タニハタブログ Blog

組子らんまを作る会社<タニハタ>の日々の出来事、その思いをブログで綴ります。

ドイツ紀行   職人:城広明

ドイツといえば・・・頭に浮かぶのは、ビール、ソーセージ、ヒトラー 恥ずかしながら、この程度のものでした。

そんな私が、iFデザインアワード受賞式参加のために日本から飛行機に乗って約12時間・・
ミュンヘンの空港を出て、まず驚いたのは、道路を走る「自動車」でした。
メルセデスベンツ、BMW、アウディ、ポルシェ、フォルクスワーゲン。。
日本では軽自動車の割合が4割ほどだそうですが、ドイツでは高級車が列を成してビュンビュン道路を走っている。。。

以前トヨタの方から聞いた「トヨタも欧州では勝てないんです。」という言葉が頭をよぎりました。道路を走る自動車のほとんどがドイツ車。 たまにプリウス・・という感じで、到着するなり、ドイツは日本同様(いやそれ以上に)「ものづくりの国」と実感した次第です。

(ちなみにドイツのグローバル企業といえば、他にアディダス、プーマ、シーメンスなどもそうです。)
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訪問したバイエルン州ミュンヘンですが、ここに住む人々は自分たちのことを「ドイツ人」ではなく「バイエルン人」と言うのだそう。バイエルンの人は真面目に働き、他の州の人よりも多くの税金を納めている自負があるようです。また、町の景観にも誇りを持っており、以前、百貨店が高層のビルを町中に建てようとしたことがあったそうですが、途中で建築を中止にさせるくらい自分達の街を大切にしているとのことでした。(「バイエルン人」にたいして「プロイセン人」は、進歩的・開明的・・なのだそうで・・・あまり仲は良くないようです。 )

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■USMショールーム、ミュンヘンミュージアム 視察
ここでは、工業デザインとはどうあるべきかを聞くことができました。

モノづくりの国「ドイツ」でも技術に対しての差というものはどんどんなくなってきており、工業製品であってもデザインで差別化することが重要になってきているとのこと。
商品の使い手が扱いやすく、なおかつ快適に作業できるデザインを追求しているようです。

ちなみに車の前で説明されている方は、工業デザイナーのナウマン氏。
日本のナウマン象は、彼の曾祖父が日本で発見し、その名前が付けられました。糸魚川のフォッサマグナもナウマン博士の発見によるもので、日本に大変御縁がある方です。

世界的にも有名なデザイン(プロダクト)が、数多く並んでいました。

家具デザインといえば「椅子」。とにかくすごい数でした。

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■ミュンヘン市内

ミュンヘンでは多くの歴史的建築物を見学しました。
ニンフェンブルク城、ミュンヘンレジアンツ、マリユン広場など・・

そこに立つだけで圧倒されます。

たくさんの歴史建築物を見ましたが、ドイツの住宅部材の現状もみたい、と思いホームセンターにも行きました。

市内のホームセンターにも入って、住宅製品を見てきました。

ドアがたくさん並んでいました。個人の方も取りつけされるようです。

一見、普通の集成材ですが、なんと30ミリ角くらいの四角い材料を接着して製品にしていました。 さすがエコの国ドイツ。。

これも一見、無垢材ですが、精巧に印刷された木目パネル板です。とても大きく重いパネルでした。何に使うのか・・

無垢材は松系の材料が多かったですが、広葉樹も日本以上に販売されていました。

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■BMWミュージアム

車には興味の無い私ですら、このミュージアムに入った途端、心が躍りました
1972年に建てられたとは思えないデザイン性、見る人を飽きさせない展示の方法、
統一感のある空間。。
自動車、デザイン、建築、インテリアなど、どの視点からみても世界最高峰と言えるミュージアムではないでしょうか?

展示物、建築物含めて一民間企業が作り、管理しているところも驚きました。

昔の車の方が味わいがあるような・・

内装材の視覚的効果がとても面白かったです。

壁面の映像は動画で動きます。プロジェクターなどはなく、壁面そのものが発光しています。

組子製作 株式会社タニハタ iFデザインアワード 金賞受賞。
最上階には、iFデザインアワードの金賞トロフィーがガラスケースに入って飾られていました。 さすがBMW・・ うちも綺麗に飾らなければ・・・

最後に・・

iFデザインアワード金賞受賞でTANIHATAの名前が呼ばれてステージに登壇するときは本当に緊張しました。
巨大なスクリーンにタニハタの映像が流れ、会場の中の視線が集まっているのが分かりました。

ステージの上からの景色、空気、緊張感は生涯忘れません。
金賞の名に恥じないモノづくりをするためにはどうすればいいのか・・
他の組子職人達と共に考え、目標を立て、一歩一歩実践していきたいと思います。

城 広明