enjoy our kumiko workshop during your stay at River Retreat GARAKU, as a unique moment to engage with the rich traditions and serene nature of Toyama.

大阪 組子ショールーム展示スペース拡充のご案内

このたび、大阪にあります組子ショールームの展示内容を拡充いたしましたのでご案内いたします。

「麻の葉ちらしシリーズ」 以下の4点を新たに展示品として追加いたしました。

結び風(TAタイプ)

花かすみ(TAタイプ)

ちぎれ雲(TAタイプ)

水無月(TAタイプ)

従来から展示しておりました「てまり雪」「天の川」と合わせて、合計6種類の麻の葉ちらしシリーズをご覧いただけるようになりました。
各展示パネルのサイズは約幅1m × 高さ2mとなっており、壁面設置や建具へのご使用を検討されているお客様に、実際のサイズ感を体感いただけます。
また、弊社オリジナル木材 利休杉の「胡麻柄」パネル 枠材カシュー塗り仕様 も新たに展示いたしました。
高級感のある灰褐色の色合いが特徴です。

左から結び風・花かすみ・ちぎれ雲・水無月の配置になっております。

■ ミニ組子の販売開始について
大阪ショールームにて、「ミニ組子」全18種類の販売を開始いたします。
さらに、組子の端材を再利用したオリジナルアロマスプレーもご用意しております。

※お支払いはキャッシュレス決済のみ対応しております。


展示スペースも約9㎡ほど拡張し、広々とした空間で多くの組子製品をご覧いただけるようになりました。

大阪ショールームは、ゴールデンウィーク中も営業しております。  ※5月7日(水)のみ休業
皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

大阪 組子ショールーム アクセス方法

作業風景
作業風景

組子の製作体験(4月)

4月17日

ドイツのシュトゥットガルトからご夫婦でご来社いただきました。
建築関係のお仕事に従事されているご家族様からのご紹介をきっかけに、弊社を訪れてくださったとのことです。

当初は東京ショールームのみご見学のご予定だったそうですが、ショールームで実際に組子をご覧になった際とても感動されたとのことで、「ぜひ、製作現場も見てみたい!」とのご希望から、東京から富山の本社工場まで足を運んでくださいました。
このお話を伺い、私たちも大変嬉しく、心から感謝の気持ちでいっぱいになりました。

普段、子ども向けのワークショップに携わっておられるとのことで、特別なサポートを必要とすることもなく、手際良くミニ組子を完成されました。
ドイツのシュトゥットガルト はポルシェやベンツの本社がある地域ということでドイツの中でも特にモノづくりに関心の高い地域だそうです。

工場見学では、組子細工の展示だけでなく、職人たちの真摯な仕事ぶりや、地球温暖化対策への取り組みにも深く感銘を受けたとお話しくださいました。
約1時間半という限られた時間ではありましたが、とても心温まる貴重な出会いとなりました。

杉本

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4月23日

ドイツ・ミュンヘンよりお客様が工場見学にお越しくださいました。
今回が初めての日本旅行とのことで、日本の伝統工芸に深いご興味をお持ちだそうです。各地の工房や工芸品の現場を巡るご旅行の一環として、弊社にもお立ち寄りいただきました。

工場では、組子スマホスタンドの製作とカンナ掛け体験もしていただきました。削る前と後で木肌がどのように変化するのか、その違いを手で触れて実感され、驚きと感動のご様子でした。

また、組子細工で使用する木材の選定基準や、木の特性による仕上がりの違いについてもご説明させていただきました。

なお、弊社へお越しになる前には、高岡市にある能作さんでも鋳物の体験もされたとのこと。
日本の伝統技術を肌で感じる、まさに「体験尽くし」の一日を楽しまれたようです。

遠方よりお越しいただき、誠にありがとうございました。今後の旅路も素晴らしい時間になりますよう、スタッフ一同心より願っております。

西川

スウェーデン王立リンショーピング大学の学生が来社されました

昨年に引き続き、今年もスウェーデン王立リンショーピング大学の学生の皆さまが弊社にお越しくださいました。今回で3回目のご来社となり、毎回のご訪問を社員一同楽しみにしています。

今回も、木工作家・小松研治先生にアテンドいただき、工場見学と組子製作体験を実施いたしました。特に今回は、通常の体験よりも難易度の高い内容に挑戦していただきました。細かいピッチで組まれた地組に、複数の文様の「葉っぱ」を組み込んで、自分だけのデザインを完成させるというものです。※なお、写真に写っております木工用ボンドは、体験用としてご用意したものです。通常の製品には使用しておりません。

皆さん木工を専門に学ばれていることもあり、職人が手取り足取り教えることなく、自ら考えながら組子製作に取り組む姿が印象的でした。完成後には、細かな段差の有無や接着剤のはみ出しなど、仕上がりを真剣に確認する姿が見られ、その観察眼の鋭さに職人たちからも感嘆の声が上がっていました。

また、工場見学では、木材や道具について意見交換をさせていただいたほか、最近新たに始めた取り組みである、組子の端材を再利用したアロマスプレーもご紹介しました。環境への配慮を大切にするスウェーデンの方々にもご好評いただき、持続可能なものづくりへの関心の高さを改めて感じることができました。

言語や文化の違いはあるものの、「ものづくり」という共通の価値観を通して、お互いに学び合い、尊重し合う時間を過ごすことができました。言葉が通じなくても、組子を通じて自然と生まれるコミュニケーション。今回の交流を通じて、その力をあらためて実感する機会となりました。

日本政府観光局のWEBサイトでタニハタの取り組みが紹介されました。

日本政府観光局のWEBサイトでタニハタのインバウンド向けの取り組み、ワークショップが紹介されました。

https://www.japanmeetings.org/japan-incentive/contents/detail/2262.html

https://mice.jnto.go.jp/assets/docs/toolkit/incentivetravel.pdf

JNTO(日本政府観光客)は国土交通省(観光庁)所管の独立行政法人です。
海外からの訪問者を増やし、日本の文化、歴史、自然、ライフスタイルを海外の方に広く知ってもらうことを目的に設立されました。

今回制作された冊子は、外国の観光客に向けて、日本の伝統工芸や料理などを紹介されたものになっており、当社を含めて50の組織が選ばれています。

ウェブサイトやパンフレットを通じて、日本の魅力を発信されていかれるようです。

タニハタは、インバウンド観光客に対し、職人技を身近に体験できるワークショップを開催しております。
観光客は、組子のパーツを自分で組み立てながら、実際に手を動かし、組子細工の魅力を体感することができます。

伝統文化を広めるだけでなく、訪れた人々に日本の素晴らしさを伝える架け橋として、これからも発信して参ります。

滑川建築フェスで出会った歴史と美の宝庫

富山市の隣にある滑川市で開催された「なめりかわ建物フェス」に参加してきました。

このイベントは、地域の建築文化を紹介するもので、普段は非公開の歴史的建造物や文化財が特別に公開される貴重な機会です。

滑川市には、時代を超えて残る伝統的な建築物が点在しており、例えば、廣野家住宅や旧宮崎酒造など、どれも趣がありその時代の息吹を感じさせる建物ばかりでした。


組子の入った板戸が多かったです。
なぜか書院欄間にミニ組子が。
一重香図入り上障子襖。懐かしい。
書院障子に欄間、障子戸、折部襖・・・古い家は、組子建具が数多く設置されています
床の間のある家が本当に少なくなりました。床の間の横にある灯りとりの障子「書院障子」は組子職人の腕の見せ所だったのですが、住宅事情が大きく変わり激減。 そんな理由から当社が商業施設向けの組子を開発し、2000年からWEBで販売を始めました。

滑川の街並みを歩きながら、昭和の懐かしい風景を楽しむことができました。特に印象的だったのは、地元の方々がこのイベントを通じて建築遺産の保存と活用に取り組んでいる姿勢です。

富山県全体としても、世界遺産の五箇山合掌造りや岩瀨や八尾、井波地区などそれぞれ古い建築物や文化財が多いのですが、それらの地域では実際に多くの方が家に住まれて生活をされ、それぞれ古い建築物の良さをアピールするイベントやSNSなど発信されており、未来へつなぐ新しい価値を生み出そうとする熱意を最近感じます。

これからも、こうしたイベントが増え、富山全体が「建築の県」として活性化していくことを期待しています。また、古い建築物と新しい価値の融合がさらに深まり、地元の誇りとして長く受け継がれていくことを願っています。

組子端材を利用したアロマスプレーの販売を開始しました。

以前ブログでも紹介したアロマスプレーの販売を本格的に開始いたしました。
端材活用を通じた環境保全への取り組み

このアロマスプレーは富山県上市町にある AROMA SELECT 様(公式サイト)のご協力のもと、日々の組子づくりの過程で生まれる端材やかんなくずや木の端材をアロマスプレーへと再生する取り組みから生まれた製品です。

お部屋や車内、布製品にひと吹きで、深い森に包まれるような温もりある香りをお楽しみいただけます。
オンラインショップ「BASE」 と東京ギャラリーにてにて販売しております。ぜひ、実際にヒノキに包まれる心地よさを体験してみてください。

AROMA SELECT様 1st Anniversaryのご案内

AROMA SELECT様が、工房の移転から1周年を迎えられました。これを記念して、感謝祭を開催されることとなりました。
日時:2025年4月21日(月)~4月27日(日) 10:00~18:00(最終日は16:00まで)
場所:AROMA SELECT様(富山抽出工房 兼 店舗)〒930-0412 富山県中新川郡上市町広野753

感謝祭では、卓上かまど作りや左官アート作りなどさまざまなワークショップが開催されるほか、組子製作の際に発生するヒノキかんなくずや端材を使ったワークショップも開催されます。
国産の杉、ヒノキなどの貴重な天然資源が「ゴミ」として片付けられずに、最後まで利用されること 本当に嬉しく思います。

この機会にぜひAROMA SELECT様の工房を訪れてみてください。

詳しい内容はこちらからご確認ください。

東京ショールームでのミニ組子販売につきまして

これまでショールームにお越しいただいたお客様から、「ミニ組子を購入したい」というご要望を多くいただいておりました。
また、近年は海外からのお客様も増え、日本のお土産としてお持ち帰りになりたいというお声も寄せられています。

こうしたご要望にお応えし、このたび東京ショールームにてミニ組子の販売を開始いたしました。
現在、オンラインショップ「BASE」にて販売中のミニ組子18種に加え、組子の端材を活用したアロマスプレーもご用意しております。

なお、お支払いは、キャッシュレス決済を基本とさせていただいております。
今後は大阪ショールームにも展開を予定しておりますので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

*各ショールームの詳細はこちら

大阪出張の成果と発見

2024年2月20日、大阪へ出張に行ってまいりました。

最初に訪れたのは、ヒルトンの最上級ブランドとして知られるウォルドーフ・アストリア・ホテルズ&リゾーツの「ウォルドーフ・アストリア大阪」です。

ヒルトンホテルは、多様な宿泊者のニーズに応えるため、8つの異なるランクのホテルを提供されています。
今回、見学させていただいたウォルドーフ・アストリアは、そのヒルトングループの中でも最高級のラグジュアリーブランドとなり、日本に初開業
となります。

ウォルドーフ・アストリア大阪 組子細工

このラグジュアリーホテルの設計とデザインは、香港出身の建築家アンドレ・フー氏によるもの。
モダンなデザインと日本の伝統意匠が融合した素晴らしい装飾で、ホテル内を見学させていただき、多くの驚きがありました。
ホテルを訪れる全ての人々に深い印象を与えることと思います。
4月3日に開業予定です。

ちなみにこのホテルは、大阪駅近くで進行中の「うめきた地区開発グラングリーン大阪」の中心に位置しています。
JR大阪駅の北側にあるこの梅田地区(うめきた)は「都心に残された最後の一等地」、関西再生の切り札として産学官が総力を結集し20年以上の時間をかけて開発を進めているプロジェクトです。


4月から開業する大阪万博に合わせていろいろな施設がこの地区にオープンを予定しており、当社でも多くの組子を納入させていただきました。
春になったら改めて設置させていただいた組子を見に行きたいと思います。

うめきた地区開発グラングリーン大阪

うめきた公園では、320種類以上の植物が植えられ、それぞれにネームプレートが設置されています。
さらに、QRコードが付いており、気になる植物をその場で簡単に調べることができるので、コンクリートで殺風景になりがちな開発地域を自然を感じながら楽しく散策できる工夫が感じられました。

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午後は、大阪ショールームを訪れました。
現在、大阪ショールームの規模拡張と物販展開を計画中で、詳細が決まり次第、改めてブログ等でご案内いたします。

ショールームが入っているATCトレードセンターからは、2025年に開催予定の大阪万博会場を望むことができます。
窓から見える大屋根リングは、完成に向けて着々と準備が進んでおり、間近に迫るイベントへの期待感が高まりました。

タニハタ 組子大阪ショールーム 大阪万博

大阪ショールームから万博会場のある駅まで2駅ということもあり、少し足を延ばして先日完成した夢洲駅(ゆめしまえき)へ。

夢洲駅は改札の台数も豊富に設置されており、駅構内の通路幅も非常に広くスペース確保されていました。

大阪万博 夢洲駅



今回の大阪出張では、最新のホテルや万博会場などを見学し、何もなかった場所に、多くの人の情熱と技術の結晶によって形作られていく過程を肌で感じることができました。一つの建造物が完成するまでには、設計から施工、そして細部に至るまでのこだわりや職人の技が積み重なっており、そのスケールの大きさと重みを改めて実感した次第です。建築業界に携わる者として、自らの仕事の意義を再認識するとともに、これからもより一層努力していきたいと感じました。

先日、アメリカのニューヨーク・タイムズが「2025に行くべき52カ所」を発表し、日本からは当社の工場がある富山市(30位)と今回見学した大阪市(38位)が選ばれましたが、組子細工を通じて、世界中の人々に日本の素晴らしさを知っていただけるようにこれからも発信していきたいと思います。


西川

大阪万博 夢洲駅 組子ショールーム

端材活用を通じた環境保全への取り組み

弊社では、 「木を無駄なく使い切る」 という考えのもと、組子の製造過程で発生する端材やかんなくずを再活用する取り組みを行っています。

その一環として、昨年より、富山県上市町にある AROMA SELECT 様(公式サイト)のご協力のもと、日々の組子づくりの過程で生まれる端材やかんなくずをアロマスプレーへと再生する取り組みをスタートさせました。

AROMA SELECT様は、「Made in 富山」にこだわり、富山の森で育った木々の中でも育林のために伐採された下草や、枝打ちによって廃棄される樹木 を原材料とし、精油を抽出されている企業です。森林資源を無駄にすることなく、自然の恵みを生かすものづくりを続けておられます。

今回、私たちは AROMA SELECT様の抽出工房兼店舗 を訪問し、精油の抽出過程について学ぶ貴重な機会をいただきました。

工房の扉を開けた瞬間に感じたのは、ふわりと広がるアロマの豊かな香りでした。
弊社の工場を訪れるお客様も、「木の良い香りがする」とおっしゃることが多いのですが、日々その香りに囲まれている私でさえも、ここで感じた自然の木々から生まれたアロマの香りには感動を覚えました。

工房では、精油を抽出する際に用いられる「水蒸気蒸留法」について、詳しくご説明いただきました。

実際に蒸留器を目の前にするのは初めてで、その仕組みや工程をじっくりと学ぶことができました。ちょうど見学時には、弊社の組子端材を使った抽出作業が行われており、抽出されたばかりのヒノキの精油の香りを体験することができました。
蒸留したてのヒノキの香りは爽やかで清々しく、私たちが日頃触れている木材が、こうして新たな形で香りとして生まれ変わる瞬間に立ち会えたことで、端材の持つ可能性の大きさを改めて実感しました。

そして見学の中で特に驚いたのは、AROMA SELECT様の徹底した自然配慮への取り組みです。
原材料として使われるのは 端材や廃棄予定の木々ですが、取り組みはそれだけではありません。精油を抽出した後に残る木材も工房内のかまどの燃料として再利用されていました。

「木を余すことなく使い切る」
ほんのわずかな無駄も生まれないよう工夫された仕組みに、深い感銘を受けました。私たちも組子づくりを通じて木と向き合う者として、その姿勢に大いに共感し、学ぶべきことが多いと感じました。

今回の見学を通して、私たちが日々扱う端材一つ一つに、価値と可能性が秘められていることを改めて実感しました。
弊社では、「木を活かし、木に生かされる企業でありたい」という想いのもと、組子製作を行っています。そして、これからも「木を無駄なく使い切る」ことを大切にし、地球と共存するものづくりを続けてまいります。

そして今後は、アロマスプレーという新たな形で、木の持つ魅力をより多くの方にお届けできればと思います。

尚、アロマスプレーに関しましては、こちらのリンクから詳細をご覧いただけます。

杉本

組子の製作体験(2月)

2月12日

富山市のインバウンド事業のFamトリップで欧米の旅行会社様に工場見学にお越しいただきました。
スマホスタンド製作体験では、まずは組子職人の金槌の使い方伝授から始まり、皆さん真剣に一つ一つのパーツを組み付けておられました。

体験中には、さまざまな組子文様に興味を示していただき、職人が質問にお答えする場面もありました。特に、曲木を使った菊文様に感動されている様子が印象的でした。

鉋けずり体験では、削りたてのかんなくずの香りに感動されていました。
普段触れることのない職人道具を手にし、とても貴重な体験ができたとのことでした。

アメリカのニューヨーク・タイムズが発表した「2025年に行くべき52カ所」に富山市が選ばれたことを受け、今後、海外から組子体験を目的に訪れるお客様が増加すると見込まれます。
弊社では、「富山に来て良かった!」「タニハタに来て良かった!」と感じていただけるよう、これからも工場見学を通じてお客様を心より歓迎していきます。

杉本

美術組子 イメージ動画アップしました

お客様のご要望に当社デザイナーがお応えするタニハタの完全オーダーメイド組子「美術組子」。
そのイメージ動画が完成しました。
デザインは富山の雨晴海岸から見る立山連峰。
最高の技術、木材を駆使してタニハタの職人が作り上げます。


富山 立山連峰 組子細工

タニハタの事業活動に伴うCO2排出量について

ここ数年、地球温暖化による様々な問題、自然現象が発生しています。
氷河の融解や海面水位の変化、山火事や洪水、干ばつ、陸上や海の生態系への影響、それらによる食料生産や健康など人間への影響など・・・



先日、日本経済新聞で「地球温暖化」「気候変動」の言葉が記事の中にどれくらい出現するのか調べてみたところ

2014年1月1日~12月31日   「地球温暖化」  271件    「気候変動」  279件
2024年1月1日~12月31日   「地球温暖化」 1761件  「気候変動」 1447件

10年で約5~6倍の出現数になっています。
経済界はエネルギーや素材を「化石燃料」に頼ることが多く、温暖化や気候変動に対して懐疑的な見方をする傾向にありましたが、実際にはリスクとして認識し対策をしっかりする企業が増えてきていると感じています。

地球地球温暖化は、科学的なコンセンサスとしては、人間の生活、経済活動などから発生するCO2などの温室効果ガスが原因とされています。

当社でも2011年の震災以来、エネルギー問題に取り組んでおり、2021年にはSBT認定を取得しました。

2020年より会社の事業活動から発生するCO2排出量も測定しています。

SBTの目標でもある、Scope1,Scope2(自社からのCO2計算直接排出)に関しては大きくCO2排出量を削減し、すでに目標を達成しています。
(CO2排出はほぼゼロになっています。)

しかし、Scope3(サプライチェーン排出量)では、逆に増加しています。(自分で排出量を計算しているといろいろなことが見えてきます。)

原因としては、ここ数年大きく組子の生産数が伸びており、材料や加工設備などを購入していることが大きな要因になっています。
自社内でCO2排出を減少させても、生産量が大きくなると、自社以外でCO2が大きく発生してしまいます。
Scope3の削減は自社の努力だけで削減することは難しく、取引先を含めて対策することが必要になってきます。


経営者としては、社員達の生活を向上させるために、数字を伸ばすことを目標に掲げる必要がありますが、それをすることによりCO2の排出は上がる傾向になります。この相矛盾する目標を達成するためにタニハタではどういうモノづくりを行っていくべきか・・・しっかりと方向性を定め、環境に負荷をかけないモノづくり、地球温暖化対策を職人や取引先と共に行っていきたいと思います。

組子製作動画「香図」アップいたしました

組子文様「香図」の製作動画をアップいたしました。
https://www.youtube.com/watch?v=g7wCwqZu824

香図は、水平線と垂直線から成っており、室町時代に完成したと言われる「香道」に由来を持つ美しい図柄です。
東京・目黒の結婚式場「ホテル雅叙園東京」様にある百段階段にはこのデザインの建具が数多く設置されています。
https://www.hotelgajoen-tokyo.com/100dan


これからも歴史や伝統を深く学び続けながら、日本の組子を世界へ発信してまいります。



ニューヨーク・タイムズ 「2025年に行くべき52か所」に富山市が選ばれました

アメリカの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」が「2025年に行くべき52か所」を発表し、日本から富山市と大阪市が選ばれました。

タニハタの本社がある「富山市」は30番目(大阪は38番目)となりました。

富山市は、立山連峰の美しい景観と豊かな自然が魅力。
四季折々の美しい自然の風景が楽しめ、伝統文化、美食、新旧の建築物が調和した魅力的な観光地です。

タニハタの組子細工も昨年末、富山市の観光プロモーション動画で紹介していただきました。

https://www.youtube.com/watch?v=4N7-Xa4BBbk
1分40秒あたりで当社の組子と職人が紹介されています。



今回、世界の観光地として富山市が選ればれ、富山市民として誇らしい気持ちでいっぱいです。
2025年は多くの方に富山市を訪れていただき、その魅力を心ゆくまで堪能していただけたら幸いです。

・JR 北陸新幹線 春の誘客ポスターに組子細工が採用
富山市で学ぶSDGs旅行
富山工場での組子ワークショップ



2025年に行くべき52か所 富山市 伝統工芸 組子細工
ニューヨークタイムズ紙 2025年に行くべき52か所 富山市 組子細工 株式会社タニハタ

事務所前のオリーブを収穫しました

富山工場の玄関アプローチにオリーブの木を植えてから、もうすぐ7年が経とうとしています。
会社の環境を少しでも緑豊かにしたいという思いがあり、オリーブの木を植えました。
夏の暑い時期も、皆で毎日水やりを続け、今年は1本の木に20個以上のりっぱなオリーブの実がなりました。

あまりにも立派なオリーブの実だったので軽い気持ちで「玄関のオリーブをみんなで食べてみましょう」と社長に提案したところ、快くOKをいただきました。

しかし、オリーブの渋抜きがあんなに大変だとは知らず、食い意地を張ったことを後で後悔することに。。

オリーブの収穫時期は用途によって異なります。塩漬けやオイル漬けにする場合は完熟前の11~12月頃、
完熟させる場合は1~2月頃が適しています。ただ、完熟すると鳥に食べられてしまうと聞き、完熟前の少し紫に色づいた11月に収穫を行いました。

オリーブにはポリフェノールが多く含まれており、完熟前のオリーブは渋みが強く、そのままでは食べられません。
渋抜きの方法を調べたところ、市販のオリーブの多くは苛性ソーダを使って処理されており、
この方法が最も早く渋を抜くことができるとのことでした。しかし、苛性ソーダは劇薬で入手困難のため断念。

他の方法を調べると、塩水漬けでは1年、水のみでは毎日水を替えて7か月かかると知り、
最終的に「2週間は重曹水を入れ替え、その後は毎日水と塩を使い、塩分濃度を徐々に上げていく方法」を採用しました。

収穫から約2か月、毎日水を替えながら待ち続け、ようやくタニハタ産のオリーブの浅漬けが完成しました。


クラッカーにチーズを乗せ、その上にオリーブの輪切りを添えたカナッペをのせて社員全員でいただきました。

結果は好評で、毎日渋抜きを頑張った甲斐があったと感じています。

渋が強くて食べれなかったオリーブも根気良く手塩にかけて育てれば、美味しくなる。
組子づくりにも通じるところだと思いました。
なにより会社で実ったオリーブを社員全員で美味しくいただけたことを嬉しく思います。


西川

「香図」の由来である香道体験に行ってきました。

弊社で展開している「吉祥組子」からも分かるように、日本の古い文様や図柄には、それぞれに古くからの歴史があります。今回紹介する「香図」は、水平線と垂直線から成っており、室町時代に完成したと言われる「香道」に由来を持つ和風図柄です。

お客様から度々ご質問をいただくこの図柄について、その由来である「香道」をより深く理解するため、香舗伽羅-金沢-様にて香道体験をしてきました。香図が誕生した由来に触れながら紹介させていただきます。

〇香道とは
日本には、およそ500年も昔から、「香道」があります。華道・茶道とともに「香道」は日本三大芸道の一つと言われています。香道とは、香木の微細な違いを聞き分けながら、和歌、歴史、季節などを題材に香りを楽しむ芸道です。
代表的なものに、香りを聞き分ける「組香」という遊びがあります。「組香」というのは、参加者が何種類かの香りを聞き、何番目がどの香りだったかを聞き当てるゲームのようなものです。参加者の優越を決めるものではなく、あくまでもその香りやテーマ、空間を楽しむ文学性、芸術性の高い風雅な遊びです。
(引用:https://www.kyara.co.jp/experience)

今回は、代表的な組香の一つである「源氏香」を体験しました。

5回お香をたいて香りを聞き、どの香りが同じであったかを当てる組香で、全ての香りを聞いたあと和紙にお答えを記します。お答えは、まず縦線を5本書き、右から順番に聞いた香りが同じ場合、線の上部を横棒でつなぐのですが、このお答えの図が組子の図柄としても用いられる「香図」の由来となっています。

約1時間のプログラムを通じて、当時の遊びを体験しながら日本の伝統に触れ、何百年も前の歴史に思いを馳せる貴重な時間を過ごすことができました。私たち組子屋にとって、日本の伝統を伝える役割を担う以上、歴史を学び、それを自ら体感し理解することは欠かせないと感じています。

これからも、歴史や伝統を深く学び続けながら、日本の組子を世界へ広めていくことに努めてまいります。

杉本

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