タニハタブログ Blog

組子らんまを作る会社<タニハタ>の日々の出来事、その思いをブログで綴ります。

フランスから家具職人が来社

2022年4月、「フランスで家具職人をやっています。タニハタの組子に感動しました。ぜひ工場で組子の技術を学びたい。」とメールが入りました。
昨年ドイツ、エジプト、アメリカから同様のメールをいただいたのですが、どれもスケジュールが合わず実現しませんでした。
(なぜか来日まで余裕をみていないケースが多く苦慮することが多いです。。)

今回は、タニハタ側のスケジュールに合わせる、ということで10ヶ月ほど待っていただき工場に来ていただくことになりました。

thomas_longuefosse 写真集  フランスでは特注家具を製作している木工家具職人です。

YOUは何しに日本へ? テレビ東京 組子細工 職人

鉋や鋸などの大工道具、日本の木工機械、杉やヒノキなどの木材、組子の技法など熱心に勉強していかれました。

ユーは何しに日本へ? テレビ東京 組子細工 職人

短い時間でしたが、タニハタの若い職人達とも仲良くなり最後に記念撮影。
フランスは過去三回行っていますが、また行く場所が増えました。
組子技術が世界に広がっているのを感じます。




組子動画「たて格子」アップいたしました。


たて格子はシンプルなデザインですが、その製作方法は「素組み」「貫格子」「組手腰」など多様な組み付け方法があります。
「組手腰」の技法を応用して変わった仕様の格子も製作することができます。

タニハタ YouTubeチャンネルに技法紹介動画をアップしました。

たて格子
組手腰


下記の格子は、四角い空きの部分に三ミリくらいの突出した部分がありますが、これは桟を貼り付けしたものではなく
桟を一本一本切削したもの(組手腰の応用)になります。
通常の格子に比べて表情にメリハリがでて高級感がでます。

ホテル 京都リッツカールトン様の建具にこの技法が使用されています。

手の込んだ木工技術にはそれだけの価値があり、後世に残すべきものとタニハタでは考えています。
これからもタニハタでは日本の伝統技術を紹介していきたいと思います。

海外のお客様との取り組みにつきまして

富山本社にイスラエルから来客がありました。
北陸の職人の工房を見学してまわっておられるとのことで、事前に当社にも連絡が入りお越し頂きました。

工場では「組子」についてとても熱心に聞いてこられ、組子のことを何度も「とても美しい」「素晴らしい!」と言っていただき、こちらも返答に熱が入りました。

コロナ感染者数はなかなか減る様子がありませんが、
先日のニュースで、政府はインバウンドの年間消費額5兆円の達成を目指すとのこと。

当社の海外訪問者数も来年はコロナ前に戻る予感がします。
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ところで今年は海外の方と連携して組子に関するイベントを数多く行いました。


●ドイツ ベルリン 

『“仕口”が繋ぐ日独職人の仕事展』
タニハタの職人 城広明が参加しています。

(現在開催中です。 11月25日まで)

https://www.sankei.com/pressrelease/prtimes


●フランス パリ 

まだ知られざる日本の職人たち– 展示会

2022年11月10日〜13日

https://www.clairparis.org/ja/clair-paris-blog-jp



4年前にパリにある「日仏会館」にタニハタの組子を納入設置させていただきました。
その頃に設置した組子がまだ使用されているようです。

●オーストラリア シドニー  2022年8月

シドニーの紀伊国屋書店さんのギャラリーでSimply Nativeさんの展示会「The Handcrafted Home」が一ヶ月開催されました。



●アメリカ ニューヨーク  2022年5月~6月

ニューヨークのブルックリンにあるIndustry City Japan VillageでIppin ProjectさんのPop-Upショップが開催されました。



引き続き来年も海外に向けて組子の素晴らしさを発信してまいりたいと思います。

<在インド日本国大使館> に美術組子を納入

インド ニューデリーにある在インド日本国大使館 に美術組子を納入させていただきました。

2019年4月 最初のお問い合わせをいただいてから約3年半の時間を要しましたが、私にとってもタニハタにとっても、
いろいろな意味で本当に有り難い、記憶に残る仕事となりました。


インドと日本両国の協調と繁栄、平和を祈念して製作いたしました。

在インド日本国大使館 美術組子 オリジナル組子

作品のコンセプト  photo galleryページへ

名古屋研修旅行に行ってきました

タニハタの社員達で名古屋研修旅行に行ってきました。
今回、男性3名女性1名が参加できずで、総計18名の人数での旅行となりました。

前回の吉野杉研修(日帰り)から2年ぶり、宿泊研修ではシンガポール以来で3年ぶりになります。

名古屋は歴史とモノづくりの都市ということで、見所満載で大変勉強になった研修旅行になりました。

【名古屋城 本丸御殿】

まずは名古屋城 本丸御殿。
本物の本丸御殿は、戦災で燃えてしまい、平成21年から約10年にわたって復元工事が行われたとのことです。
(現在も天守閣など工事が続いています。)

タニハタ 研修 名古屋城

華やかな欄間や襖絵、天井格子・・・そして木曽ヒノキ材の建具が惜しげもなく使用されており、名古屋らしく「絢爛豪華」の一言。

私は、仕事に関係している木製建具・・・ネジ組みや組手越しの木工技法を使ったや障子や襖、欄間に目を引かれました。
(というか職人達も職業柄、そこばかり見ているぞ。。)

城中に使われているヒノキは柾目が細かく真っすぐに通った上質なもので、どれだけの時間をかけてこれだけの材料を確保したのだろう・・・
ここの製作に関わった林業、製材業、建築関係の仕事をされている方達の仕事ぶりに思いを馳せました。

昔、法隆寺の宮大工棟梁だった西岡 常一さんが、仕事がない時期でも「民間の建築仕事は仕事の腕が落ちるからやらない」
と家族の生活を犠牲にして自分の仕事を貫く姿に「自分だったらどうだろう。。」と考えたことがありました。

名古屋城に使用された調度品や内装材の仕事をみて、ふとそんなことばかり頭に浮かびました。

【トヨタ産業技術記念館】


建物の規模、構造、展示などスケールはもちろん内容の奥深さと全てにおいてさすが世界のトヨタだと圧巻されました。
年間パスが設けてあるのも納得で、改めて時間をかけてゆっくり訪れてみたいと思いました。
正直、機械の仕組みなどはよく分かりませんでしたが【研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし】という豊田佐吉の精進が技術の発展という形で受け継がれていることを素直に感動しました。

組子製作においても常識にとらわれない独創的な発想や研究は、より高みを目指すためにとても大切なこと、ものづくりの根幹をみる思いがしました。


【カゴメビル】

大手食品メーカー カゴメ様のカゴメビルに納入した組子を見にいきました。
入口入ってすぐの真正面に組子を設置していただいており、会社の第一印象になる大切な場所に設置していただけたことが本当にありがたいことだと思いました。
私達が時間をかけて製作した組子を実際に見ることができ、改めて心を込めたモノづくりを続けていきたいと思いました。

【ノリタケの森】
絵画は額含めて楽しむものだと、以前パリのルーブル美術館で強く思いましたが、料理は皿ごと楽しむものだと、ノリタケの森で学びました。
最近は、当社の組子も高級レストランで使用されることが増えましたが、それも料理の延長線上にあるのだなぁ・・と改めて感じました。
料理に恥じない仕事をしなくては。。

【熱田神宮】
2日目の朝は神宮参り。天気も良くスカッと気持ち良かったです。心が洗われた感じがしました。

熱田神宮は、日本の神様「天照大神」から授けられた三種の神器「鏡(伊勢神宮)玉(皇居)剣」のうちの一つ、「草薙御剣」が祀られています。
1900年前の日本の天皇一族の伝説からつくられた神宮で、国宝級の宝物が数多く納められているとのこと。

草薙館では刀を実際に持つことができるブースがあったので、体験してみました。
8kgと10kgのかなり長い刀は両手で持ち上げても中々持ち上がらず・・・

織田信長が桶狭間の戦いに勝利したことによって立てさせた塀が今でも熱田神宮の中に残っていました。

名古屋市の中心にあると思えない深い森で、幹周り8m、高さは20mの樹齢1000年楠のご神木もありました。

【美濃和紙会館】

1300年以上の歴史のある岐阜の美濃和紙は2014年、ユネスコ無形文化遺産になりました。
関ケ原の戦の際、徳川家康公が軍勢を指揮するときに使用した「采配」は、美濃和紙で作られおり、合戦で勝利した家康公は、美濃和紙を縁起物として江戸幕府の御用紙としたとのことです。

美濃和紙会館は、そんな美濃和紙の歴史や技術、和紙の素晴らしさを知ることができる建物です。

組子と紙は相性も良く、セットで使用されることが多い素材でもあります。

ということで職人達で和紙づくりに挑戦してみました。

和紙の作り方
原料:楮(こうぞ) トロロアオイ 綺麗な水

※和紙を漉くときに、楮の繊維の広がりを均一にするために、トロロアオイの根から採れるトロトロの粘液が使われます。

楮を窯で煮る→水洗い・塵取り→打解→とろみのついた水を混ぜる→和紙漉き作業→干す の流れです。

これらの作業をすべて行うと、その日のうちに富山に帰れなくなりますので(!?)作業を短縮した体験になります。



職員の方にサポートしていただき、何とか完成。。

紙のすき方のコツがなかなかつかめず、上手くできるまで再挑戦したいと思いました。

タニハタでも学生団体向けに組子製作体験を行っておりますが、この和紙体験はいろいろ工夫されており、参考になることが多かったです。

素晴らしい体験でした。感謝。

【豊志海館】

実は、今回の研修旅行で一番楽しみにしていたのは名古屋市にある「豊志海館」でした。

ここは、トヨタグループの創始者「豊田佐吉氏」を支えた大番頭「西川秋次氏」の邸宅を改装し、トヨタグループの迎賓館へ改装した建物です。
この建物に4年前、タニハタの美術組子を納入させていただきました。

一番メインとなる場所に設置させていただいたのですが、世界各国の賓客、要人をおもてなしするため、セキュリティが大変厳しく、私達のような納入業者でも気軽に入れる場所ではなく、見学は無理とあきらめていました。

トヨタ様の好意で「平日ならば見学可能」ということで入館させていただきました。

施設の印象はとても上品で全てが素晴らしく、組子を美しく見せる為にはこれ以上ない空間になっており、職人冥利につきる現場となっていました。


今回ご紹介した上記の場所以外にも、取引している業者様の工場やホテルなどいろいろな場所を見学いたしました。
コロナ禍で最後まで迷った研修旅行でしたが、予定を組んで本当に良かったと思いました。

今回の研修旅行で学んだことを、これからの組子づくりに生かしていきたいと思います。


メディアで取り上げていただきました。

様々なメディアでタニハタを取り上げていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。

●書籍名「北陸経済研究」

一般財団法人 北陸経済研究所は、北陸銀行が企業経営の指導事業を行うことを目的として昭和53年3月に設立した研究組織です。

ここが発刊する機関誌「北陸経済研究 11月号 チャレンジ特集」にタニハタのIT、デザイン、環境への取り組みを取り上げていただきました。

●書籍名「INTEC TODAY」

IT企業の株式会社インテックが発行する広報誌「INTEC TODAY 第13号 富山のイノベーター特集」にてタニハタを取り上げていただきました。

●書籍名「家づくりナビ」

家づくりのための情報サイト「家づくりナビ 秋号」にて、下屋敷工場長の仕事に対する思いを取り上げていただきました。

●北日本新聞 様

富山市SDGsニュース「木材を使う会社ならではの環境の取り組み」としてタニハタを取り上げていただきました。


●イノベーター・ジャパン様

デザイン会社株式会社イノベーター・ジャパン様のサイトで同社が提供するクラウドサービス「tenpu」のことをお話しさせていただきました。

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最近の傾向として「環境問題への取り組み」を聞かれることが多くなりました。
組子を通じてできることは限られますが、当社なりに考えて実行していきたいと思っております。
これからも皆様よろしくお願いいたします。

記事に関する内容、その他組子製品に関するご質問・ご要望がございましたら、お気軽に弊社までご連絡くださいませ。

組子の製作体験 (10月)

今週は、高校二校、公益法人一社 合計3団体様が組子のワークショップに来社されました。

東京・両国にある「安田学園高校」様

組子細工ワークショップ タニハタ 富山工場

自然エネルギーを使ったモノづくりについてお話しさせていただきました。

組子細工ワークショップ タニハタ 富山工場 安田学園高校様

日本人が好きな国産ヒノキを材料にした組子(胡麻文様)を組み上げていきます。

組子細工ワークショップ タニハタ 富山工場 職人

タニハタの若い社員達が中心になって、組子製作のポイントを説明します。

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富山第一高等学校様 23名 来社されました。

組子細工ワークショップ タニハタ 富山

職人がカンナを使って桟を切削するところを見てもらいました。

組子細工ワークショップ タニハタ 富山工場 銘木見学

樹齢2000年の屋久杉、2500年前の神代杉など日本人が大切にしてきた銘木についていろいろお話しさせていただきした。

組子細工ワークショップ タニハタ 富山工場 富山第一高校様

人数が多いと工場内もパッと賑やかな雰囲気になりますね。

上記の高校二校は工場まで徒歩で来社されて、極力自動車を使わずに自分達の足で行動する、ということを実践されていました。
恐れ入ります。。

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公益社団法人 石油学会様

組子細工ワークショップ タニハタ 富山工場 石油学会様

タニハタでは、電力を含めて<石油を使用しないものづくり>に切り替えしております。
そのあたりの取り組みをお話しさせていただきました。(団体様名を聞いて少し恐縮しました。。)

組子細工ワークショップ タニハタ 富山工場 SDGs

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最近はSDGsや環境に関する情報収集を目的に来社される団体様が多くなりました。
私達も一方的にお話しをするのではなく、世代や業種を超えた方達と環境に関する情報を交換することで、とても勉強になっています。
年末に向けてかなり組子仕事が混み合っていますが、少しずつ続けていきたいと思います。

富山県防災危機管理センターに美術組子を設置

富山県庁の敷地内に完成した<富山県防災危機管理センター>に美術組子を設置させていただきました。
今回は和紙作家の川原隆邦氏とのコラボ作品となりました。

立山連峰から日本海に流れ出る富山の急流河川をイメージしてデザインを施しました。
ご覧頂ければ幸いです。

富山県防災危機管理センター 組子細工 富山県庁
詳細
フォトギャラリー 富山県防災危機管理センター

組子技法の紹介を始めました。

タニハタでは、引き継がれてきた昔ながらの技法を若い職人に伝えていくためにその方法を動画で残しています。
この度、一般の方にその技法を知っていただくために、その動画の一部を公開することにいたしました。
技法の他に日本の木の特徴や意匠についても公開していく予定です。

組子の世界も「価格優先」「納期優先」という経済的な観点から、手の込んだ技法や意匠が敬遠される傾向が強くなり、
昔ながらの良いものが少しずつ消えていっています。
日本人が長い時間かけて培ってきた伝統木工技術「組子」。その全てを残すことは難しいかもしれませんが、
その素晴らしさを一人でも多くの方に知っていただくために、少しずつではありますが、進めていきたいと思います。

今回は籠目文様の組み方 (4つ) ご紹介いたします。

上記は「面取り加工した籠目文様」製作動画で高度な木工技術になります。
続きは、動画ページでご覧ください。
海外の方にも「組子」について知っていただきたく、英文表記しています。


昭和20年代の頃から集めた古い組子細工の書籍。 こういう古い本が当社の技術の源になっています。
仕事の提案で困ったときは、本当に頼りになります。

滅多に製作しない手の込んだ文様見本や今までにない新しい文様など。 いろいろな部分に工夫のあとが見られます。
60年以上前に製作したものもあります。

前代の職人達が残してくれた古い大工道具達。 使い切れないほどの数なので一部を工場内で展示しています。

組子設置写真が届きました。

組子の設置写真が届きました。
今年も日本全国、多種多様な空間に組子を設置させていただきました。

当社オリジナルの組子「麻の葉ちらし」シリーズの納入も増えてきました。
来年は、新シリーズも発売する予定です。
これからも組子の可能性に挑戦していきたいと思います。



カゴメビル(名古屋)

大手食品メーカー カゴメ様のカゴメビルが2022年6月竣工しました。

カゴメ様の社名の由来は、トマトを収穫する際の「籠(かご)目」文様からきており、
今回のビルの内外装にもそのモチーフが多用されています。
籠目文様は、組子細工でも定番デザインのひとつでもあり、カゴメビルに相応しい
手の込んだ特注デザインで製作させていただきました。

ヴィオス山科音羽マナーズ別邸(京都)

京都の「和の美学」をより進化させた都市型マンション「ヴィオス山科音羽マナーズ別邸」。

エントランスに組子「麻の葉文様 大柄」を設置させていただきました。
和の美意識を追求した世界観が広がります。


マークスギャザウェイ社様 (大阪)

株式会社Marks Gatherway様は世界で自動車の座席シートを製造する東洋シートグループの親会社。
大阪市北区西天満にあるオフィスに9枚に分割した「麻の葉ちらし」を納入させていただきました。
可動式の組子パーテーションとして緩やかに空間をつなぐインテリアになっております。

club蓮 (六本木) 様

2014年、錦糸町のCLUB連 様に桝あわせ組子を納入させていただきました。
今回、新たに六本木店にも納入させていただきました。
当社の組子以外に富山県の伝統工芸・・・武蔵川工房様(螺鈿)やモメンタムファクトリー・Orii様(銅板)
の内装材も使って施工されたとのこと。富山県の会社として嬉しい限りです。


電光石火(銀座)様

広島で根強い人気を誇るお好み焼き店「電光石火」様の東京二号店が銀座にオープンしました。
タニハタオリジナルの組子「麻の葉/ちぎれ雲」を納入させていただきました。
重厚感のある落ち着いた店内となっています。


団体様向けのワークショップにつきまして。

団体様向け組子のワークショップが続いています。
工場の製作工程がかなり詰まっており、職人が工場から出てワークショップを行うことは
難しいのですが、工場内ならば移動時間もなく仕事の合間に参加できます。
最近はコンスタントに月 2~3件の団体さんが富山工場に来社されるようになりました。

当社としてもこれくらいのペースが理想的で、職人達に無理が掛からない程度にお受けしております。
若い社員、職人達に勉強がてら話してもらっています。


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片山学園高等学校様

昨年に続いて、今年も来社されました。
組子のこと、木のこと、富山のモノづくりのこと、エネルギーのこと・・・
業界や社会が今抱えている問題も含めてお話しします。
若い人達に富山の未来を切り開いてもらいたい・・・
そんな気持ちでお話しさせていただきます。

丁寧に組子の製作方法を教えます。
太陽光や水力発電など自然エネルギーでのモノづくりについて説明します。

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日本建築家協会 富山支部様

建築士の方達ですので、「伝える」というより「業界の情報を教えていただく」
という気持ちでご案内させていただきました。
気付きをもらうことも多く、大変勉強になります。

内閣総理大臣賞受賞の書院障子などを展示しています。
2500年前の神代杉、神代欅、秋田杉や日光杉、屋久杉など市場に出回っていない日本が誇る銘木も展示。

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JR東日本様の特別イベントに協賛させていただきました。
JR長野駅にあります<駅たびコンシェルジュ長野>で、【組子製作体験会】が行われました。

オンラインで組子の組み方を説明させていただきました。

※ワークショップの予約申込みはこちらを参考ください。

※5月に来社された大阪府枚方市立招堤北中学校の生徒さんから工場見学の感想文が届きました。
久しぶりに温かい手書きの文章を読んだ気がしました。
皆様に感謝申し上げます。

工場に二重窓を設置しました

冬場のエネルギー対策として工場の既存の窓(内側)に二重窓を取り付けしました。

木材の搬入時シャッターの開け閉めをするため木取り場の冬はかなり寒くなります。
昨年はペレットストーブを追加して2台にしたのですが、雪が積もる時期(一月、二月)の午前はかなり冷え込みました。

そこで今年の冬の断熱対策としてYKKapさんのプラマードU(Low-Eタイプ)を取り付け。

(事務所の窓は、既存のガラスからペアガラスに取り替えいたしました。)

この製品は、既存の窓はそのままで部屋側にガラスを設置して断熱をする、という窓になります。
窓工事というと大変なイメージがありますが、既存の窓をそのまま生かしますのでコストも安く、
ガラスの種類も予算に合わせていろいろ選べる、という大変優れた省エネ製品になります。

資源エネルギー庁によると・・・

・家の中から冬の暖房が<外に逃げる割合>として「窓」が58%を占め、
・同じく夏の冷房時、<外から熱が入る割合>として「窓」が73%を占めるとのこと。

うちのような小さな工場は、エネルギー対策でまずすべきことは「窓」対策なのかもしれません。

プラマードUを設置することで、 窓からの熱の出入りを抑え、空間を断熱・遮熱化することができます。
夏・冬 少ないエネルギーで冷暖することで、温暖化ガスCO2の削減に貢献し、電気代の節約も可能になります。(なるはず?)
どれくらいの効果があるのか・・・またブログ等で発信していきたいと思います。

今年の冬は世界中でエネルギー問題がクローズアップしてきそうな雰囲気ですが、タニハタでは、工場内のエネルギーロスを減らし、地球温暖化対策を進めていきます。



既存のガラスが1枚とペアガラスが2枚で合計3枚・・・どれだけの省エネ効果があるのでしょうか。

木材研究所との勉強会

富山県農林水産総合技術センター 木材研究所から職員の方に来ていただき、木材についての勉強会を開催しました。

普段、職人達が木材について疑問に思っていることを事前にまとめ提出し、過去の研究結果や学術資料を元に詳しく説明していただきました。

例えば・・・

Q 「一本の木材は、どのような力に対して強いのか?」

A 縦引張 >曲げ  >縦圧縮  >縦せん断

Q 「なぜ木材にあて材(製品になった後も曲がりやすい部分)がでてくるのか?」

A 幹などが傾斜すると元の位置に戻ろうとする力が働き、その時に傾斜した幹の内側にあて部分が発生する。
  傾斜地以外に雪が多く降る地域は、幹に荷重がかかるためにアテ材が発生しやすい。

 
他 
・天然乾燥材と人工乾燥材の違いについて・・加工の際に気をつけること
・水平に木材を乾燥させるのと垂直に乾燥させるのでは(木にとって)どちらが良いのか?

・木を曲げる加工方法 いろいろ知りたい

など若い職人達から山ほどの質問がでて「普段から木についていろいろ疑問を抱えているんだなぁ・・やって良かった。。」と思った次第です。

木材の専門家の方から詳細なアドバイスをいただき、本当に参考になりました。

私達も木材加工のプロとして、もっとたくさんの勉強をして少しでもお客様に喜ばれる組子製品を作っていきたいと思います。




富山県農林水産総合技術センター 木材研究所は、昭和44年に開設した富山県の公的試験機関。木材の加工、利用技術の高度化に関する研究をしている木材研究所です。

施設内には、木材を試験、研究するための多くの機械や設備があります。タニハタでは過去に組子や木材の強度に関する試験などを依頼しています。

イベント開催のお知らせ

イベント開催のお知らせ

9月1日、9月2日 タニハタではJR東日本の特別イベントに協賛させていただきます。
JR長野駅にあります<駅たびコンシェルジュ長野>で、【組子製作体験会】が行われます。
ご希望の方に胡麻柄文様のミニ組子を製作していただきます。長野県ですので材料はもちろんヒノキ材!
長野にお住まいの方は、ぜひご参加ください。

●JR東日本びゅうツーリズム&セールス創業30周年記念イベント 
 檜材組子 胡麻柄文様 コースター作り

【開催日時】
 2022年9月1日(木) 10:00~11:00、15:15~16:15
 2022年9月2日(金) 13:00~14:00、15:00~16:00

【開催場所】駅たびコンシェルジュ長野(JR長野駅「みどりの窓口」隣)

【参加費用】1,000円(税込)

https://twitter.com/andtrip_/status/1559458692441030656

https://coubic.com/ekikon/823247


※2年前、タニハタの組子が北陸新幹線のポスターに使用されたご縁でイベントが実現いたしました。

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オンライン講演のお知らせ

海外からの組子製品の注文が増えております。
5年前、ドイツのiFデザインアワードで最高賞の金賞を受賞したことが大きな転機になっています。
今回受賞したときのエピソードをオンラインでお話しさせていただくことになりました。
海外販売に興味を持たれている方はぜひご参加ください。

~ iF DESIGN AWARDの魅力に迫る  

日  時:2022年8月31日(水)10:00~11:00
開催方法:Zoomミーティング(無料)
申込方法:下記URLからお申込みください。(事前予約制 8月31日 9:00 締切)

https://kidsdesign.jp/news/20220816


※日本のキッズデザイン協議会とドイツのiF International Forum Design GmbHがパートナーシップ連携された
ことを記念して今回のイベントが実現いたしました。

主催は特定非営利活動法人キッズデザイン協議会様となります。

iF DESIGN AWARD とは1953年にドイツで誕生した世界で最も歴史の長いデザインアワード。
世界60カ国から1万点を超える応募がある国際デザインコンペティションです。




学生の組子製作体験(7月)

7月は富山県内外から中学校と高校 二校の工場見学がありました。
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7月5日、富山北部高校から11名の学生さんが来社されました。
組子の歴史についての講演(30分)、組子製作体験(30分)、工場見学(30分) 1時間30分のフルコースとなりました。


組子のデザインについて 

組子細工 製作体験
脱炭素の取り組みについて  工場内で無駄な電力を極力使用しないことなど事例をあげて説明させていただきました。
国産木材の端材やおがくずなどの有効活用について

生徒さんからは、「環境問題」についての質問も多く、当社としても大変勉強になりました。
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7月25日は、お隣の新潟県から糸魚川市立糸魚川東中学校20名の生徒さんが来社されました。

組子製作に関心をもつ生徒さんが多く、職人達も熱心に組子細工のことについて教えていました。

コロナ感染者がまた増加する傾向にありますが、こんな時こそ学生さんには、家の中ではできない体験をしてもらいたいと思っています。
ヒノキの香りや質感、組子製作の際にでる音や組み付けの達成感など、五感を使って行うモノづくりの素晴らしさを知ってもらいたいと思っています。
時間のやり繰りが大変ではありますが、これからも学生さん向けのワークショップを続けていきたいと思っています。

組子用木材の仕入れに行ってきました。

木材が入手しにくい状況が続いています。
今年の春、産地の競りに参加してかなりの量を確保しましたが、昨今の木材不足の状況を考えるとちょっと落ち着かず・・・
再度、組子用ヒノキ、杉材の仕入れに行ってきました。

今回は、競りを体験したことがない若手職人5名とベテラン1名 合計7名で参加。

組子細工用の木材 ヒノキ 杉

朝9時に到着。すでにたくさんの人で賑わっていました。

ヒノキ産地 組子欄間用

ヒノキの産地ですので倉庫にヒノキが山ほど積まれていますが、組子に向いたグレードはほんのわずか・・。



木材の選別方法 タニハタ

自分達の競りが始まるまで、若い職人に良い木材の見極め方を教えます。
若い職人は普段木取り場から回ってくる「一番良い状態のヒノキ」から加工を始めるので、それが当たり前と思っています。
「良いヒノキ材を確保するのは大変なこと」ということを一本一本、木材の状態を確認しながら説明します。

組子職人 研修

とろとろの最高級のヒノキ材。。幸せな気分になります。


今回も組子に使用する最高級の組子用ヒノキ、杉材をたくさん競り落としてきました。競り落とした木材は、充分乾燥させた後、来年使用します。

木材のみならず、いろいろな資材、エネルギーが値上がりする傾向ではありますが、タニハタでは来年の3月受注分までは組子製品の値上げは行いません。 こんな社会情勢ですが、最高級の木材の状態でお届けします。
タニハタの組子製品を検討されている方は安心してご注文いただければと思います。

秋にまた仕入れに行ってくる予定です。

組子の強度試験結果

組子桟の強度試験を富山県農林水産総合技術センターにて実施しました。
実験はシンプルなもので「麻の葉文様」の葉っぱ交差部分に直径13ミリの芯棒を上から少しずつ力をかけて押し込みします。
(一分間に1ミリのスピード)

交差部分(麻の葉組子が一番弱い部分)が破損した段階で試験は終了で、何キロの荷重に耐えられるか数字を出します。

試験品:<麻の葉文様> 標準柄  大柄
木材:ヒノキ材  (すべて同じ丸太材のものを使用)
製作者:タニハタ 下屋敷工場長



●標準柄

A タニハタオリジナル接着剤
B 木工ボンド(市販品)
C 接着剤なし

●大柄(標準柄の二倍ピッチ)

D タニハタオリジナル接着剤
E 木工ボンド(市販品)
F 接着剤なし

合計六点の試験品を用意して実験しました。(上写真 見た目すべて同じです)





上から少しずつ荷重を加えます。
破損した段階で試験を止めます。 上写真は、組子の裏側の状況になります。 破損した部分(矢印部分)に剥離、隙などが見られます。

実験の結果・・・

●標準柄
A 19.4 kgf  タニハタオリジナル接着剤
B  16.9     木工ボンド(市販品)
C  9.6      接着剤なし

●大柄
D  14.7     タニハタオリジナル接着剤
E   9.5     木工ボンド(市販品)
F   4.7     接着剤なし

Aの組子が一番強度があり(約19キロ)、Fの組子が一番弱い(約5キロ)ということがわかりました。
数値化するとよくわかります。

意外だったのは、<桟の太い大柄の方>が弱いという結果になったこと。
また、DとEでは強度差が50%もの差がありました。
接着剤の違いによっても大きな差がでたということがわかりました。

「組子の強度はどれくらいあるの?」と聞かれることがあり、今回の実験を行いました。

組子細工は、見た目は同じようなものでも、製作する職人(マス目、葉っぱの精度)、接着剤の種類、樹種、木材の乾燥具合により、組子の強度や耐久性に大きな差がでてきます。

最近は、不特定多数の人が出入りする商業施設に大判サイズの組子を設置することが増えました。繊細さが特長の組子細工ですが、強度、耐久性、安全性が求められることも多くなりました。
組子細工は、設置してから数十年~数百年の長期間使っていただくもの。
お客様にいつまでも安心してご使用いただくためにタニハタではこれからも公的試験場でテストを行い、その結果を公表していきます。

●昨年は、接着剤の化学物質検査を行いました。





ご希望の方に試験成績書をお送りします。

富山県農林水産総合技術センター 木材研究所は、昭和44年に開設した富山県の公的試験機関です。
木材の加工、利用技術の高度化に関する研究をしている木材研究所です。
タニハタでは、組子や木材の強度に関する試験などを依頼しています。

建築雑誌「コンフォルト」掲載

建築雑誌「コンフォルト 186号」にタニハタの組子が掲載されました。

今回の特集テーマは「気持ちいいサステナブル」。
建築・インテリア業界でも「それがサステナブルかどうか」を考えることは避けて通れない課題となってきました。

タニハタは2011年からエネルギー、環境問題に取り組み、昨年は環境省から「気候変動アクション環境大臣表彰」を受賞。
今回コンフォルトにも「サステナブル特集」で大きく取り上げていただき、環境への取り組みを評価していただくことは何より嬉しく思います。

当社以外にも環境に配慮したサスティナブル建材が掲載されており大変参考になります。

DLTパネル、自然素材の塗り壁材、高リサイクル率タイル、人工木デッキ材、リサイクル素材タイルカーペット、もみ殻・リサイクル材入り壁紙、アブラヤシ廃材の木質ボード、小枝や樹皮の鉢カバー、ステンレスのサニタリーアクセサリー。

誌面からは、SDGsを意識したコンフォルト編集部の真剣度が伝わってきます。


オンラインイベントも開催されるようです。

■茅葺き職人・相良育弥さんに聞く「古くて新しい『茅葺き』のしごと」

開催日時:2022年7月11日(月)19:00-20:30
開催場所:コンフォルト編集部(アイシオール)
視聴料:無料

下記から参加申込み可能です。
https://confortmag.net/20220701_186_talkevent/

興味がある方はぜひご参加ください。











組子ショールーム(東京、大阪)リニューアル

東京、大阪ショールームのリニューアルが終了しました。
昨年12月に改装する予定でしたが、昨年8月より受注が増えて展示品を製作する時間がなかなかとれない状況が続いていました。。
今の時期を逃すとまた来年になってしまう・・ということで一念発起、6月初旬から職人を総動員して展示品製作を行い、何とか無事終えることができました。


東京ショールーム リニューアルの様子

タニハタ 組子東京ショールーム
タニハタ 組子東京ショールーム リニューアル



大阪ショールーム リニューアル工事の様子

タニハタ 組子大阪ショールーム

今回のリニューアルは、タニハタオリジナルの組子「麻の葉ちらし」シリーズの製品を中心に展示いたしました。
東京と大阪は予約不要ですので、皆様お気軽にお立ち寄りください。(富山工場は事前予約必要です。)

東京
https://www.tanihata.co.jp/contents/gallery/post_1768/

大阪
https://www.tanihata.co.jp/contents/gallery/osaka-showroom/

■東京・大阪ショールーム リニューアル記念品としてタニハタのミニ組子(麻の葉 ヒノキ材)を贈呈中。
(東京、大阪 各50個用意させていただきました。)
アンケートが前提になりますので、ミニ組子をご希望の方はショールームのスタッフまでお声がけください。

富山市の森林と林業の現状

富山市役所 森林政策課の職員の方から 「富山市」の森林と林業の現状についてお話しを伺いました。

富山市の森林および林業の現状 組子勉強会

話しをまとめると・・・

富山市の土地面積は124,174haですが、そのうちの70%が森林。その森林面積の51%が私有林で公有林は16%しかありません。

私有林の所有構造が小規模で、例えばひとつの山に多くの所有者がいると、山から木を切り出して搬出しようにも所有者が多く、全ての人の意志が確認できない(所在地が不明、境界がわからないなど)・・・
その結果、山で間伐した木を里まで搬出しようにもできない、という状況のようです。

この小規模の所有者の方達をまとめて、施業を一括して実施することが今最も重要、とのことでした。

植林から50年以上経過し、伐採期になっている木も多いのですが(65%が伐採期をむかえた木)
山間地の過疎化、高齢化により、里山林が適正に管理できない、というのが実情です。

林業従事者の数は100人にも満たず、また、平均給与は343万円・・です。
怪我が多い職種でもあり、他の産業と比べて約10倍の死傷者数とのこと。(これは全国的に同じ傾向)

タニハタでも富山産の杉材を購入することが多いですが、その木材は、大変な仕事で切り出されて私達の手元にやってきます。

本当に感謝しなくてはなりませんね。。

私達は国産木材を使う「組子屋」ですが、案外自分達の住んでいるまわりの森林や林業の詳細のこととなると知らないことも多く、今回かなり突っ込んだお話しを聞くことができとても勉強になりました。


地球温暖化の観点から・・
二酸化炭素を吸収する木を切ることは地球にとって良くないことでは?・・・と聞かれることも多いですが、木も人間と同じ様に、若い元気なうちは木も二酸化炭素を吸収しますが、年数が経過すると成長スピードが遅くなり、(二酸化炭素を吸収しなくなり、)逆に二酸化炭素を排出するようになります。

私達「組子屋」ができることは、伐採期をむかえた国産木材を買い、付加価値の高い製品を作り、組子製品(国産木材)の素晴らしさを一人でも多くの方に知っていただくこと。
使用する木材は大切に使い、端材までも無駄なく使用すること。 微力ではありますが、少しでも日本の林業に活力がでてくるようにしなくてはなりません。

脱炭素社会の実現のためには、循環型資源である国産木材を積極的に活用していくことがとても重要になってきています。

タニハタでは、これからも「木」に関する勉強会を職人達と続けていきたいと思います。

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