世界中から注目を集めた大阪・関西万博が閉幕しました。
今回、タニハタの組子細工は<サウジアラビアとの伝統格子 共同製作><林野庁主催のWood Change2025> 2つのイベントに参加させていただきました。
どちらも「伝統」と「未来」を結ぶ挑戦であり、私たちにとって貴重な学びの機会となりました。
サウジアラビア館の前で記念撮影





サウジの木工アーティスト Ahmad Angawi 氏とともに、日本の「組子」とサウジの伝統格子「Mangour」を融合させた作品を公開製作しました。
素材には日本のヒノキや杉を用い、アーモンドの花をモチーフとした文様を、両国の職人が丁寧に組み上げていきした。
文化も宗教も異なる国同士が、木という素材を通じて心を通わせる——まさに「手仕事の力」が国境を越える瞬間でした。

次回の万博開催国でもあるサウジアラビアとの協働を通じ、伝統工芸が国際的な対話の場となり得ることを強く実感しました。
Ahmad Angawi 氏とは、これからも協力して世界に向けて新しい組子世界を発信していきます。


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林野庁主催の「Wood Change 2025~使おう、日本の木~」では、能登半島地震で被災した氷見市の古材を再生し、組子アート作品「日本の秋・いのち」を展示しました。
解体家屋から救い出された木材に新たな命を吹き込むこの試みは、単なるアートではなく、地域再生へのメッセージでもあります。

木の香りや質感、光と影が織りなす温もりを通して、来場者の方々に「木と生きる豊かさ」や「資源を大切にすることの尊さ」を感じていただけたのではないかと思います。
伝統技術を持つ者として、環境や地域社会とどう向き合うか——その問いをあらためて胸に刻む展示となりました。
今回の2つのプロジェクトを通して、「伝統工芸は過去の文化ではなく、未来をつくる技術である」という確信を得ました。
国際的な舞台で伝統の価値を再発見し、環境と調和したものづくりを続けることこそ、これからの工芸に求められる使命だと感じています。
万博という世界の交差点で得た学びを胸に、タニハタはこれからも「木」と「人」と「文化」を結ぶ新しい挑戦を続けていきます。
