タニハタブログ Blog

組子らんまを作る会社<タニハタ>の日々の出来事、その思いをブログで綴ります。

富山市の森林と林業の現状

富山市役所 森林政策課の職員の方から 「富山市」の森林と林業の現状についてお話しを伺いました。

富山市の森林および林業の現状 組子勉強会

話しをまとめると・・・

富山市の土地面積は124,174haですが、そのうちの70%が森林。その森林面積の51%が私有林で公有林は16%しかありません。

私有林の所有構造が小規模で、例えばひとつの山に多くの所有者がいると、山から木を切り出して搬出しようにも所有者が多く、全ての人の意志が確認できない(所在地が不明、境界がわからないなど)・・・
その結果、山で間伐した木を里まで搬出しようにもできない、という状況のようです。

この小規模の所有者の方達をまとめて、施業を一括して実施することが今最も重要、とのことでした。

植林から50年以上経過し、伐採期になっている木も多いのですが(65%が伐採期をむかえた木)
山間地の過疎化、高齢化により、里山林が適正に管理できない、というのが実情です。

林業従事者の数は100人にも満たず、また、平均給与は343万円・・です。
怪我が多い職種でもあり、他の産業と比べて約10倍の死傷者数とのこと。(これは全国的に同じ傾向)

タニハタでも富山産の杉材を購入することが多いですが、その木材は、大変な仕事で切り出されて私達の手元にやってきます。

本当に感謝しなくてはなりませんね。。

私達は国産木材を使う「組子屋」ですが、案外自分達の住んでいるまわりの森林や林業の詳細のこととなると知らないことも多く、今回かなり突っ込んだお話しを聞くことができとても勉強になりました。


地球温暖化の観点から・・
二酸化炭素を吸収する木を切ることは地球にとって良くないことでは?・・・と聞かれることも多いですが、木も人間と同じ様に、若い元気なうちは木も二酸化炭素を吸収しますが、年数が経過すると成長スピードが遅くなり、(二酸化炭素を吸収しなくなり、)逆に二酸化炭素を排出するようになります。

私達「組子屋」ができることは、伐採期をむかえた国産木材を買い、付加価値の高い製品を作り、組子製品(国産木材)の素晴らしさを一人でも多くの方に知っていただくこと。
使用する木材は大切に使い、端材までも無駄なく使用すること。 微力ではありますが、少しでも日本の林業に活力がでてくるようにしなくてはなりません。

脱炭素社会の実現のためには、循環型資源である国産木材を積極的に活用していくことがとても重要になってきています。

タニハタでは、これからも「木」に関する勉強会を職人達と続けていきたいと思います。

組子製品の価格につきまして

原材料価格や物流費、光熱費の高騰を受け、幅広い分野で値上げの動きが広がっていますが、建築業界も海外産木材の不足の影響を受けて木材価格が大きく値上がりしています。

こんな社会情勢ではありますが、弊社では、あらゆるコストダウンに取り組んでおり、<2023年3月受注分まで>は組子製品の値上げは行いません。安心してご注文いただければと存じます。



組子製品の値上げは行いません。

組子用の国産ヒノキや杉材も多めに確保しており、納期も比較的安定しております。(40日前後)


※納入が<1年以上先の見積り>を当社に依頼される場合は、必ず施工予定月をご記入ください。
施工予定月が未定の場合は、価格が変動することもございます。
この点だけご注意ください。

学生の組子製作体験(5月)

5月は富山県内外から中学校・二校の工場見学がありました。
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5月31日、福井県足羽第一中学校の生徒さん30名が来社されました。
富山、組子の歴史についての講演(30分)、組子製作体験(30分)、工場見学(30分) 1時間30分のフルコースとなりました。

福井県足羽第一中学校 組子ワークショップ
福井県足羽第一中学校 組子工場見学
福井県足羽第一中学校 富山のモノづくり SDGs


木材や組子のこと、富山のものづくり、タニハタが取り組むSDGsについてお話しさせていただきました。勉強する姿勢が大変素晴らしく、真剣にメモをとっている姿にこちらも少しタジタジになりました。。。

最初は少しかたい表情でしたが、組子体験が始まるとワイワイとした雰囲気に。
帰るときにはみんな「楽しかった~」と言ってくれたのでホッとひと安心しました。

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5月19日、大阪府枚方市立招堤北中学校の生徒さん7名が来社。

SDGs探求学習として北陸で色々と体験をされたと伺いました。

ライトレール(路面電車)を使って、近くの駅で降り そこから歩いて工場にお越しいただきました。

公共交通機関を使用することにより、生徒さん自らがSDGsを体現されており本当に素晴らしいことだと思いました。

組子細工 中学生 SDGs 工場見学

今回は弊社が取り組んでいるSDGsについて中心にお話をさせていただきました。

最後の質問の時間でもSDGsに関する質問が多くあがり、日頃からよく勉強しておられる様子が感じられました。

組子細工 中学生 SDGs 製作体験

組子製作体験では、先に出来た人が周りに教えながら、和気あいあいとした雰囲気で行いました。

探求学習を終え、先生よりいただいたメッセージでは「また富山に来たい!」「あんな企業に勤めたい!」と生徒さんが言っておられたと聞き、
大変嬉しく感じました。今後も少しでも組子のことを知って、興味を持っていただけるよう努めていきたいと思います。

株式会社タニハタ 西川

追伸
後日、工場見学の感想文が届きました。
皆様に感謝申し上げます。

セミナー開催のお知らせ



久しぶりに東京に出向いてセミナーでお話しすることになりました。


<中小企業からニッポンを元気にプロジェクト>公式アンバサダーの田村淳さんも参加されます。

タニハタは、業態を大きく変革した会社の事例紹介として参加させていただきます。(パネルディスカッション形式)

興味のある方は下記から申込みください。

セミナータイトル: 企業規模は関係ない。 スモールカンパニーの「新規事業の作り方」

主催:NewsPicks Brand Design
共催:セールスフォース・ジャパン

配信日時:2022年5⽉30⽇(⽉) 18:00〜20:20
会場: 渋谷 TRUNK BY SHOTO GALLERY


https://newspicks.com/news/7030719/body/

組子仕事の神髄とは ~ 職人: 高島敬 

「組子の基本はここにあるよ・・・」  半世紀経った組子が、私たちに語りかけてきます。

1977 年、私たちタニハタの職人で組み上げた書院障子が、全国建具展示会にて内閣総理大臣賞を受賞。
まだ30歳だった私は、ようやく、組子職人と名乗っていいと言われたような気がしました。

それから約半世紀。
その作品は今も寸分の狂いもなく、凛とした表情で私たちの仕事を見つめています。
求めることはただ一つ。
木を隙間なく組み上げること。
たったそれだけだからこそ、仕上がりに大きな違いを生み出します。

組子仕事の神髄は、木の納まり。
和室という小さな空間でコンマ数ミリにこだわる日々の仕事があるからこそ 駅やホテルなどの巨大な空間で、静けさの中にも圧倒的な美しさを感じさせてくれるのです。

そして。
「時間をかけて綺麗に仕上げることは誰でもできる。素早く綺麗にしあげること。それこそが本当の職人だ」
若い頃、親方によく言われた言葉です。
私たちは、作家ではなく職人。
限られた時間の中で、最大限の手間をかけ、組子を納めます。 その仕事の価値をわかっていただけるお客様がいる限り、私は職人を名乗り、挑戦を続けていきます。 若い仲間たちとともに。

組子職人:高島敬  1969年1月5日 谷端組子店入社  75歳



内閣総理大臣賞受賞 組子細工 タニハタ
タニハタ富山本社にて展示
内閣総理大臣賞受賞 組子細工 タニハタ高島敬
内閣総理大臣賞受賞 組子細工 製作風景
内閣総理大臣賞受賞 組子細工 拡大写真
内閣総理大臣賞受賞 組子細工 麻の葉

動画でもご覧いただけます。
組子とは・・・ページも参照ください。

書籍 「暮らしを彩る日本の伝統 「文様」のしきたり」  刊行

ここ数年、日本の伝統文様を目にする機会が増えました。
タニハタにも「あのテレビに映っている組子はタニハタさんのものですか?」というお問い合わせが大変増えてきました。
年間に500件以上の施設に組子製品を納入していますので、さすがに当社でも全部の物件を把握できなくなっていますが「古い文様」が見直されていることは確かなようです。

昨年末に「日本の伝統文様についての書籍を出版するので協力してもらえないか?」と出版社の方からメールをいただきました。
著者である「藤 依里子さん」の書籍は当社でも製品づくりの参考にさせていただきましたので、快諾しタニハタから文様に関する写真などを提出させていただきました。

本日、書籍が届きました。日本の古い文様について歴史や由来などが詳細に書かれています。(タニハタの組子の写真も掲載されています。)

文様について興味のある方はぜひお読みください。

書籍名: 暮らしを彩る日本の伝統 「文様」のしきたり   
著者 : 藤 依里子氏
出版社: 青春新書インテリジェンス) アマゾンより購入いただけます。

伝統文様 組子 タニハタ 暮らしを彩る日本の伝統 「文様」のしきたり









タニハタのプロモーションビデオを刷新しました

タニハタのプロモーションビデオを刷新いたしました。(以前のものは2013年に制作していたものでした。)

タニハタの組子職人の仕事ぶり、富山の美しい風景、内閣総理大臣賞受賞の書院障子など見所もたくさんです。

「組子の仕事とは?」「職人とは?」

組子職人歴50年の高島が訥々と語ります。

6分半と少し長めのプロモーションビデオですが、ぜひ、皆様ご覧ください。

(今年は、少しずつ組子に関する動画をアップしていく予定です。)

CO2排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルを達成いたしました。

株式会社タニハタは、当社の事業活動に伴うCO2排出量※を実質ゼロにするカーボンニュートラルを2022年3月11日に達成しました。 
(※当社事業のScope1およびScope2におけるCO2排出量)

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タニハタでは東日本大震災のあった2011年3月よりCo2排出量の削減に努めてまいりました


・自社工場屋上に太陽光パネルを設置し太陽光発電を稼働   2015年:30Kw    2021年:20Kw(自社消費型)

・太陽光発電だけで賄いきれない電力分は、水力発電による CO₂排出量ゼロの電力を使用

・組子製作の際に発生する木材端材を冬場のバイオマス暖房に使用(ペレット、薪ストーブ)

・電動フォークリフトやLED照明など省エネ設備の導入

・工場内の間仕切り工事を積極的に行い、無駄な空間に冷暖房を使用しない工夫

・国産木材を組子製作の主材料に切り替える


上記の取り組みを行い温室効果ガス排出量の削減に努め、残る排出については富山市と森林組合が運営している「森のチカラ」カーボンオフセット制度を活用し、カーボンニュートラルを達成しました。

今後は、脱炭素社会の実現に向けて、Scope3でのCO2排出量を掴み、サプライチェーン全体でCO₂排出量削減を進めてまいります。

対象範囲株式会社タニハタにおける事業活動全般
対象活動Scope1:ガソリン、軽油など
Scope2:電力 
CO2排出量Scope1:4.6トン
Scope2:北陸電力 水力発電によるプランによりCO2排出量ゼロ
CO2吸収量5トン(地元富山市の森林によるカーボンオフセット制度
2021年度

タニハタ 組子製作 太陽光パネル
2021年3月、20Kw の太陽光パネルを設置しました。 この電力は自社の組子製作に使用しています。

NHK BSプレミアム番組での放送予定につきまして

今、20~30代で数学マニアが増えているそうです。
そんな数学マニア向けの番組撮影がタニハタの組子ショールーム(東京)内で行われました。

EXILEの佐藤大樹さん、数学愛好家の三好潤一さんが組子文様に潜む数学に迫る(のかな?)

EXILEと数学とタニハタの組子・・・うちの職人達も放送を楽しみにしています。

(確かに以前・・・数学の教科書にうちの組子が掲載されたことがあります。)

ぜひ、皆様ご覧ください。

■放送日時(NHKBSプレミアム)

レギュラー番組への道 あつまれ!数ぽよ。」 
3月25日(金)23:15~23:44  「佐藤大樹+長井短編」

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他にも各種媒体でタニハタの組子を取り上げていただきました。

■日本商工会議所が発刊している機関誌「石垣」に掲載いただきました。

石垣 組子 タニハタ 商工会議所

先日、アメリカの国際デザインコンペ<IDAデザインアワード>で金賞を受賞した記事になります。

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■富山県で発刊している産業観光図鑑2022に掲載いただきました。

富山産業観光図鑑2022 タニハタ 組子

富山産業観光図鑑は、富山の産業観光施設や観光ルートを紹介する県外の観光客向けのガイドブックになります。
タニハタが取り組むSDGsについて掲載いただきました。

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積水ハウス様の「SUMUFUMU TERRACE 青山」で配布されるパンフレットに当社の組子が掲載されました。

積水ハウス 組子 タニハタ

今年の2月、東京青山にオープンした積水ハウス様の「SUMUFUMU TERRACE 青山」は、アートやデザインに関心の高い施主様向けの空間になっており、施設デザインはデザイナーの佐藤オオキ氏率いる<デザインオフィスnendo>が担当されました。

デザインだけではなく、自然素材やリサイクルなど「環境」に対するキーワードが散りばめられていて、今後の住宅業界の方向性をみる
ようで私達も大変参考になりました。

いろいろなところで当社の組子を使っていただきありがたい限りです。 感謝

ウクライナ情勢によるウッドショック第二波につきまして

昨年は世界的な木材需要の高まりの影響を受け、木材市場価格の高騰が起こり、住宅業界が木材不足(ウッドショック)に陥りました。
ウッドショックの震源地は米国でしたが、ロシアのウクライナ侵攻により、今回北洋材(ロシア産木材)が入荷しにくい状況になってきています。

ロシアは世界の5分の1を占める森林大国でもありますので、これからその影響は住宅業界にとって大きなものになってくると考えられます。

タニハタ組子の材料は杉、ヒノキなどの国産木材を使用しています。「ロシア木材の不足なのに影響がでてくるのか?」と思われるかもしれませんが
輸入木材の価格高騰や入荷遅延により、業界全体が国産木材へとシフトが進んでいます。
そのために国産木材も輸入木材に引っ張られるかたちで木材不足、高値傾向になってきております。

そんなウッドショック第二波に備えて早速、木材産地の競りに参加してきました。

組子 木材 競り

相変わらず人が多かったですが、組子に使用する良質の国産木材をたくさん競り落としてきました。

木材のみならず、いろいろなものが値上がりする傾向ではありますが、タニハタでは年内いっぱい組子製品の価格を上げる予定はありません。
タニハタの組子製品を検討されている方は安心してお問い合わせいただければと思います。

※価格の変更予定はありませんが、組子のご注文が例年以上に増えており、納期がかなりかかってきています。
(現在、受注後40~45日ほどかかっています。)

ゴールデンウィーク前の出荷はもうすぐ締め切りとなります。
お急ぎのお客様はご注意ください。

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ニュースでも放映されていますが、ウクライナで軍事行動が開始した2月24日以降、すでに300万人以上のウクライナ国民が安全を求めて国境を越え難民となっています。
タニハタでは2016年より毎年、会社の収益の一部を難民のために寄付してきました。
今回もウクライナ難民のため国連UNHCR協会に寄付させていただきました。
状況に応じて、引き続き寄付活動は行っていきたいと思っています。

お金で問題が解決できるとは思っておりませんが、小さくても自分達でできることを実行していくことが重要とおもっています。

※国連難民高等弁務官事務所(UNHCR: United Nations High Commissioner for Refugees)は世界各地にいる難民の保護と支援を行なう国連の機関です。
1954年、1981年にノーベル平和賞を受賞。スイス・ジュネーブに本部を置き、約125か国で援助活動を行っています。
特定非営利活動法人 国連UNHCR協会は、日本の公式支援窓口となります。



当社のコンピュータウイルス対策につきまして

身代金要求型のコンピュータウイルス(ランサムウェア)が猛威をふるっています。
一昨日、トヨタ自動車さんも全工場ストップという状態になり全国ニュースにもなりました。

このウイルスの特長は・・
巧妙にお取引先様を名乗り、メール「件名」も会社に関係があるような文面で送られてきます。
知人からのメールということでうっかり添付ファイルをクリックしてウイルスに感染・・・というケースが増えているようです。

当社が初めてWEBサイトを制作し、「組子」のネット販売を開始したのが1996年。
かれこれ25年ほど経過しました。

当初は普通にメールでのやりとりだけでビジネスが成り立っていましたが、上記のようなウイルスメールが増えて、メールを
使ってのビジネスを進めるのはこれからは難しい、と考え2013年にタニハタ独自のシステムをクラウド上に構築しました。

システムの特長として
・当社とお取引を希望されるお客様は、当社システムに一度業者登録していただき、その会員サイト内の
タイムライン上で打ち合わせを行うというもの。

(メールアドレスや社名、住所、担当者名などを登録していただき、事前に身元確認できるようにします)

 こうすることにより、新規、既存など不特定多数のお客様からのデータをお互い安心して確認できるようにしました。
(他にもいろいろ便利な機能があります。)

 2021年には全国クラウド実践大賞にて近畿総合通信局長賞、IT顧問化協会賞を受賞。
 すでに全国8,000件以上の建築業者様に登録していただいているシステムです。

登録も1分ほどで終わりますので、ウイルスの危険を少しでも無くしてスムーズにお取引を進めるために業者様には登録をお願いしています。



上記の他にも当社ではコンピュータウイルス対策を行っています。

タニハタ コンピュータウィルス対策

●外部からのすべてのサイバー攻撃を防ぐために、UTM(統合脅威管理)の「FortiGate(フォーティゲート)」
  というセキュリティ装置を導入しております。(ランサムウェアにも対応)
  もちろん各パソコンには、ウィルス対策ソフトをインストールしております。

●Webサイトでは、情報を暗号化するSSLの機能に加え、Webサイトを運営する会社の身元を確認できる機能を備えています。

少しでも安心してお客様に当サイトをご利用していただけるよう、これからもウイルス対策を行ってまいります。

組子「麻の葉ちらしシリーズ」がアメリカの国際デザインコンペにて金賞受賞。

<日本の美と自然>をテーマにしたタニハタオリジナルの組子「麻の葉ちらしシリーズ」がアメリカの国際デザインコンペ「International Design Awards(IDA)」にて、金賞を受賞しました。

IDAは 2007年にアメリカ ロサンゼルスで創設された国際デザイン賞。
今回で15回目の開催となり、権威ある国際的コンペティションの一つとして認知されています。

タニハタの海外での受賞は、香港「アジアデザインアワード2015」、ドイツ「iF Design Award 2017」から数えて3回目。
(金賞受賞は2回目)

海外への組子販売は増える傾向にあります。
これからも当社が長い時間をかけて培ってきた伝統工芸「組子」の素晴らしさを世界に向けて発信していきます。

■ International Design Awards  について

2007年、アメリカ ロサンゼルスで設立された国際的デザインアワード。
幅広い領域において卓越したデザインの先見者を発掘・評価するために、建築・インテリア・プロダクト・ファッション・グラフィックなど5分野で構成され、毎年世界各国の優秀なデザイナーによる選りすぐり作品が集まります

https://www.idesignawards.com/

https://www.idesignawards.com/winners/zoom.php?eid=9-34302-21

■タニハタオリジナルの組子シリーズ「麻の葉ちらし」について

組子「 麻の葉ちらし」は、春夏秋冬、花鳥風月にみる日本の美と自然がテーマ。
今までにない新しいタイプの装飾組子です。

2021年12月、ウッドデザイン賞2021 奨励賞受賞

International Design Awards(IDA) kumiko

タニハタの冬支度 ~ 2021年を振り返って。

12月、寒い冬がやってきました。
今年の1月は富山でも今までに経験したことがないような大雪が降り、大変な状態になりましたので、早めにいろいろな対策を行ってきました。

もちろん、CO2を発生しないことが前提のサスティナブルな設備投資を行っています。

1、EVフォークリフトの導入

今までのディーゼル式リフトから排気ガスを出さない電動式EVフォークリフトに切り替えました。
雪国富山ですので、車高が低くパワーの小さい電動式リフトの導入をためらっていましたが、コマツさんから除雪にも対応した環境型フォークリフトが販売された、ということで思い切って夏に発注。

何とか冬に間に合いました。

12月27日の降雪の際に使用しましたが、若い社員達から「静かでパワーもあるし、アームが可動するヒンジタイプで簡単に除雪ができるのでとても楽」という声がありました。排気ガスもでないので工場の中までクリーンに材木を運ぶことができます。

電動リフト 除雪 バケット EV
電動リフト 充電
天気の良い日は、工場屋根の太陽光パネルで発電した電力を充電。

2、ペレットストーブの導入
  
昨年に引き続き、今回新たに大型ペレットストーブを3台導入。(これで工場内にはペレットストーブが7台に)
昨年、CO2を発生する石油ストーブを全く使わない冬を過ごしましたが、場所により工場内に寒い場所がでてきてしまいました。

 「脱炭素」のために、社員達の体調を崩しては元も子もないので、ペレットストーブを新たに追加。

薪ストーブに比べて、安全で管理が楽なペレットストーブは増えてくると思います。

組子 ペレットストーブ 設置

3 おがくず自動投入機の導入

 ペレットストーブの原料である「ペレット」も工場内の廃材を利用してタニハタでは製作していますが
 ペレットを製作する機械<ペレタイザー>におがくずを投入する作業は、職人が一年間手作業で行っていました。

 大がかりになりましたが、自動的にペレタイザーにオガクズを投入する設備工事を行いました。
ペレット製作による職人の負担が大きく減ります。

ペレタイザー 導入 タニハタ ペレット

4 間仕切りの工事

 冬場、大きな空間の工場を暖めるのは大変なエネルギーが必要になります。
 空間を必要に応じて「仕切る」ことで無駄な空間にエネルギーを使うことなくなります。
 そんな考えの元で工場の中を透明のカーテンで6カ所仕切りました。
 職人から「寒い風が上や横から流れてくることがなくなって1~2度温度が変わった。」
 とのことです。ひとつひとつ積み重ねていきます。
 

工場 間仕切り 脱炭素
寒い日は2階から冷気が降りてきて、とても寒い木取り場でした。階段を覆うことで問題解消。

5 屋外作業用服(発熱ベスト)

 職人が屋外の材木置き場から工場内に木材を運ぶとき、雪の降る日は大変な重労働になります。
 寒さを和らげるための屋外用作業服(発熱ベスト)を導入して、木取場の職人に着てもらっています。

 当初、古参の職人は「こんな服着て仕事をやっていられるかーっ」な感じでしたが、
 温度調整も楽で(胸のボタンで調整)、お腹部分と背中部分に発熱体が付いていますので、実際に着てみると冬場の作業が苦ではなくなったようです。
 ある意味こういう製品が一番お金がかからずにエコなのかも。

 寒い建築現場で働く人達にもお薦めです。

作業服 発熱ベスト
胸のスイッチで温度を調整。

6 エアコン室外機カバー

 1月の大雪で屋外にあるエアコン室外機が埋もれてしまい、暖房が効かなくなった苦い経験を生かし、木製のエアコン室外機のカバーを職人が製作して設置しました。

 エアコン室外機の結露防止にもなっています。
 

 
  

エアコン室外機カバー 温暖化対策
木製カバーがエアコンの室外機を雪や結露から守ります。
4月~11月に発生した不良材、端材もストックして大型薪ストーブの燃料として冬場に使用します。

工場で使用する年間のエネルギーを数値化すると、やはり冬場の暖房エネルギー対策が最も重要であることがわかります。

空間を暖める方法は電力や石油などいろいろありますが、人がいない無駄な部分にエネルギーを使用しない、ということを意識することで
エネルギーの1~2割くらいは比較的簡単に節約できます。

・空間を間仕切りなどで平行、垂直に仕切り、無駄な空間にエネルギーを使用しないこと。
・暖房機器、工場設備、備品、消耗品をエコなものに見直すこと。
・水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーに切り替えて、自社でもエネルギーを作り出すこと。
・本当にそこに(その時間に)エネルギーが必要なのかどうか社員達で検討すること。
・エネルギーを数値化して可視化すること。多くの人でそれを管理すること。

小さなものづくりではありますが、少しずつでも気候変動対策を行ってまいります。

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最後に・・・・ 2021年を振り返って。

今年は当社もコロナ禍でいろいろなことがあった年ではありましたが、良いニュースもありました。


「IT」、「デザイン」、「環境」・・分野の違う3つの政府系コンペティションで賞をいただきました。

■IT・デジタル
全国中小企業クラウド実践大賞 奨励賞   (総務省:共催)

■デザイン
ウッドデザイン賞 奨励賞         (林野庁:補助事業) 

■環境
気候変動アクション環境大臣表彰      (環境省:主催)

他 公的機関からSDGs関連の認定を受けました。

■国連グローバル・コンパクト 他  SBTイニシアチブから認定取得 

■富山県 SDGs宣言企業として認定 

■富山市 <富山市で学ぶSDGs教育旅行>参加企業 



会社内で抱えている問題をどうすれば解決できるか・・・
職人達で考え、時間をかけて地道に実行してきたことの結果が今年の入賞・認定につながったと思っています。

「脱炭素」「サスティナブル」「デジタル化」は日本のみならず世界からみても大きなキーワードになっており、当社のような中小企業にとっても3つのキーワードはとても重要になってきます。


飛鳥時代から続く伝統木工技術「組子」を通じて、これからも引き続き職人達と課題解決に挑戦し、持続可能な未来に向けて道を切り開いていきたいと思っています。
そして、タニハタのみならず社会が抱えている問題を少しでも解決できるように、私達なりに考え情報発信してまいりたいと思います。
来年も精一杯精進いたします。

本年同様、変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い致します。

2022年は新しい組子製品も発売する予定です。ご期待ください。

日本最大級の環境展示会「エコプロ2021」に行ってきました。

職人3人と共に日本最大級の環境展示会「エコプロ2021」に行ってきました。
展示会の場所は東京ビッグサイト。
「気候変動アクション環境大臣表彰(環境省)」および「ウッドデザイン賞 奨励賞(林野庁補助事業)」の2つの受賞式が行われる、ということで参加してきました。


●エコプロとは?
エコプロは、毎年12月に東京ビッグサイトで開催されている環境に関する展示会で、1999年から20年以上続いています。
一般向け環境系展示会としては、国内最大規模の展示会で、2019年は14.7万人の来場者があったとのこと。

業者向け展示会と違い、学生にもわかりやすい展示内容になっており、私達が行った時も多くの学生団体(小学生~高校生)の見学者が参加されてかなり賑やかな雰囲気でした。

午前10時に入場。すでに会場は人でいっぱいです。
今回、2つの表彰式のこともあったのですが、いろいろな業者が新しい環境用設備や省エネサービスを展示している、ということで楽しみにしてきました。

まずは環境省のブースに。 TV放映されていた「日本沈没」では、小栗旬さんが環境省職員をされていましたね。

CO2の使用量を杉の木一本に換算して表すケースが増えました。

「木でできたクルマ」ナノセルロースヴィークル(NCV)のコンセプトカーです。自動車を軽量化すると、エネルギー効率が良くなり、CO₂の排出量を低減するとのこと。車内をみると「麻の葉」文様が組み込まれていました。

今年は「SDGs」の言葉が一般の方にも定着した年でもあり(流行語大賞2021にもノミネートされていました)、当社工場に見学に来られる学生も「SDGs」「環境」にどのように関わって社会に還元しているのか、という視点で見る学生が増えたと感じます。

鉄鉱石を初めて見ました。 手で持つとズシリとかなり重かったです。空き缶などは「鉄」や「アルミ」から「プラスチック」に移行しましたが、また「鉄」に戻るのでしょうか?

お米でできた歯ブラシ。消耗品にプラスチックは使用しない時代がやってきます。 他に「竹」素材の歯ブラシもありました。

木材のブースにやってきました。 子供達に国産材のことをPRされているスタッフの方達。

国産木材はまだまだ私達の周りに増えてきます。タニハタももっと国産木材のことをPRしなくては・・・

今回、ウッドデザイン賞<奨励賞>をいただきましたタニハタの麻の葉ちらしシリーズ


私自身、応募資料を書いて感じたのは、「環境への取り組み」部分の記載がかなり多かったこと。
「デザインが良い」「技法が優れている」だけでは、もう今回のような公的機関が絡むコンペでは受賞できないと感じました。

12時30分から表彰式。

ウッドデザイン賞 審査員の隈研吾氏の講演。

この日、ウッドデザイン協会の設立の発表がありました。竹中工務店さん、住友林業さんなど昔から「木」や「職人」を大切にされてきた会社の方々が役員をされます。

ウッドデザイン賞の受賞式の後、展示場の大ホールで環境省の受賞式がありました。

工場長の下屋敷が表彰台へ。環境大臣の賞状をいただきました。

組子のような小さな伝統技術も、ただ古いものを受け継ぐだけではなく、いかに環境に負荷をかけずにモノづくりを行っていくかが最優先課題になってきており、本当の意味でのサスティナブル(持続可能な)な伝統工芸をタニハタでは目指しています。


・皆で工夫して無駄な電力を使わない
・自然エネルギーを使う(水力発電由来)
・エネルギーを自社で生み出す(太陽光発電、組子の端材を利用した熱暖房)
・国産木材を使う
・プラスチック素材(消耗品)は極力使用しない

上記を引き続き意識しながら、これからも環境に負荷をかけないモノづくりを社員全員で目指してまいります。


富山工場の組子ワークショップ(2021年)は終了しました。

11月は、箕面自由学園中学校(大阪府 13名)、祇園北高等学校(広島県 40名)の2校、組子工場見学に来社されました。

・富山のモノづくりの歴史、組子や国産材の現状、会社の歴史などの説明   約30分
・組子製作体験 ワークショップ  約30分
・工場見学(組子製作を通じてSDGsの取り組み、タニハタの気候変動対策など)   約30分

合計一時間半ほどの内容です。

若い職人も仕事の合間に参加してもらい、自分の言葉で組子作業のことを説明しました。

組子製作体験 タニハタ 中学生
若い職人が組み方を丁寧に教えます。
組子製作体験 タニハタ 中学生 組み付け
日本の伝統木工技術について体験してもらいます。

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祇園北高等学校(広島県  40名)

SDGs関連 高校生 工場見学 SDGs修学旅行
40名参加は過去最高です。 工場が狭いので基本的には20名以内で予約を受けています。
SDGs関連 高校生 工場見学 組子体験
高校生はさすがに組み付けるのが早い。


SDGs関連 高校生 工場見学 気候変動対策
工場屋根にあるソーラーパネルで発電した電力を工場内で自家消費する流れを説明

富山工場の組子ワークショップ(2021年)は終了しました。

最後に・・・
祇園北高等学校 の生徒さん38名から験会の感想文が届きました。
会社経営をしていると売上や数字のことばかりに気をとられてしまいますが、やっぱり学生さんとの会話は続けていかなければなぁ・・と感想文を読んで思いました。
来年も無理しない範囲で続けていきたいと思います。

日独交流<器プロジェクト>フォーラム開催のお知らせ

 

日独交流160周年の2021年に発足した<器プロジェクト>。
住宅設計をされている内田利惠子さんが中心になり、日本とドイツの職人が中心になって国内外で活動を行っています。

・優れた日本技術や素材生産の市場を保てるようにする事。

・使い手とそれぞれの素材を生産、加工する作り手とを繋ぐこと。

上記を活動の目的としています。

今回その<器プロジェクト>のフォーラムが開催されます。

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テーマ:日独の職人、専門家などの交流・提言「職人の技・文化が持続する社会をめざして」


開催日時:2021年 12月 3日(金)
時  間:日 本 19:00~20:30 / ドイツ 11:00~12:30
参加費 :無料


プログラム 逐次通訳(日本語・英語)

1.講演:仮)日本の木造住宅とものづくり「現状と課題」(30分)
髙田光雄様(京都美術工芸大学教授・京都大学名誉教授・財団理事)

2.プロジェクト紹介:実績&メンバー紹介(30分)紹介映像とコメント

3.ディスカッション:参加メンバーによる自由討議(30分)

 

 


和室関係の専門家や手仕事を担う職人、関係者が大阪とベルリンに集い、互いに自由な議論をオンラインで行います。
富山・タニハタからも参加する予定です。

日本と同じくモノづくりの国「ドイツ」。
どんなフォーラムになるのか私も楽しみにしています。

興味のある方は下記よりお申し込みください。

https://utsuwa-project.com/event.html

 

・器プロジェクトは、EXPO公認事業(TEAM EXPO 2025)となっています。

 

 

「気候変動アクション環境大臣表彰」および「ウッドデザイン賞 奨励賞」をダブル受賞

この度、株式会社タニハタは、組子づくりを通して環境問題への取り組みが評価され「気候変動アクション環境大臣表彰(環境省)」および「ウッドデザイン賞 奨励賞(林野庁補助事業)」をダブル受賞しました。

12月8日、東京ビッグサイトで開催される日本最大級の環境イベント「エコプロ2021」にて上記2つの表彰式があり、職人と共に参加する予定です。

●気候変動アクション環境大臣表彰について

環境省では、気候変動対策推進の一環として、顕著な功績のあった個人・団体をたたえるため、「気候変動アクション環境大臣表彰」を行っています。前身の”地球温暖化防止活動環境大臣表彰”から数えて過去23回の歴史がある表彰制度です。
タニハタの活動タイトルは<伝統木工技術「組子」で取り組む気候変動対策>。
普及・促進部門(気候変動を防止する活動等)にて受賞しました。

タニハタ おがくずのペレット化
組子づくりで発生するおがくずを自社工場内でペレットにして活用。

●第7回ウッドデザイン賞について

日本では、戦後造成した人工林が本格的な利用期を迎えており、国産材の積極的な利用を促進していくことが重要です。手入れしない森林は台風や大雨の被害をうけて、土砂災害を起こしやすくなります。また、成長した木を伐採し、若木を植え育てることで森林全体のco2吸収は高まります。

ウッドデザイン賞」はそんな国産材を使い、その良さや価値を再発見できる製品や取組について、特に優れたものを評価し表彰する顕彰制度です。

審査委員長にはプロジェクト・デザイナーの赤池学氏、世界的な建築家である隈研吾氏、コミュニティデザイナーの山崎亮氏など、第一線で活躍する専門家が審査委員をつとめています。
今回タニハタオリジナルの組子「麻の葉ちらしシリーズ」がライフスタイル部門にて奨励賞(審査委員長賞)を受賞しました。

麻の葉ちらし 組子 木かげ

審査コメント
「匠の伝統技術を活かした、大断面の組子細工が美しい。18に及ぶデザインのバリエーションで、空間デザインの幅を広げてくれる。海外にも輸出できそうな日本の文化と技の表現が卓越している。」

大変ありがたいコメントをいただきました。

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タニハタの環境への取り組みについて

タニハタでは組子職人が国産木材を主材料に使い、日本の伝統工芸「組子」の技術力、デザイン力を高め、地球環境問題を意識したモノづくりを行っています。またその重要性をWEBサイトやワークショップを通じて情報発信しています。


組子製作に使用する電力は、自社工場の太陽光発電(自社消費)および水力発電「グリーン電力」を使用。
2021年の電力によるCO₂排出量は0となっています。

また、加工時に発生する端材やおがくずなどの廃材はペレットストーブ、薪ストーブの燃料に使用。
雪国の富山県ではありますが、化石燃料を使用しない暖房を行っています。

環境に対する取り組み詳細

タニハタの地球温暖化への取り組みが国連SBTイニシアチブから認定を取得(業界初)

伝統木工技術「組子」は、古くて小さな日本の技術ですが、これからも職人達と共に胸を張って「100% made in Japan」と言える組子製品を海外に届ける活動を行っていきます。

吉野杉 研修 タニハタ
奈良/吉野杉 社員研修

組子設置写真が届きました

組子の設置写真が届きました。
今年もいろいろな施設に組子を納入させていただきました。

龍吟様(日比谷)
「ミシュランガイド東京」において11年連続で三つ星として掲載されている日本料理の名店。
「千本格子欄間・市松柄」と吉祥文様の組子を集めた「枡合わせ組子」を納入させていただきました。

城見櫓様(熊本)
熊本城は別名「銀杏城」とも呼ばれ、熊本城の本丸には大きな銀杏の木が植えられています。
城見櫓様はその熊本城の前にあるお店、ということで銀杏の葉が大きく繋がったイメージで組子デザインを施しました。

HANAGATAYA様 (東京駅構内 他)
HANAGATAYA様は、JR東日本クロスステーション様が運営するセレクトショップ。
東京駅構内にあるHANAGATAYA グランスタ東京中央通路店はじめ、東京北通路、上野駅、大宮駅など
JR駅各ショップに吉祥組子を納入させていただきました。

ホテル らしく金沢 様
金沢のひがし茶屋街すぐそばに佇む「ホテルらしく金沢」様。
ホテル入り口にある<金箔を手貼りした組子>や特注デザインの天井組子など見応えのある和空間になっています。

中島大祥堂様(東京)
中島大祥堂様は「Danke」ブランドの洋菓子や「吉野のくずもち」などのヒット商品で知られる大阪の老舗菓子メーカーです。
東京大丸店のお店に組子欄間を納入させていただきました。

米島モータース 様(高岡)
伝統工芸の町「高岡市」で自動車業を生業とさせている米島モータース様。
応接室に特注デザインの組子を設置させていただきました。
タイヤのトレッドパターンをイメージした組子デザインになっております。

龍吟様



組子製作体験・見学の申し込みにつきまして

緊急事態宣言も解除されて学生(団体)さんの工場見学も増えてきました。
10月は片山学園高等学校の生徒さんと長野県筑北村立筑北小学校の生徒さんが来社。

片山学園さんの方は、高校生ということで<SDGs関連、脱炭素経営>など環境のことを中心にお話しさせていただきました。

片山学園高等学校 組子細工見学 工場
タブレットでメモをとる姿が印象的でした。
工場の屋根で発電している太陽光エネルギーや工場内で使用する電力について これからのモノづくりについて説明。



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筑北小学校(六年生)さんの方は<日本の木の話し、職人のこと>を中心にお話しをさせていただきました。

筑北小学校 組子製作
屋久杉や神代杉など2千年以上前の天板

コロナ禍で長い間、外出制限されていたからでしょうか。
組子製作体験をした生徒さんは生き生きした表情で見ているこちらも嬉しくなりました。
久しぶりに生命エネルギーをもらいました。(笑)

組子工場見学の詳細につきまして

組子職人の木工技術を向上させるために

7寸角の欅(けやき)柱材を削りました。
当社は組子製品を製作する会社ですので、普段はこんなに太い広葉樹を加工することはありません。
(杉、ヒノキは比重が軽く、また導管も素直で細かいので鉋加工しやすいのが特長です。)

欅の鉋がけは滅多にないことなので、若い職人達に鉋がけをしてもらいました。

組子職人 木工技術の向上

若い職人達の感想:

・長さ三メートル、7寸角もある堅木を削るのは初めてのことで、腕の力、体力も必要だと感じました。
手で仕上げる大変さを身をもって感じました。(入社5年目 女性)

・最初の方は削るのが難しかったですが、途中から正しい姿勢を心掛けたことにより、力が入りやすくスムーズに削れるようになりました。(入社3年目 女性)

・思った以上に柔らかく、削りやすかったです。 削る時に鉋の使い分けをして仕上げていくことが基本だと痛感しました。
良い材料を削らせてもらいました。(入社1年目 男性)

・最初は上手く削れるかどうか不安でしたが、実際にやってみると思った以上にできたことが何より自信につながりました。(入社6年目 男性)

それぞれ感想の内容が違いますが、皆、気持ちの入ったコメントで嬉しくなりました。
道具は「体」で覚えること。基本が大切ですね。


最近は機械加工も増え、目先の損得だけを考えると(経営者として)こういう時間は無駄な時間ということになります。
(削るだけで約1日かかってしまいました。。)
しかし、伝統木工技術を身につけることは損得以上に大切なこと・・と私は思っています。

職人の木工技術を向上させることは時間やお金もかかることでいろいろ大変ですが、<機械作業と手仕事>それぞれの良いところを使い分けしながら柔軟に対応できる職人になってもらいたいと心から思います。   谷端



欅 柱 組子職人
欅は、力強く美しい木目が特長。  鉋で削ると塗装したような光沢がでてきました。

組子職人の道具
50年以上前から引き継がれてきた組子用の道具。 すでに市販されていない道具も多く、タニハタの宝でもあります。

        





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