タニハタブログ Blog

組子らんまを作る会社<タニハタ>の日々の出来事、その思いをブログで綴ります。

森を育てる伐採-動画をアップしました

今年の7月、岐阜県の東濃ひのきの森に行ってきました。
その時のひのき伐採の様子を撮影し、オンライン動画としてアップいたしました。

500年近く続いている森を次の世代に繋いでいくにはどうすればいいのか・・
組子屋としてできることは限られますが、木材の素晴らしさ、林業の大変さ、木の持つ重要性を一人でも多くの方に知っていただけるよう世界に向けて発信すること。
これからも続けていきたいと思います。

森を育てる伐採 外部リンクへ
https://www.youtube.com/watch?v=KO24jgEks8Y


組子の製作体験(9月)

9月3日
BOJ株式会社様主催のFAMトリップで工場に来社いただきました。

今回はスマホスタンド製作を体験していただきました。初めてとは思えないほど、皆さん見事に美しく仕上げてくださいました。

終始和やかにご見学いただき、私どももご対応を通じて心温まる時間を共有させていただきました。今後は、海外からのお客様とのご縁を繋いでいただける機会を心待ちにしております。

9月4日
「氷見古材レスキュープロジェクト」に参加している通信制高校の学校法人青池学園AOIKE高等学校の生徒様と先生方がご来社され、9月23日(火)〜 9月29日(月)の7日間、大阪・関西万博会場内フューチャーライフヴィレッジ(FLV)にて展示される組子を弊社の職人とともに製作していただきました。

「氷見古材レスキュープロジェクト」は、2024年1月1日に発生した能登半島地震で被災した家屋から使える木材をレスキューし、文化資源として新しい命を吹き込む取り組みです。氷見古材ノットワーク様が「失われていく暮らしの記憶を残したい」という思いのもと活動を続けておられます。今回展示する組子は、その活動を通じて救い出された被災古材を素材とし、「日本の秋といのち」をテーマにしています。4つの伝統文様を組み合わせたデザインは、古材に宿る歴史と、新たに紡がれる未来を象徴しています。

今回参加された生徒様は、解体される蔵から材を取り出す活動にも参加されたそうです。組子製作にもご協力いただいたことで、自らの手で救済した古材が新たな作品に姿を変える過程を体験していただきました。

初めは、慣れない道具を用いながら行う細かな作業に、皆さん苦戦しておられる様子が見られました。ただ、職人のサポートを受けながら作業を続けるうちに、スピードもどんどん上がっていき、生徒様の中には職人も驚くほどのスピードでパーツを組まれている方もいらっしゃったほどです。

この組子は職人が仕上げを行い、大阪万博で林野庁のブースで展示されました。弊社としても、このような意義あるプロジェクトに参画し、伝統技術の継承とともに震災の記憶を未来へとつなぐ一端を担えたことを、大変誇りに思います。

9月8日
TEAM TRAVEL KURAMOTO CO., LTD.様主催のFAMツアーで11名様が来社されました。
アメリカ、ブラジル、メキシコ、オーストラリアの旅行会社の皆様にお越しいただきました。
工程は全体で6日間、金沢3日、富山3日とのことです。本日はタニハタの後、岩瀬を散策され、リバーリトリート雅樂倶さんを見学されました。

今回の見学を通して、日本の木工や工芸に興味を持っていただけたら嬉しく思います。この度は工場見学にお越しいただきありがとうございました。

タニハタ組子が大阪万博に2つのプロジェクトとして登場します。


世界中から注目を集める大阪・関西万博。 閉幕まであと残りわずかになってきました。
その会場に、私たちの組子が2つのプロジェクトとして登場します。
伝統と革新が交差する舞台で、組子細工の可能性を体感していただけます。


1 富山発「組子細工」とサウジアラビアの職人技 万博会場で伝統格子の国際共同制作を実施。日本とサウジの伝統工芸が融合する特別実演を公開

10月7日(火)・8日(水)の2日間、大阪・関西万博サウジアラビア館にて、サウジの木工アーティストAhmad Angawi 氏とともに伝統木格子の公開製作を開催します。

日本の伝統技術「組子」とサウジアラビアの伝統技術「Mangour」が融合する、万博でしか見られない2日間限定の伝統工芸の共演となります。

万博ならではの国際協働の舞台で、文化を超えて響き合う「手仕事の力」ご体感ください。

【概要】

日程:2025年10月7日(火)・8日(水) 

場所:サウジアラビア館 文化スタジオ

内容:サウジアラビアと日本、それぞれの国に根付く伝統文様が融合する木格子の公開製作。

Mangour(サウジアラビアなどの伝統建築で使われる木製の格子スクリーンの技法・様式)を用いたパネルに、飛鳥時代から続く日本の伝統技術「組子細工」の技法にてオリジナルの文様を職人が組み付けし、パビリオン内に展示します。

日本の繊細な「組子」とサウジアラビアの重厚な職人技が交差し、次回の万博開催国であるサウジアラビアとの文化交流を象徴する場となります。

【パビリオン・ブース紹介】

2025年大阪・関西万博におけるサウジアラビア館は、日本館に次ぐ規模を誇り、人気パビリオンの一つとなっています。
また、サウジアラビアは2030年に開催予定の「リヤド万博」の主催国でもあり、その未来への取り組みにも期待が寄せられています。
2日間限定の貴重な実演に、ぜひご注目ください。



●Ahmad Angawi 氏 プロフィール

サウジアラビアの歴史的地区「アル・バラド」に根差す伝統工芸「マンゴール(Mangour)」を継承するデザイナー/アーティストです。
マンゴールとは、釘や接着剤を用いずに木材を組み合わせ、光や風を通しながらもプライバシーを守るヒジャーズ地方特有の格子細工であり、ユネスコ世界遺産にも登録されているジェッダ旧市街の象徴的な建築技術です。

アンガウィはこの技術を基盤に、英国大英博物館「イスラム世界ギャラリー」やユネスコ・パリ本部での展示、ワシントンD.C.での国際金融公社(IFC)との共同展示など、国際的な舞台でサウジ文化を発信してきました。
また、カルティエとのコラボレーションによる中東ブティックのディスプレイ、イタリアの家具ブランドFratelli Boffiとの共同制作、ファッションや空港施設デザインへの応用など、ジャンルを越えた創作活動を展開しています。

彼の作品は「伝統と革新」「文化と現代性」の橋渡しをテーマに据え、工芸の持つ精神性を現代のデザイン言語に翻訳する試みです。
代表作「Loved & Beloved」シリーズでは、2つの木片が接着剤を使わず一体化する構造を、人と遺産の精神的な結びつきに重ね合わせ、国内外で高い評価を受けています。



9月、サウジアラビアチームとタニハタの工場内で事前のデモンストレーションを行いました。

中東で使用されている文様をベースに日本の組子細工の技法で作られたハッパ部分(花文様)を組み付けしていきます。

一個一個 手作業でアーモンド柄を製作していきます。材料は日本のヒノキ材と杉材を使います。

サウジアラビアで栽培されている<アーモンドの花>をイメージしたオリジナル文様を考えてはめ込みました。

アンガウィ氏が率いるサウジアラビアチームと工場前で記念撮影。 サウジアラビアは次の万博会場でもあり、かなり熱量が高いです。
昨年の12月からZoom等で打ち合わせを始めてやっとゴールが見えてきました。

ぜひ、サウジアラビア館へお越しください。




2 大阪・関西万博の林野庁主催イベント「Wood Change 2025 ~使おう、日本の木」プログラムにおいて、組子アート作品「日本の秋・いのち」 を展示いたします。

本展示では、能登半島地震で被災した富山県氷見市の古材をレスキューした木材 を素材に採り入れ、タニハタが丹精込めて組子細工を施し、秋の情景を光と影で表現します。伝統の技術と地域資源の再生を融合させた新たな試みにより、木と暮らす未来への可能性を来場者の皆さまに伝える舞台といたします。

【概要】

展示会場:大阪・関西万博 会場内 林野庁  フューチャーライフヴィレッジ(FLV)

展示期間:2025年9月23日(火)〜 9月29日(月)

木材の質感、暖かさ、木目の美しさを感じられる空間演出を施し、「木の可能性」を視覚と触覚で訴求します。

使用木材は、氷見古材ノットワーク による「古材レスキュープロジェクト」により収集された被災古材を素材として使用しています。

このプロジェクトには、地元住民や通信制高校の生徒も参加しており、解体家屋から取り出した材を救い、再び作品として命を吹き込む活動を支えています。

スイスの富裕層向け雑誌 「HOCHEDEL Edition 40」に掲載されました。

表紙がハードカバーの立派な書籍が弊社に届きました。
このたび、スイスの富裕層向け季刊誌 「HOCHEDEL Edition 40」 において、8ページにわたり弊社をご紹介いただきました。

「HOCHEDEL Edition 40」は、インテリアのみならず、アート・ファッション・食・自動車など、幅広いライフスタイルを取り上げる季刊誌で、英語とドイツ語の2か国語で構成され、ヨーロッパを中心に多くの読者に親しまれています。

本号では、弊社のほかにも、Porsche(ポルシェ)やTony Ward Couture(トニー・ワード・クチュール)といった世界的に著名な企業が紹介されており、その中に加えていただけたことは大変光栄なことです。

近年、弊社にはスイスをはじめヨーロッパ各地からの問い合わせが増えており、工場見学にも実際に現地からお客様がお越しくださっています。
今回のようなご縁をきっかけに、今後さらに多くの出会いや繋がりが広がっていくよう、私たちも国内外に向けた発信を続けてまいります。

HOCHEDEL Edition 40 tanihata kumiko

組子の製作体験(8月)

8月22日
富山市国際交流センター様主催のイベントにて、23名のお客様が弊社工場へご見学にいらっしゃいました。うち約半数は韓国からのお客様で、国際色豊かなひとときとなりました。
今回は、2023年「日韓親善交流事業」でご来訪いただいたご縁で弊社の工場見学を再度お選びいただいたとのことです。
当時のご来訪の様子

工場にお入りいただいた瞬間から「木の良い香りがしますね」と笑顔でお声をいただき、製作体験中も皆さま楽しそうに、初めての組子づくりに挑戦されていました。
体験の始まりには、弊社の職人が韓国語でご挨拶と説明をさせていただき、「とても上手ですね!」と喜んでくださる様子も見られました。

見学中には職人への質問も多く寄せられ、「道具を扱えるようになるまでに何年かかりますか?」「なぜ組子職人を志されたのですか?」といった問いかけに対し、和やかな雰囲気の中で会話が弾みました。

また、ベテラン職人と熱い握手を交わしながら「これからも元気に頑張ってください!」とのお言葉をいただく場面も見られました。

皆さまの明るいエネルギーに触れ、私たち自身も元気をいただいた、心に残る時間となりました。

8月22日
10月18日(土)、19日(日)開催予定の「ツギノテ」イベントに関連し、高岡龍谷高校の生徒の皆さまが弊社を訪問してくださいました。

展示してある組子をご覧になると、「綺麗!写真を撮ってもいいですか?」と楽しそうに声をかけてくださり、画角を工夫しながら組子が最も美しく映る写真を撮影されている姿が印象的でした。

工場見学では、組子に使用する木材について説明を行うと、終始メモを取りながら真剣に耳を傾けてくださり、学ぶ姿勢の真摯さが伝わってきました。さらに、端材の活用や温暖化対策といった取り組みにも深い関心を寄せてくださり、その探求心に感心させられる場面もありました。

若い世代の方々が、組子や日本の伝統技術に興味を持ってくださることは、私たちにとって何よりの喜びです。
これからも次の世代へ技術を継承していくための活動を大切に続けてまいります。

杉本

アンドレウ・カルーヤ氏 来社されました

スペインを拠点に世界的に活躍するデザイナー、アンドレウ・カルーヤさんがタニハタの組子工場にお越しくださいました。

アンドレウ・カルーヤさんは、1979年生まれ、スペイン・カタルーニャ出身のデザイナーです。
2006年にプロダクトデザインスタジオを設立し、今ではスペインを拠点にする代表的なデザイン会社となっています。
家具、食器や照明、ファッション、インテリアまで様々な分野のデザインを手がけておられ、日本では無印良品(MUJI)の家具ブランド「イデー(IDÉE)」で取り扱いされています。

組子は、細かな木片を釘や接着剤を使わずに組み合わせ、幾何学模様を描き出す日本独自の工芸技術です。光を透かすと陰影が生まれ、空間に静かなリズムを刻みます。アンドレウさんは、この繊細さと緻密な計算に基づいた手仕事を目の当たりにし、「これほどの正確さと美意識を日常的に形にできるのは驚異的だ」と感嘆されていました。

一方で、スペインの工芸にはまた異なる魅力があります。スペインでは、素材の持つ力強さや温かみを大切にし、手仕事を通して自由で表情豊かな造形を生み出す傾向があります。石や陶器、ラタンやオーク材など、自然素材を大胆に生かすデザインは、陽光や風といった地中海の豊かな気候とも響き合っています。

対して日本の組子は、自然を取り込むという点では共通しながらも、規則正しい文様や寸分の狂いも許さない技術精度によって、静謐で調和のとれた世界観を表現しています。

アンドレウさんは、「両方の技術、デザインが出会うことで、まったく新しい表現が生まれる可能性がある」と語り、目を輝かせていらっしゃいました。

また、弊社工房の環境づくりや取り組みにも深く感動されました。
整然と清潔に保たれた作業場、資源を大切に扱う姿勢、そして自然との共生を意識した仕組みは、「美しい作品は美しい環境から生まれる」というご自身の信念に強く重なるものだったそうです。さらに、職人やスタッフのおもてなしに触れ、「技術だけでなく、人の心が工芸を支えている」と繰り返し感謝の言葉をいただきました。

工場を後にされてからも、ずっとエキサイトされた様子で話し続けていらしたと通訳の方からお聞きしました。私たちにとっても、遠く離れた文化を背景に持つデザイナーに組子の価値をこれほど感じていただけたことは、大きな喜びであり誇りです。

伝統と革新、東と西、異なる文化が交わることで、新しい創造の扉が開かれます。
今回の出会いが、未来の工芸に新たな可能性をもたらす第一歩となることを、心から期待しています。

アンドレウ・カルーヤ氏 プロフィール
https://casabrutus.com/categories/design/459649

組子の製作体験(7月)

7月3日
国際大付属高校様の姉妹校(アメリカ・インディアナ州)から留学生が来社されました。

今回は竜胆に挑戦していただきました。
皆さん真剣な表情で取り組んでおられる姿が印象的でした。

初めての日本滞在の中で弊社にお越しいただき、組子に触れていただけたことを大変嬉しく思います。
今回の訪問を通して、日本の伝統工芸に少しでも興味を持っていただけたなら幸いです。

7月30日

株式会社日本の窓様20名が来社されました。

県外、海外からの組子ワークショップ依頼がかなり増えています。タニハタは普段、組子製作を生業としていますのでいろいろ迷うところも多いのですが、旅行会社様ならではのご意見を頂戴し、私たちにとっても大変有意義な時間となりました。
ご訪問いただき、誠にありがとうございました。

岐阜県ひのき伐採現場へ行ってきました

7月7日、8日と2日間、岐阜県東濃地方のヒノキ材伐採現場および木曽ヒノキ備林へ行ってきました。
2日間現地の状況を見てまわり、森と木材と林業について、業界の現状など、多くの学びがありました。

【一日目 東濃ヒノキ伐採現場 見学】
伐採現場に入るとまず、目に入ってきたのは木や重機を運搬するために作られた林道。
足元に残る雨のぬかるみと相まって歩くのも一苦労。。 この日、35度近くの気温ということもあり、傾斜地でもある林道を歩いているだけで体力が削られていく感覚になりました。

林業は他の多くの業界と比較して、労働災害による怪我や死亡事故の発生率が高い業界として知られています。このように足場が悪い傾斜地で汗を流しながら作業員の方々が危険を伴う作業を行っていただくお陰で、私達のような木材加工業者がヒノキを加工することができる・・・
心から感謝したい気持ちになりました。


足場の悪い林道と対照的に美しく手入れされたヒノキの美林。東濃ヒノキは、美しい木目、薄いピンクの色味、優れた耐久性、香りが特徴です。特に、年輪が緻密で、反りや狂いが少ないため、建築材として高い評価を受けています。タニハタでも一番使用量の多い木材です。

スタッフのお話しを聞いていると特にこの地域は、多くの方々が長い時間をかけて間伐、枝打ちなど手入れされてきたヒノキの森とのことでした。

長い時間をかけて人の手で管理されてきた人工林の美しさ、ヒノキから漂う香り、木から聞こえる多くの鳥の声・・
そんな空気の中に佇んでいると体から吹き出す汗がスッーと引いて、日本人として誇らしい気持ちになりました。


森の中では、若い作業員の方による間伐作業が進められており、テンポよく伐採されていく様子は見ごたえがありました。
隣ではプロセッサと呼ばれる大型機械が、倒した木の枝払い・玉切りを行っており、その効率の高さに驚かされました。

林業は怪我の多い業種ですが、こういう高性能林業機械を使いこなすことにより、作業の効率を高めながら作業員の方の怪我を減らすことができます。先日、50キロの木材を運ぶことができるドローンを別の産地で見ましたが、こういう高性能林業機械の開発をぜひ国の施策で行ってもらえるとありがたいです。


ただ、伐採の見極めや機械の刃物、安全管理など現場のスタッフの職人的作業も重要な作業になりますので、機械と人の作業バランスが重要かと感じました。

現場で印象的だったのは、100年を超える太さのヒノキの伐採作業。ベテランの方がチェンソーで丁寧に切り込みを入れ、楔を打ち込み、方向を見極めて木を倒す──その一連の作業は、まさに職人技。

ミシミシと木が軋む音、森の中で反響するその音の存在感。12mもの木が地面に倒れた瞬間の、身体に響くような衝撃音。これは、スピーカー越しでは決して伝わらない、林業の仕事の音でした。

東濃の山の土壌には特徴があり、上層は黒土、下層は赤土。その間を水が通るため、根は浅く、栄養が届きにくい環境。そのため成長は遅いものの、年輪の詰まった美しい木目が形成されるのだそうです。

以前、屋久島に樹齢数千年の杉を見に行ったときに説明員の方からお聞きした「屋久島は、花崗岩(かこうがん)できており、堅い岩山のために木が成長するための養分が少なく、気温の低い気象条件と相まって木が数千年の時間をかけてゆっくり育つ。だから年輪の詰まった美しい屋久杉ができるのです」 そんな言葉を思い出しました。木が美しく育つには、厳しい環境も必要ということでしょうか。

今回は動画撮影も行いましたので、近いうちにYouTubeで伐採の様子をアップしたいと思います。

午後は、東京大学教授の青木賢治先生による講義「中大規模木造の実現と地域材の利用」を受講しました。

2000年の建築基準法改正以降、木造建築に対する制限が性能基準へと変わり、木造による中高層ビルの可能性が一気に広がりました。


木を一番多く使う業種は、やはり「建築業」。今まで強度が弱く、燃えるとされて敬遠されてきた「木材」「国産杉」を鉄筋コンクリートや鉄骨だけではなく、建築の骨組み、内外装に使うことで林業の仕事が大きく変わります。

実際には、鉄筋コンクリート(RC)とのハイブリッド構造や、CLT(直交集成板)などの新素材、さらには住宅用金物を活用した新しい工法(PWA、KI)などが登場し、より実用的な中大規模木造の実現が進んでいます。

日本の木を建築、ビルで使うという考え方は、林業と建築の新しい可能性を生み出していると感じました。また、CO2の排出が少ない木材・バイオマス資源の活用は地球温暖化対策の観点からも重要なキーワードと言えます。

【二日目】

研修2日目は、岐阜県東濃地方の国有林「木曽ヒノキ備林」へ向かいました。
木曽檜の名が世に知られるようになったのは、伊勢神宮の遷宮用材の産地に選ばれた14世紀中ごろから。
それ以降、日本各地のお城・神社仏閣など幾多の建造物の用材として使われました

木曽ひのきは、伊勢神宮式年遷宮など日本の歴史的建造物に欠かせない貴重な資源を育んでおり、「林野庁」が管理しています。
通常はこの森への立ち入りが制限されており、一般の企業はなかなかこの森に入ることはできません。

特別の許可をいただいて、3台の自動車で深い森の中に入っていきました。

車で向かう山道は狭く、中に入るまで鍵のかかった3つの鉄のゲートで厳重に道が管理されていました。

砂利道、落石が散らばる場所もあり、自動車で通るにはかなり大変な場所で、途中、携帯電波も繋がらなくなり少し不安な気持ちに。。

車を降りてからは専門ガイドの解説を受けながら徒歩で進みました。

かつて森林鉄道が通っていた跡を歩きつつも、斜面の滑りやすさに注意が必要な場所もありました。 背の高い広葉樹も見かけましたが、周囲のヒノキに負けじと高く伸びている姿が印象的でした。今はヘリコプターで木を運搬することもあるそうですが、使用機がロシア製のため、ウクライナ情勢の影響も感じられるというお話もありました。

歩道は一見、整備されていますが、場所によっては手と足の三点歩行でないと歩けない急斜面も。うっかり歩くと滑落の危険もあります。ヘルメットは必須で予想以上に大変な道筋でした。

道の折り返し地点には、樹齢約1000年、胸高直径154cmの2代目大ヒノキがそびえ立っていました。初代大ヒノキは950年の樹齢を誇り、昭和29年に伐採されました。太く堂々とした根元から、途中で細くなる特徴的な形状をもち、建材としては不向きなため長く山に残ったと考えられています。

この木が育った時代は、平安時代の枕草子が書かれた頃。まさに歴史の生き証人とも言えます。

伊勢神宮 式年遷宮に使われた裏木曽御用材(ご神木)の伐採跡地も訪れました。この木は平成17年に使われたご神木になります。切り株には特徴的な「三ツ緒伐り」と呼ばれる伝統的な伐採技術の跡が残っています。これは倒す方向に正確に木を倒すため、木の周囲に支えとなる弦を残し、斧で内部を削って空洞を作ったあとに最後の弦を切るというもの。

一本の伐採に7人が約40分かけ、20年に一度の大切な儀式です。伐採した木の先端は感謝の意を込めて切り株に挿されます。安全を確保するため、倒れる方向に人がいないよう何度も練習を重ねるという話に、伝統の重みと緊張感が伝わりました。

雄大な「高樽の滝」。見ているだけで癒やされます。

今回の研修では、伐採される木の歴史的価値、技術、そして地域の自然環境が複雑に絡み合っていることを実感しました。木曽ヒノキのような千年を超える木材を扱うということは、次世代へつなぐ責任を強く感じました。

日本の人工林は、多くの人の手と時間を経ていることを胸に刻み、これからは一層丁寧に「ヒノキ」と向き合い、世界中の人達にこの日本の宝の素晴らしさを組子技術を通して伝えていきたいと思います。

最後にヒノキとサワラが融合して一本の木となった「合体木」の前で記念撮影。
東京大学、京都大学の先生、学生さん達と共にヒノキの勉強をさせていただきました。
関係者の皆様に感謝です。

社会に学ぶ『14歳の挑戦』

2024年7月7日~11日までの5日間、富山県教育委員会が主催する「社会に学ぶ『14歳の挑戦』」の受け入れを実施致しました。

この事業は、中学2年生が5日間学校から離れ職場体験をする事により、地域社会の中で様々な人との交流を通して規範意識や社会性を高め、さらには将来の自分の生き方を考えるなど、成長期の課題を乗り越える「生きる力」を育てる事を狙いとした事業です。

タニハタでは本事業の意義に賛同し、新庄中学校3名の生徒さんの受け入れを行いました。
今回は主に弊社二階展示場の天井に設置する組子の製作をしていただきました。

通常の組子よりも大きめのハッパを組んでいただきました。やり始めは力加減が難しく思うように組めなかったようですが、さすがの集中力と手先の器用さで早々に慣れ、黙々と作業されていました。

葉っぱ入れもしていただきました。
想像以上に作業が早く、難易度が高いもの丁寧且つ確実に入れていただいていたので、職人から驚きの声が上がっていました。

発送する際に使用する段ボールの製作も体験していただきました。「工作に似ていて、これが一番楽しかった」との感想もいただきました。

人や物を提供され与えられる立場にいた彼らが、提供する側を経験したことで世間を見る視野が広がり、ご自身の明日、1年後、10年後を考えるきっかけとなることを、私も子を持つ親として切に願います。

後日、富山市立新庄中学校様より感謝状とともに素敵な御礼状をいただきました。

ニューヨーク国際現代家具見本市(ICFF)にて組子が展示されました

■アメリカ ニューヨーク
CRAFITS DESIGN STUDIO 様

|開催期間:2025年5月18日〜5月20日
|会場:Jacob K. Javits Convention Center.

毎年5月にニューヨークで開催される北米最大規模の現代家具見本市「ICFF(International Contemporary Furniture Fair)」が、
今年も開催されました。

CRAFITS DESIGN STUDIO様は3年連続での出展となり、今回も建築家やデザイナーを中心に多くの来場者がブースを訪れ、
大変ご好評をいただきました。
過去の展示会をきっかけに関心を持ち、今回も足を運んでくださったリピーターの方々や、日本の職人文化に興味を持たれた多くの方々にもご来場いただきました。

快適な工場見学の実現に向けて

最近、当社の組子製作工場には多くの見学者が訪れます。タニハタでは、見学者に快適な環境を提供するために、さまざまな取り組みを行っています。その一環として、工場の2階(展示場)に断熱材を設置することとしました。

断熱材の導入について
工場の2階は特に暑くなりやすく、夏場には温度が上昇しがちです。夏場に見学者の方達が頭から汗を流し続けている姿を見ていつも心苦しく思っていました。
断熱材の導入により、暑い夏でも快適に過ごせる空間を提供し、より良い見学体験を実現します。これにより、工場の組子製品や取り組みについて理解を深めていただけると考えています。


当社では、環境保護を重要視しており、地球温暖化対策を積極的に進めています。無駄なエネルギーを使わず、持続可能な方法で組子製作を行うことが目標です。断熱材の使用はその一環であり、工場全体のエネルギー効率を向上させるための重要なステップとなります。


私たちの工場は、環境への配慮と快適な見学体験を両立させるために、今後も様々な取り組みを続けていきます。ぜひ、私たちの工場に訪れて、その取り組みを肌で感じていただければと思います。

組子の製作体験(6月)

6月5日

大阪府大東市立深野中学校 3年生が、修学旅行の一環として工場見学と組子の製作体験にいらっしゃいました。

「わぁ~、木のめっちゃいい匂いがする!」工場に一歩踏み入れた時の第一声が聞こえてきました。

様々な種類の木材を叩いて音の違いを感じたり、手のひらで触れて温度の違いを感じては、感嘆の声をあげていらっしゃいました。

工場でのカンナ掛けの際は女生徒さんの方が多く手が挙がりました。

組子製作では得手不得手に関係なく、わき目も触れず、皆さん真剣に取り組んでいました。
綺麗に葉っぱが納まると「気持ち良い~、今日一日ずっとこれをやっていたい!」との声も聞こえてきました。

嗅いだことのない匂いを嗅ぎ、触ったことのないものを触り、見たことのないものを見て、やったことのない事をやってみる。
集中して五感を駆使し吸収する姿は、とても輝いて見えました。
未来を創っていく学生の皆さまの、ほんの僅かばかりでも糧となることが出来ましたら大変光栄に存じます。

登坂
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6月12日
富山県民カレッジ様にご来社いただきました。

今回は「伝統と継承」をテーマにした講座の一環として、富山県に根付く伝統工芸や、長年にわたり続いてきた産業について理解を深める機会として企画されたものです。

今回のイベントには、同じ町内にお住まいの方もご参加くださり、「以前から見学してみたいと思っていたので、今回応募しました」とお話しいただきました。さらに、近隣にお勤めでこれまで弊社のことをご存じなかった方からも、「今回知ることができて良かったです」との声をいただきました。

日頃はなかなか地元の方々と接する機会が少ない中で、こうして地域にお住まいの方と直接交流できたことは、私たちにとってとても貴重な経験となりました。

西川

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6月26日
上越市立浦川原小学校の6年生の皆様にご来社いただきました。
午前中はイタイイタイ病資料館と富山県美術館をご見学され、午後からタニハタにお越しくださいました。

鉋体験では、まず鉋をかけていない木の表面に触れていただき、その後、鉋をかけた木の表面にも触れていただくことで、
その違いを実際に体感していただきました。

今回の組子体験では、なんと今までで一番早く地組を完成させた生徒さんがいらっしゃいました。
「どうしてそんなに早かったの?」と聞いてみたところ、パーツを見た瞬間にピンときたそうです。すごいひらめき力です。
その後は、先生方に組み方を教える側に回ってくれていました。

この度はご来社いただき、本当にありがとうございました。

西川

組子の設置写真が届きました

組子の設置写真が届きました。 下記、ご紹介させていただきます。

●三郎丸酒造様 (富山)

1952年にウィスキーの製造を開始し、北陸で唯一のウィスキー蒸留所として歩んできた「三郎丸蒸留所」様。
アニメ映画『駒田蒸留所へようこそ」のモデルにもなった蒸留所で若い世代への新しいアプローチも積極的に行っておられます。

その歴史と革新が交錯する場である工房の新設ブレンダー室に、当社の組子細工をご採用いただきました。



●西かね 様 (シンガポール)

福井県で1850年創業の老舗日本料理店「にしかね」様は、代々受け継がれてきた日本料理の技と心を守り続けておられ、現在は六代目の西信宏氏がその伝統を牽引されています。
西氏の故郷である福井市を上空から見下ろした構図を取り入れて製作させていただきました。



●蕎麦屋様 (ニューヨーク)

1996年に創業された「蕎麦屋」様は、ニューヨークにおいて本格的な十割そばを提供する数少ない名店のひとつ。
現地でも日本の伝統を大切にし、素材・技法ともにこだわり抜いたそばを通じて、日本の食文化の魅力を発信されています。内装には、組子の「麻の葉ちらし」シリーズから、新たに加わった〈あいの風〉と〈律の風〉を組み合わせたデザインをご採用いただきました。



●宮島の宿 宮島グランドホテル有もと 様 (広島)

世界遺産・厳島神社のほど近くに位置する、宮島を代表する老舗「宮島グランドホテル 有もと」様。歴史と自然に恵まれたこの地で、長きにわたり旅人をもてなしてこられた格式あるお宿です。

この歴史あるホテルに弊社の美術組子を納めさせていただきました。



●Aoki Restaurant 様(シンガポール)

シンガポールの大地を連想させる山、一年を通して水の恵みをもたらす雨、それらがダイナミックにうねるデザインの組子が設置されています。
デザインスタジオ・スピン小市泰弘氏が空間デザインを行い、美しい空間となっています。



●FTK秋葉原 (東京)

秋葉原を中心に位置するビル「FTK秋葉原」は、最新の設備と快適な環境を備えた魅力的なオフィスビルです。
国内外から多くの観光客が訪れる「秋葉原」という地にふさわしく、当ビルのエントランスにタニハタの組子細工「麻の葉ちらし 木もれ日」と「吉祥組子 青海波」を設置いただきました。




組子施工写真集一覧ページへ

「まちなか みるすぽパーク」にて体験ブースを出展しました。

2025年5月31日(土)、富山県庁前公園(旧NHK跡地)で開催された「まちなか みるすぽパーク」にて、ミニ組子の制作体験ブースを出店しました。このイベントは、富山県庁の職員有志による「富山県スポーツまちづくり研究会」が主催し、スポーツを「みる」ことを通じて街の賑わいを生み出すことを目的とした新たな取り組みです。


初開催とは思えないほど多くの人でにぎわい、カターレ富山のパブリックビューイングを中心に、飲食やステージ、体験型ブースが軒を連ねる楽しい一日となりました。

私たちは、伝統的な木工技術である「組子」の魅力を知っていただくため、ミニ組子の体験ブースを出店。今回は籠目(かごめ)文様を題材に、始めはヒントを出さずに自由に組み始めていただく形式で行いました。参加された方は大人と子どもがちょうど半々ほどで、最終的に25名の方に体験していただきました。



印象的だったのは、子どもたちの吸収力と発想の柔軟さです。大人の多くは慎重に手を動かしながら試行錯誤していたのに対し、子どもたちは直感的にピースを動かし、驚くほどスムーズに組み上げていきました。ものづくりの入り口として、子どもたちの“まずやってみる”姿勢はとても学びがあり、感心させられる場面が多々ありました。また、富山県知事ならびに富山市長にも弊社ブースにお立ち寄りいただき、温かい励ましのお言葉を頂戴いたしました。

当日は午後から雨の予報もあり、午前中に来場が集中。午後にはカターレ富山のパブリックビューイングが始まり、会場は応援ムードに包まれました。試合は2-2の引き分けと惜しい結果でしたが、多くのサポーターが一体となって応援する様子は、スポーツと地域のつながりを感じる貴重な光景でした。次回こそ、カターレの勝利を願っています。

今回の出店を通じて、「組子って初めて知った!」「やってみると意外と難しい」という声をたくさんいただき、ものづくりを見ていただくだけでなく、“体験”で届ける大切さを改めて実感しました。短い時間でも心に残る体験をこれからも提供していけたらと思います。
イベントを企画運営してくださった関係者の皆様、ブースにお立ち寄りくださった皆さま、本当にありがとうございました!

谷端憲杜





組子の製作体験(5月)

5月20日

千葉県市川市立第八中学校より中学三年生35名様が、修学旅行の一環として工場見学と組子の製作体験に来ていただきました。

授業で取り入れられているSDGsに関する話にも、真剣に耳を傾けていらっしゃいました。

工場では葉っぱ落としとカンナ掛けを体験していただきました。
職人が希望者を募ったところ元気よく多くの手が挙がり、やる方も見る方も集中し、真剣に作業していました。
そして綺麗に出来上がり、職人から筋が良いと褒められると、周りから歓声が上がりました。

ミニ組子の製作体験では、まずヒントなしでチャレンジしていただきます。
「早くできた方には社長から景品があるよ~」と声がかかると、一斉にギアが上がり製作に熱が入りました。
なかには時間を持て余し、組子にパーツを付け加えオリジナルの組子を製作している生徒さんもいらっしゃいました。

当日は全国的に異常な暑さでしたが、中学生の皆さんはとても礼儀正しく暑さ吹き飛ぶほど元気はつらつで、学生さんたちの吸収力や柔軟な思考力に大変刺激を受けました。限られた時間の中でより多くのことを経験し吸収していただけるよう、工夫して参りたいと考えております。

登坂


5月26日

富山国際大学付属高等学校の1年生の生徒さんが、ご来社くださいました。

今回は、「遠足で富山の工芸品を体験する授業」の一環として、富山県内のさまざまな伝統工芸を訪問されたそうです。
タニハタのほかにも、八尾の桂樹舎さんでの紙漉き体験や、井波での彫刻、絵付け体験など、複数のグループに分かれて見学・体験をされたとのことでした。

制服の襟元にはSDGsバッジがついており、話をうかがうと、校内でのゴミの分別や、プラスチック製品(コンタクトケースやペットボトルキャップなど)の回収活動など、日々の生活の中で地道な取り組みを積み重ねていらっしゃるとのこと。持続可能な社会づくりへの意識の高さに、私たちも学ばせていただきました。

今回の遠足では、校内でフォトコンテストも開催されるそうで、組子をさまざまな角度から撮影していただきました。

今回のご訪問を通じて、次世代を担う若い皆さんに少しでも日本の伝統技術の魅力を感じていただけたなら幸いです。

西川

リバーリトリート雅樂倶様のWEBサイトにてご紹介いただきました。

富山県富山市春日温泉郷にあるリゾートホテル「リバーリトリート雅樂俱」様のWEBサイトにて、弊社の組子ワークショップをご紹介いただきました。

リバーリトリート雅樂俱様は、建築家の内藤廣氏によって設計された富山を代表する高級ホテルです。2018年には弊社の枡あわせ組子も納入させていただきました。(雅樂倶様施工写真)

アメリカのニューヨーク・タイムズが発表した「2025年に行くべき52カ所」に富山市が選ばれた効果で、国外からいらっしゃるお客様が増えております。富山の自然と文化を味わっていただける一端を担うことができれば伝統工芸を受け継ぐ立場として大変喜ばしいことと思っております。

リバーリトリート雅樂倶様にご滞在の際は、富山の自然と伝統に触れるひとときとして、弊社の組子製作体験もお楽しみいただけましたら幸いです。

We are pleased to share that our kumiko woodworking workshop has been featured on the website of River Retreat GARAKU, a luxury resort hotel located in Kasuga Onsenkyo, Toyama City, Toyama Prefecture.

River Retreat GARAKU is one of Toyama’s most distinguished hotels, designed by renowned architect Hiroshi Naito. In 2018, we had the honor of supplying our masu-awase kumiko panels to the hotel as well. (Installation photos available)

Since Toyama City was selected by The New York Times as one of the “52 Places to Go in 2025,” the number of international visitors has been steadily increasing.As a company dedicated to preserving traditional Japanese craftsmanship, we are truly honored to play a part in offering guests a meaningful experience of Toyama’s natural beauty and cultural heritage.

We warmly invite you to enjoy our kumiko workshop during your stay at River Retreat GARAKU, as a unique moment to engage with the rich traditions and serene nature of Toyama.

大阪 組子ショールーム展示スペース拡充のご案内

このたび、大阪にあります組子ショールームの展示内容を拡充いたしましたのでご案内いたします。

「麻の葉ちらしシリーズ」 以下の4点を新たに展示品として追加いたしました。

結び風(TAタイプ)

花かすみ(TAタイプ)

ちぎれ雲(TAタイプ)

水無月(TAタイプ)

従来から展示しておりました「てまり雪」「天の川」と合わせて、合計6種類の麻の葉ちらしシリーズをご覧いただけるようになりました。
各展示パネルのサイズは約幅1m × 高さ2mとなっており、壁面設置や建具へのご使用を検討されているお客様に、実際のサイズ感を体感いただけます。
また、弊社オリジナル木材 利休杉の「胡麻柄」パネル 枠材カシュー塗り仕様 も新たに展示いたしました。
高級感のある灰褐色の色合いが特徴です。

左から結び風・花かすみ・ちぎれ雲・水無月の配置になっております。

■ ミニ組子の販売開始について
大阪ショールームにて、「ミニ組子」全18種類の販売を開始いたします。
さらに、組子の端材を再利用したオリジナルアロマスプレーもご用意しております。

※お支払いはキャッシュレス決済のみ対応しております。


展示スペースも約9㎡ほど拡張し、広々とした空間で多くの組子製品をご覧いただけるようになりました。

大阪ショールームは、ゴールデンウィーク中も営業しております。  ※5月7日(水)のみ休業
皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

大阪 組子ショールーム アクセス方法

作業風景
作業風景

組子の製作体験(4月)

4月17日

ドイツのシュトゥットガルトからご夫婦でご来社いただきました。
建築関係のお仕事に従事されているご家族様からのご紹介をきっかけに、弊社を訪れてくださったとのことです。

当初は東京ショールームのみご見学のご予定だったそうですが、ショールームで実際に組子をご覧になった際とても感動されたとのことで、「ぜひ、製作現場も見てみたい!」とのご希望から、東京から富山の本社工場まで足を運んでくださいました。
このお話を伺い、私たちも大変嬉しく、心から感謝の気持ちでいっぱいになりました。

普段、子ども向けのワークショップに携わっておられるとのことで、特別なサポートを必要とすることもなく、手際良くミニ組子を完成されました。
ドイツのシュトゥットガルト はポルシェやベンツの本社がある地域ということでドイツの中でも特にモノづくりに関心の高い地域だそうです。

工場見学では、組子細工の展示だけでなく、職人たちの真摯な仕事ぶりや、地球温暖化対策への取り組みにも深く感銘を受けたとお話しくださいました。
約1時間半という限られた時間ではありましたが、とても心温まる貴重な出会いとなりました。

杉本

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4月23日

ドイツ・ミュンヘンよりお客様が工場見学にお越しくださいました。
今回が初めての日本旅行とのことで、日本の伝統工芸に深いご興味をお持ちだそうです。各地の工房や工芸品の現場を巡るご旅行の一環として、弊社にもお立ち寄りいただきました。

工場では、組子スマホスタンドの製作とカンナ掛け体験もしていただきました。削る前と後で木肌がどのように変化するのか、その違いを手で触れて実感され、驚きと感動のご様子でした。

また、組子細工で使用する木材の選定基準や、木の特性による仕上がりの違いについてもご説明させていただきました。

なお、弊社へお越しになる前には、高岡市にある能作さんでも鋳物の体験もされたとのこと。
日本の伝統技術を肌で感じる、まさに「体験尽くし」の一日を楽しまれたようです。

遠方よりお越しいただき、誠にありがとうございました。今後の旅路も素晴らしい時間になりますよう、スタッフ一同心より願っております。

西川

スウェーデン王立リンショーピング大学の学生が来社されました

昨年に引き続き、今年もスウェーデン王立リンショーピング大学の学生の皆さまが弊社にお越しくださいました。今回で3回目のご来社となり、毎回のご訪問を社員一同楽しみにしています。

今回も、木工作家・小松研治先生にアテンドいただき、工場見学と組子製作体験を実施いたしました。特に今回は、通常の体験よりも難易度の高い内容に挑戦していただきました。細かいピッチで組まれた地組に、複数の文様の「葉っぱ」を組み込んで、自分だけのデザインを完成させるというものです。※なお、写真に写っております木工用ボンドは、体験用としてご用意したものです。通常の製品には使用しておりません。

皆さん木工を専門に学ばれていることもあり、職人が手取り足取り教えることなく、自ら考えながら組子製作に取り組む姿が印象的でした。完成後には、細かな段差の有無や接着剤のはみ出しなど、仕上がりを真剣に確認する姿が見られ、その観察眼の鋭さに職人たちからも感嘆の声が上がっていました。

また、工場見学では、木材や道具について意見交換をさせていただいたほか、最近新たに始めた取り組みである、組子の端材を再利用したアロマスプレーもご紹介しました。環境への配慮を大切にするスウェーデンの方々にもご好評いただき、持続可能なものづくりへの関心の高さを改めて感じることができました。

言語や文化の違いはあるものの、「ものづくり」という共通の価値観を通して、お互いに学び合い、尊重し合う時間を過ごすことができました。言葉が通じなくても、組子を通じて自然と生まれるコミュニケーション。今回の交流を通じて、その力をあらためて実感する機会となりました。

日本政府観光局のWEBサイトでタニハタの取り組みが紹介されました。

日本政府観光局のWEBサイトでタニハタのインバウンド向けの取り組み、ワークショップが紹介されました。

https://www.japanmeetings.org/japan-incentive/contents/detail/2262.html

https://mice.jnto.go.jp/assets/docs/toolkit/incentivetravel.pdf

JNTO(日本政府観光客)は国土交通省(観光庁)所管の独立行政法人です。
海外からの訪問者を増やし、日本の文化、歴史、自然、ライフスタイルを海外の方に広く知ってもらうことを目的に設立されました。

今回制作された冊子は、外国の観光客に向けて、日本の伝統工芸や料理などを紹介されたものになっており、当社を含めて50の組織が選ばれています。

ウェブサイトやパンフレットを通じて、日本の魅力を発信されていかれるようです。

タニハタは、インバウンド観光客に対し、職人技を身近に体験できるワークショップを開催しております。
観光客は、組子のパーツを自分で組み立てながら、実際に手を動かし、組子細工の魅力を体感することができます。

伝統文化を広めるだけでなく、訪れた人々に日本の素晴らしさを伝える架け橋として、これからも発信して参ります。

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